ハットトリック産駒 Dabirsim がモルニー賞(仏G1)制覇
トントン拍子というか、あれよあれよという間にフランス2歳牡馬の頂点に上り詰めました。8月21日、ドーヴィル競馬場で行われたモルニー賞(仏G1・芝1200m)を、ハットトリック産駒 Dabirsim が3馬身差で圧勝。前走のカブール賞(G3)は1馬身差だったので、相手が強くなってさらに着差を広げたことになります。明らかに馬が成長していますね。これで通算成績は4戦全勝です。
http://www.youtube.com/watch?v=8L6xTkGVsfM&#t=3m16s
『RACING POST.com』に載ったデットーリ騎手のインタビューによれば、「とてもとてもいい馬だね、スピード抜群だよ」とのこと。
2000年以降に限ると、タイムの「1分10秒0」は上から3番目、着差の「3馬身」は2番目です。もちろん、馬場状態や相手関係は年によって違うので単純な比較はできませんが、内容的にはハイレベルだったと見ていいでしょう。
初年度から無敗のG1馬を送り出したハットトリックは、欧米の生産界で注目を集めることは必至です。Northern Dancer も Mr.Prospector も持たない血統背景は、彼らにとって魅力的なものであるはずです。サンデー系の優秀さがあらためてアナウンスされることは、我が国の生産界にとって大きなチャンスでもあります。
http://www.pedigreequery.com/dabirsim
どうやらこのあとは、10月2日にロンシャン競馬場で行われるジャンリュックラガルデール賞(仏G1・芝1400m)ではなく、10月8日にニューマーケット競馬場で行われるミドルパークS(英G1・芝6f)に向かうようです。
ここに出てくる可能性がある強敵は以下のとおり。
Harbour Watch(3戦3勝/リッチモンドS-英G2)
http://www.pedigreequery.com/harbour+watch2
Power(4戦3勝/コヴェントリーS-英G2)
http://www.pedigreequery.com/power11
Frederick Engels(7戦3勝/ジュライS-英G2)
http://www.pedigreequery.com/frederick+engels
Bapak Chinta(2戦2勝/ノーフォークS-英G2)
http://www.pedigreequery.com/bapak+chinta
Caspar Netscher(7戦2勝/ジムクラックS-英G2)
http://www.pedigreequery.com/caspar+netscher
Requinto(6戦3勝/モールコムS-英G3)
http://www.pedigreequery.com/requinto5
Top Offer(1戦1勝)
http://www.pedigreequery.com/top+offer
Apollo(1戦1勝)
http://www.pedigreequery.com/apollo26
上から3番目の Frederick Engels は今回のモルニー賞で5着に負かしています。
調教師によれば Dabirsim は冷静な性格らしいので、遠征でテンションが上がることもないはずです。イギリス、アイルランド勢相手にも十分太刀打ちできる思います。
本当にトントン拍子でのG1制覇でしたね。
抜け出すフットワークの力強さは今後の更なる活躍を期待させるものでした。
何よりもハットトリックの血が世界中に広まる可能性がでてきたことを本当に嬉しく思います。
余談ですが、海外競馬には全く疎いのですが、モルニー賞やミドルパークSというのは仏英それぞれでどんな位置付けの重賞なのでしょうか?
投稿: こばしゅん | 2011年8月22日 (月) 14:49
ヨーロッパでは異端のサンデー系競走馬が、無名の若手調教師のもとで快進撃を続けているのですから痛快ですね。
モルニー賞(仏G1・芝1200m)は仏2歳スプリント路線の最高峰といえるレースです。ミドルパークS(英G1・芝6f)は欧州2歳スプリント路線のチャンピオン決定戦です。このふたつのレースをハシゴする馬は少なくありません。
イギリスの2歳G1は、デューハーストS(英G1・芝7f)の格が最も高く、強いメンバーが集まります。ミドルパークSはそれほどではないですね。ただ、もし仮に Dabirsim が勝つようなことがあれば、G1を2勝した戦績から、カルティエ賞最優秀2歳牡馬の有力候補になるのは間違いありません。
投稿: 栗山求 | 2011年8月22日 (月) 16:09