2024年5月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

« オールカマーはアーネストリー | メイン | アサクサスケールの牝系に待望の良駒 »

2011年9月28日 (水)

Drone≒Sir Ivor と相性がいいダイワメジャー

■土曜札幌5Rの新馬戦(芝1500m)は、好スタートからハナに立った△ニケ(5番人気)がギリギリ逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=P9XevRfpOZs

ダイワメジャー産駒は先週2勝。今シーズンの勝利数を「12」として2歳勝利数ランキングの単独トップに立ちました。2着がある未勝利馬は12頭。これらの大半もいずれ勝ち上がるでしょう。順調なら年末までに25~30ぐらいまで数字を伸ばしてくるのではないでしょうか。ガシッとした体つきの健康優良児が多く、稼動頭数が多いのが強みですね。

ニケの稽古内容はとりたてて強調すべき点がなく、したがって人気もありませんでした。スローペースに落として逃げられたことが勝因でしょう。4コーナーでは外の馬群に飲み込まれそうになりましたが、そこから粘りに粘ってとうとう抜かせませんでした。父親そっくりで思わず苦笑してしまいました。

瞬発力よりも粘りを身上とする種牡馬だけに、どうしても取りこぼしが多くなります。とくに新馬戦では頭から買うには信用できないタイプで、意外にもこれが3つめの勝ち星です(新馬戦では〔3-10-2-38〕という成績)。

2代母 Messenger Miss は名種牡馬 Green Desert の4分の3同血にあたる良血で、ニケ自身は、サンデーサイレンスとエンドスウィープ、Halo と Drone のニックスを併せ持ち、Your Hostess≒Flower Bowl 6×6が底力の隠し味となっています。ちなみに「栗山ノート」で推奨した馬でもあります。

母方にダンシングブレーヴを持つダイワメジャー産駒は、これまでに3頭が出走し、すべて勝ちあがっています(ダローネガ、オメガホームラン、トーセンベニザクラ)。ダンシングブレーヴに含まれる Drone はサンデーサイレンスの父 Halo と相似な血の関係にあり、これが好相性の秘密でしょう。ニケが持つ Sir Ivor も、Halo と相似な血の関係にあります。まだサンプルが少ないとはいえ、母方に Drone または Sir Ivor を持つ馬は4頭出走してすべて勝ち上がっているので、現時点でこれはニックスといえると思います。

今回は相手と展開に恵まれた感があり、直線の短いコースや洋芝にも向いていました。昇級してすぐ通用するかというと微妙でしょう。ただ、配合的には優れており、いずれ頭角を現してくるのではないかと思います。

■土曜阪神5Rの新馬戦(ダ1800m)は、○ヴィットリオドーロ(2番人気)が2番手追走から抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=sKSPIvT6e5Q

浦和記念(G2)をはじめダート重賞を8勝したプリエミネンスは、現役最後のレースとしてアメリカのサンタマリアH(G1・ダ8.5f)に出走し6頭立ての5着。そのまま同国で繁殖生活に入りました。本馬はそこで誕生した馬です。アメリカ生まれですが純粋なマル外というわけではありません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009110009/

馬主はドバイのモハメド殿下、生産者はグランド牧場の場長である伊藤佳幸氏(美浦の伊藤圭三調教師の実兄)です。プリエミネンスはすでに帰国しています。先週はグランド牧場の生産馬が大活躍し、プレシャスジェムズ(ながつきS)とハヤブサソング(新馬戦)の姉妹や、ジャングルハヤテ(九十九里特別)、オリエンタルジェイ(千歳特別)など6頭が勝利を挙げました。

父 Medaglia d'Oro は年度代表馬 Rachel Alexandra をはじめ多数の一流馬を送り出して成功しています。日本での出世頭はダート路線で活躍中のメダリアビート。

母プリエミネンスにはアフリートと Nijinsky のニックスがあり、その核心は Tom Fool と Flaming Page の関係(いずれも近い世代に Menow と Bull Dog)にあると思われるので、これを継続して Tom Fool≒Flaming Page 5×5・5・6となる本馬の配合は悪くないですね。全きょうだいはイマイチでしたが本馬は馬のデキが違うようです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009110009/

     ――――――――――――――――――――
      血 統 屋 http://www.miesque.com/
     ――――――――――――――――――――

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/427673/27153037

Drone≒Sir Ivor と相性がいいダイワメジャーを参照しているブログ:

コメント

こんばんわ。私の好きな、Drone≒Sir Ivor≒Heloのお話ですね(^_^)
ダイワメジャーに、Drone、Sir Ivorを持っている馬は、
私も、先生の言うように…当たりだと思います。


ダンシングブレーヴなんかを持った馬も、走っているそうですが…
やはり、Droneが効いているように思います。


名前を出した馬を頭の中で考えていたら、
何故か…一瞬、キングヘイローが頭をよぎりました^^;


先生の板は、ダイワメジャー始め…
多くの走る馬の共通点の事を詳しく書いて下さるので、
一口や、POG、で当たり馬を選ぶ参考ポイントになると思います。


私も、…先生に愛馬を記事にしてもらったのは、最近では
アフロディーテのみ^^;

新馬で勝てば、先生の記事取り上げられやすいと思うので、
愛馬に頑張ってもらわないと(^-^)/

某POG本で、取り上げて頂いた
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105881/
あたりが、新馬で頑張ってくれそうな気がします。


いつも、更新…本当にご苦労様です (^_^)

いつもお読みいただきありがとうございます。キングヘイローの配合の凄さは現役当時あまり気づかれていませんでした。指摘していたのはわたしと望田潤さんぐらいでしょうか。

レッドスピリッツは整ったいい配合ですね。「栗山ノート」で取り上げ、血統屋の電子書籍「種牡馬別好配合馬リスト マンハッタンカフェ編」でも◎を打ちました。勝てばもちろん取り上げますよ^^
http://www.miesque.com/c00003.html

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!