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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年8月24日 (火)

Le Glorieux 死亡

『RACING POST.com』によると、8月19日に Le Glorieux(日本語表記ではルグロリュー)が死亡したそうです。26歳。

Le Glorieux、といっても若い競馬ファンにとっては「何ソレ?」でしょう。1987年に行われた第7回ジャパンC(G1)をコースレコード(2分24秒9)で快勝した馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1984109001/

この年は、迎え撃つ日本勢が絶望的な低レベル(1~6番人気は外国勢)で、ホスト国としてさすがにこれはマズイのではないかという声も少なくありませんでした。牝馬のダイナアクトレス(9番人気)が3着に突っ込んできて救われた気分になったものです。ちにみに、それから21年後のジャパンCを制したのはダイナアクトレスの孫スクリーンヒーローです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004103328/

Le Glorieux は、歴代のジャパンC優勝馬のなかで最少体重馬。レース時の馬体重は410キロでした。他馬に比べてはっきりと小さく、しかも鞍上のルクー騎手が手足の長いひょろっとした人だったので、人馬のバランスがちょっと変だったのを記憶しています。

このレースでは2つのことを学びました。

ひとつは、父が同じでも母方の血によってまったく違ったタイプに出るということ。Le Glorieux は当時3歳だったのですが、ちょうど同世代のPOGで、たまたま同じ Cure the Blues 産駒のハニーブルースという持ち込み馬を指名していました。ハニーブルースは母の父がスピード型のテスコボーイ。芝・ダート兼用の短距離馬というキャラクターでした。一方の Le Glorieux は、母が「Le Fabuleux×Herbager」というヨーロッパのスタミナタイプだったので、2400mを苦にしませんでした。両馬の配合を見比べれば個性の違いは一目瞭然。同じ種牡馬の子でもここまで違ってしまうことに感心しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1984100562/

もうひとつは、海外遠征では本番前に前哨戦を使うことが必ずしもプラスにならないということ。富士S(OP・芝1800m)を楽勝して臨んだ Triptych(トリプティク)が断然の1番人気だったのですが、結果は4着。前哨戦を使うということは、馬場に順応させるメリットがある一方、滞在期間が長くなるため体調維持の難しさを抱えるというデメリットもあります。馬によっては後者の影響が強く出てしまい、凡走することもあるのだと感じました。

Le Glorieux は種牡馬としてはイマイチでした。もし仮に1~2年後のジャパンCを勝っていたとしたら、あるいは日本に導入されていたかもしれません。この当時はバブル経済が本格化する前だったので、なんでもかんでも買ってしまうという雰囲気はまだありませんでした。ただ、3コーナーで競走を中止したアカビールは、怪我の影響で本国には帰らず、そのまま日本で種牡馬になったと記憶しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1981109006/

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コメント

今晩はいつも楽しく観させてもらっています。しかしながら血統初心者の為、解らない事がたまにあります。本などで勉強しようと思うんですが、色々あってどれを買っていいのか迷います。お薦めの本などあったら教えてください。

こんばんは。いつもお読みいただきありがとうございます。

現役種牡馬についての資料なら『種牡馬史上最強データ』(関口隆哉/宮崎聡史著・成美堂出版)がいいと思います。古い種牡馬に関しては『サラブレッド血統事典』(山野浩一/吉沢譲治編著・二見書房)ですね。後者は95年刊行なので新刊本は売っていません。Amazon を利用して中古品を買うことができます。

系統に関する読み物でしたら『血統ビーム 名種牡馬読本』(亀谷敬正著・競馬王新書)がいいでしょう。私と亀谷氏の対談本で、平易で読みやすい内容だと思います。

血統表に関しては netkeiba を利用するのがいいですね。海外馬の血統表は以下のサイトが便利です。
http://www.pedigreequery.com/
左上の「Horse」という空欄に馬名を入れ、「Horse Search」をクリックすれば血統表が出てきます。

牝系や配合に関しては、栗山求 Official Website の「Works」に収められた「わかりやすい初歩の血統」をご覧いただければと思います。基礎的なものはカバーしています。
http://www.miesque.com/

当ブログからリンクを貼った3つのサイト&ブログ(笠雄二郎、望田潤、kuwaさん)は勉強になるので毎日覗くといいのではないかと思います。とてもいいことが書いてありますよ。

色々教えてくれありがとうございます。大好きな競馬何となく予想するのではなく、予想の軸となるものがほしく血統を勉強しようと思いました。一つ一つ覚え自分の武器にしていきたいと思います。本当にありがとうございました。

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