サッカーボーイ逝く(後)
サッカーボーイのサイアーラインはもともとスタミナ豊富ですが、一方で気性が激しすぎるという特徴も見られ、この影響が強すぎると距離がもたずにマイラーとなる、という傾向があります。
三冠馬ミスターシービーは、スピード型のトウショウボーイの子でありながら菊花賞を制しました。スタミナの裏付けのひとつは母の父トピオ(凱旋門賞)です。トピオの父は Fine Top で、ディクタスの2代父でもあります。
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種牡馬としてのサッカーボーイはスタミナを伝えるタイプでした。というよりも、気性の激しさをあまり伝えなかったため、父ディクタスから受け継いだスタミナのみが産駒に表現された、ということだと思います。マイル前後で出世した唯一の産駒であるブルーイレヴンは、母の父シンボリルドルフの影響で気性面の火薬庫に火がついてしまい、距離がもたなかったのだと思います。じっさい、凄まじい気性でした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2000105909/
サッカーボーイの全妹ゴールデンサッシュは、ステイゴールド(香港ヴァーズ、ドバイシーマクラシック)の母となりました。ステイゴールドの激しい気性はサッカーボーイ一族から受け継いだものでしょう。種牡馬としては大成功し、ドリームジャーニー(有馬記念、宝塚記念、朝日杯フューチュリティS)や、その全弟で三冠を狙うオルフェーヴルを送り出しています。サッカーボーイ一族の血はこれから日本競馬に深く根付いていくものと思われます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102636/
ロイヤルサッシュ(f.1966.Princely Gift)
ダイナサッシュ(f.1979.ノーザンテースト)
│ サッカーボーイ(c.1985.ディクタス)
│ ベルベットサッシュ(f.1986.ディクタス)
│ │ ホールオブフェーム(f.1991.アレミロード)
│ │ バランスオブゲーム(c.1999.フサイチコンコルド)
│ ゴールデンサッシュ(f.1988.ディクタス)
│ ステイゴールド(c.1994.サンデーサイレンス)
│ グレースランド(f.1998.トニービン)
│ │ ドリームパスポート(c.2003.フジキセキ)
│ レクレドール(f.2001.サンデーサイレンス)
ダイナホット(f.1982.ディクタス)
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血 統 屋 http://www.miesque.com/
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この馬の末脚は、私も好きです。
しかし、ヒシミラクルはスブかったですよね(笑)
投稿: キングトップラン | 2011年10月10日 (月) 08:15
自身の特徴とこれほど異なる産駒を出し続けた種牡馬も稀ではないかと思います。
投稿: 栗山求 | 2011年10月11日 (火) 07:01
サッカーボーイと言えば、けっぱりの強さが印象です。熱中度の高かった頃の馬で、ダービー一番人気大敗後、圧倒的なパフォーマンスで快進撃!結局、3歳で競走成績を閉じましたが、種馬としても個性派揃いで我が道を行ってました(笑)
投稿: うまポーロ | 2011年10月16日 (日) 18:53
当時の競馬は熱かったですね~。サッカーボーイが4歳以降も競走を続けていたら、オグリキャップ、スーパークリーク、イナリワンらと素晴らしい名勝負を繰り広げていたでしょうね。これは見たかったです。
投稿: 栗山求 | 2011年10月18日 (火) 07:24