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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年4月27日 (火)

サクラハゴロモとガルダンサー

昨日のエントリーで採り上げたサクラバクシンオーは、かつてPOGで所有していた馬でした。どうして獲ったかというと、その母サクラハゴロモをPOGで所有していたからです。

サクラハゴロモがデビューしたのは1986年6月7日(土)。第1回札幌初日の新馬戦(ダ1000m)でした。圧倒的な1番人気に推されたものの結果は2着。わざわざ学校をサボッて後楽園場外まで応援に駆けつけた筆者(当時高校3年)は肩を落として帰途につきました。

翌日曜日、もう1頭のPOG所有馬ガルダンサーが新馬戦(ダ1200m)に出走したのですが、残念ながらこちらも断然人気で2着。うまくいかないものだなぁ……と嘆息した記憶があります。

結局、サクラハゴロモは約1年半の競走生活で16戦して2勝を挙げるにとどまりました。が、繁殖牝馬としてはアンバーシャダイの全妹という良血を活かし、サクラバクシンオーを送り出して成功しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1984104366/

初戦で惜敗したガルダンサーは、折り返しの新馬戦(ダ1200m)を大差勝ちし、勢いに乗って札幌3歳S(G3・ダ1200m)を制覇しました。当時、札幌競馬場には芝コースがなかったためレースはダート戦でした。このときの2着馬はゴールドシチー(阪神3歳S、皐月賞2着、菊花賞2着)です。

ガルダンサーは、母オディオラがめったに見られないような配合をしており、この点からも気に入っていた馬でした。2代母ヒヤママンナはヤシママンナ≒ゴールドウェッディング1×3、母オディオラはフクニシキ≒ヤシマアポロ3×3。母の父リュウズキは皐月賞と有馬記念の勝ち馬です。古き良き昭和の香りが漂う血統ですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1984104303/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1978101970/

その後、ウインターS(G3・ダ2200m)2着、札幌記念(G3・ダ2000m)3着などの成績を挙げてガルダンサーは地方競馬へ転出し、流浪の競走生活に入りました。

北関東では、当地の有馬記念に相当するとちぎ大賞典(ダ2600m)を制覇。年の瀬の忙しい時期でしたが宇都宮競馬場まで応援に行ったことを覚えています。その8日後に昭和が終わったので、ライブで見た昭和最後の競馬がこのとちぎ大賞典でした。優勝レイを掛けられて拍手を浴びるガルダンサーは、その数日前に有馬記念を制したオグリキャップに劣らぬ堂々たる威風を放っていました。その背中で手を挙げた福田三郎騎手は、2000勝以上を挙げた北関東きっての名ジョッキーでしたが、数年後、調教中の落馬事故によって半身不随となっています。

北関東のあとは上山、さらに九州の中津へと流れ、ここで9歳まで走って競走生活を終えました。通算70戦14勝。その後の消息は不明です。ガルダンサーの競走生活の晩年には、すでにサクラハゴロモの子サクラバクシンオーが気鋭のスプリンターとして頭角を現していました。競馬好きの高校生だった筆者は競馬業界に身を置いていました。

スピードは次代に血を繋げる一方、丈夫さが取り柄の古い在来血統は走るだけ走って地方競馬の片隅で朽ち果てていく。サクラハゴロモ親子とガルダンサーを同時にウオッチしていると、少しだけ切ない気分になったものです。

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