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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年3月

2010年3月12日 (金)

マカニビスティー大井移籍の真相~~矢作調教師のブログから

3月5日のエントリーでマカニビスティーの大井移籍について採り上げました。昨日付の矢作芳人調教師のブログに詳しい事情が記されています。やはり中央に適レースがないことが原因でした。

「厩舎としては大きな損失となるが
馬やオーナーの幸せを考えると
このままここにいるよりは
南関に移籍して
羽田杯や東京ダービーなどで
活躍したほうがいいと
僕が決断しました。」
http://ameblo.jp/yahagi-ecurie/

大井でいくら活躍しても矢作厩舎に金銭的メリットはないのですから、なかなか真似のできることではありません。大井では戸崎圭太騎手が手綱を取り、時機が来たらまた中央に戻るようです。

『馬券師倶楽部』/半笑いVS栗山求(後編)

CS放送の“MONDO21”で放送されます。土曜日の15時30分から30分間です。どうぞご覧くださいませ。

2010年3月11日 (木)

ラブミーチャンの取捨

日曜日のフィリーズレビューには、笠松のラブミーチャンが出走します。ここまでダートばかり6連勝。水曜日のサンケイスポーツが1面で大きく採り上げたのにはビックリしましたが、各種媒体の想定出馬表を見ると、軽い印がチョボチョボといった感じで、予想者の方々はごく冷静に判断されているという印象です。

こと細かに説明するまでもなく、配合的にはダートのほうがいい馬でしょう。母ダッシングハニーは、アサティス、スラヴィック、クラウンドプリンスというダート向きの血で構成され、Busanda≒Striking 5・6×5、Flower Bowl≒Your Hostess 4×5。これに、さらにダート向きのサウスヴィグラスを交配しているのですからパワー満点です。芝で新たな持ち味を発揮するタイプではないと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100269/

ただし今回は、舞台が“芝1400m”であることがポイントです。1月18日のエントリーで次のように書きました。

「芝1400mは追って味のない一本調子の馬が勝ち負けになるコースです。したがって、ダート血統であっても無視できません。中山芝1200mと似ていますね」

同じく笠松からやってきた無敗のライデンリーダーは、15年前の報知杯4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)で衝撃的な圧勝劇を演じました。
http://www.youtube.com/watch?v=8UJhXCWbfMo

しかし、同馬はその後、桜花賞やオークスで人気に推されながら負け続けました。ダート馬が通用しやすい芝1400mで中央唯一の勝ち星を挙げたのは偶然ではないと思います。

じっさい、フィリーズレビューは、ダートを得意とする馬が健闘するレースです。07年の2着馬アマノチェリーラン、08年の2着馬ベストオブミーは、若菜賞(500万下・ダ1400m)を勝って臨んできた馬たちでした。

ラブミーチャンを本命に推すことはできませんが、無印に落とすのも怖いところです。2、3着なら可能性はあるのではないでしょうか。仮にここで好走しても、本番は厳しいと思います。

2010年3月10日 (水)

「サンデーサイレンス×デインヒル」は海外向き

昨日のエントリーで採り上げた Raihana は、母 Esubooh が「サンデーサイレンス×デインヒル」でした。日本ではシックスセンスとメテオバーストが出た組み合わせです。この2頭はデインヒルの面影を感じさせる四角い馬体で、ジワジワと伸びる渋いタイプでした。

シックスセンスは香港ヴァーズ(G1・芝2400m)で2着。国際舞台でも十分に戦える馬でした。いや、むしろ海外の競馬のほうが向いていた可能性があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100476/

日本の軽い芝では、「サンデーサイレンス×デインヒル」は「ジワジワと伸びる渋いタイプ」なのですが、力のいる馬場ではそれがちょうどいいような気がします。「サンデー×デインヒル」の代表産駒は、AJCオーストラリアンオークス(豪G1・芝2400m)を勝った Sunday Joy。サンデーサイレンスが南半球で送り出した唯一のG1馬です。このときは2分32秒42と遅い決着でした。
http://www.pedigreequery.com/sunday+joy

Sunday Joy は繁殖牝馬としても才能を示しており、娘の More Joyous(父 More Than Ready)は現在、オーストラリアでG1を含めて重賞4連勝中と注目を集めています。「サンデー×デインヒル」は、海外で力強く血を広げています。
http://www.pedigreequery.com/more+joyous

2010年3月 9日 (火)

オールウェザーに適性を示すサンデーサイレンス

あまり話題にはなりませんでしたが、2月25日に行われたUAEオークス(リステッドレース・オールウェザー〔タペタ〕1900m)は、母の父にサンデーサイレンスを持つ Raihana(父 Elusive Quality)が勝ちました。オーストラリア産の牝3歳です。北半球の馬よりも生まれが半年早いので59.5キロを背負っての勝利でした。
http://www.pedigreequery.com/raihana

母 Esubooh は、おそらくその母フェリシテーションがサンデーサイレンスと交配するためにオーストラリアから北海道にやってきて、種付けしたあとまた戻って行って出産した馬でしょう。

レッドディザイアと Raihana の活躍を見ると、サンデーの血は高い確率でオールウェザー(タペタ)にフィットしているように思えます。ただ、注意したいのは、前者は Sadler's Wells を、後者はデインヒルを併せ持っていること。どちらもイギリスの深い芝に適応する血です。このあたりもオールウェザー適性のポイントのひとつかもしれません。

サンデーの血がオールウェザー向きだとしたら、これから数年、外国人が気づく前に、ドバイに遠征する日本馬を英ブックメーカーで狙い続けて大儲けできる……かもしれません。

2010年3月 8日 (月)

キンカメ・レヴォリューション

ドバイでウオッカが引退を表明し、中山ではヴィクトワールピサが弥生賞を快勝。そして、阪神のアルメリア賞ではルーラーシップが必敗の態勢から逆転勝ち。日曜日はまさに角居デイでした。

タムロスカイのタックルを受けた時点で、キャリアの浅い若駒ならレースを投げてしまってもおかしくありません。たしかに勝って当然のメンバー構成でしたが、そんなことは重要ではなく、あそこから態勢を立て直して闘志に火をつけ、差し切ったことに意味があります。母エアグルーヴのいちょうSを思い出された方も多いかと思います。この闘争心は、この先に待ち受ける厳しいクラシックレースで必ずモノをいうでしょう。ひ弱なお坊ちゃんでは勝てません。

「中間、アクシデントの連続で、ここはせいぜい七分のデキだが、500万下ならなんとかなる」と書いて◎を打ちましたが、2着ミヤジシェンロンはヌケてしまいました。結局、キングカメハメハ産駒のワンツーフィニッシュ。土曜日のチューリップ賞のワンツースリーフィニッシュ(3月6日のエントリーでは「ワンツーフィニッシュ」と書きましたが誤りです)に続く上位制圧で、これはもう“キンカメ・レヴォリューション”とでもいうべき勢いです。土日7勝は圧巻です。道悪で頑張れるのは、精神面の強さの証明でもあるでしょう。そう考えると、アクシデントにひるまないルーラーシップの根性もうなずけます。

レース後の様子についてはまだ情報が入ってきていませんが、接触の際のダメージや、不十分な体調でキツいレースをした反動がなければいいのですが。皐月賞を目指すとしたら、さすがに中1週の若葉SやスプリングSは無謀なので、中2週の毎日杯しか選択肢は残っていません。楽ではないですね。ダービーに狙いを絞ったほうがいいのでは、と個人的には思います。

2010年3月 7日 (日)

弥生賞はヴィクトワールピサ

序盤の位置取りは怖いなと思ったのですが、終わってみれば無駄なエネルギーを使わない余裕の勝利でした。武豊騎手の馬に対する信頼感が伝わってくる騎乗ぶりでした。もし馬の能力に疑念を持っていれば、ポジションを取りに行ったり、勝負どころで外の馬と一緒に動いていたでしょう。馬の能力が違うという確信がなければ今回の騎乗はできません。『web競馬王』の予想は◎○で的中でした。予想文を転載します。

「◎ヴィクトワールピサは『ネオユニヴァース×マキアヴェリアン』という組み合わせで、スウィフトカレント(小倉記念、天皇賞・秋-2着)の4分の3弟、アサクサデンエン(安田記念)の半弟にあたる。父ネオユニヴァースは鈍重なタイプなので、母系にミスタープロスペクターが入るのは歓迎。母ホワイトウォーターアフェアは、ロジユニヴァース(日本ダービーなど重賞4勝)の母アコースティクスと同じく『マキアヴェリアンとロレンザッチオ』を併せ持っている。したがって、同じネオユニヴァースを父に持つヴィクトワールピサとロジユニヴァースは配合構成がよく似ている。G1でも勝ち負けになる器だろう。母の父マキアヴェリアンは道悪の鬼。ヴィクトワールピサと配合構成がよく似たロジユニヴァースは極悪馬場の日本ダービーを勝った。雨で渋った馬場も苦にしないはず。」

01年に不良馬場の弥生賞を勝ったアグネスタキオンは、続く皐月賞も勝ったのですが、明らかに調子が落ちていました。道悪の競馬は良馬場よりも体力を消耗します。このあたりのケアが本番までの課題でしょう。

ウオッカ引退

昨年秋の毎日王冠は、東京競馬場のメインスタンドから離れた東門近くの場内テレビでレースを観戦していました。カンパニーがウオッカを差し切った瞬間、スタンド方面から「あぁ……!!」という大きな潮騒のようなため息が聞こえてきたのを思い出します。大本命馬が敗れただけではあのような響きにはなりません。ウオッカはファンに愛されているんだなぁと、そのときあらためて感じました。

欧米には「レモンは絞りすぎてはいけない」という格言があります。牝馬を競走に使いすぎると繁殖成績に影響が出てくることがあるので、余力があるうちに牧場に上げたほうがいい、という意味です。この点でウオッカには多少心配があるのですが、それを覆すような繁殖成績を挙げてほしいものです。

2010年3月 6日 (土)

チューリップ賞はショウリュウムーン

アパパネは仕上がりひと息。何かにやられる可能性はあったとはいえ、それがショウリュウムーンとは予測していませんでした。前走は確かに優秀でしたが、このメンバーに入ると印を回しづらいですね。

キングカメハメハは Nijinsky と相性が良好です。

■キンカメ産駒全体
全連対率 21.2%
芝連対率 20.4%
ダ連対率 22.5%

■キンカメ+Nijinsky
全連対率 22.7%
芝連対率 25.6%
ダ連対率 17.3%

このパターンからはフィフスペトル、キングストリート、キングスレガリア、エオリアンハープなどが誕生しています。芝の連対率が上がってダートは下がります。キングカメハメハの父 Kingmambo は、Sadler's Wells や Seattle Slew だけでなく、Nijinsky ともニックスの関係にあります。トップクラスの産駒は少なからぬ割合でこのパターンを持っています。

アパパネが2着に入ってキングカメハメハ産駒のワンツーフィニッシュ。先週のコスモセンサーに続いて2週連続重賞Vです。JRAのサイアーランキングでは現在首位。これで2位との差がまた開きました。

◎ベストクルーズは9着。3コーナーで立ち上がる不利があり、それから先は鞍上の安藤勝己騎手も無理をしませんでした。

『馬券師倶楽部』再放送

お約束の告知です。先週フライングで紹介してしまった『馬券師倶楽部』(「半笑いVS栗山求〔前編〕」)の再放送は、土曜日の15時30分からです(CS放送の“MONDO21”)。どうぞご覧くださいませ。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!