勝ちっぷりも配合も良好、エイシンキンチェム
今週は取り上げるべき話題が盛りだくさんで、2歳戦回顧をしないうちにいつの間にか金曜日になってしまいました。気が付けばジャパンダートダービー(G1・大井ダート2000m)にも触れていません。勝ったグレープブランデーの配合については2月9日のエントリー「切れ味炸裂、ディープインパクトの近親アフロディーテ」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/02/post-7f6e.html
さて、先週の2歳戦。どれか1頭取り上げるとすれば、土曜京都5R(芝1200m)を勝った◎エイシンキンチェム(1番人気)でしょう。着差は2馬身半ですが、最後の直線で鞍上が手綱を抑えなければ大差で勝っていたと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=qKV2Zd_-3B4
『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』の予想は◎★▲で馬単12460円、3連単119430円的中。予想文を転載します。
「◎エイシンキンチェムは『フジキセキ×ミスターグリーリー』という組み合わせ。父フジキセキはミスタープロスペクター系の血と相性がいい。本馬はマイディアガール=トレジャーチェスト5×4という鮮やかな全きょうだいクロスを持っており、稽古の動きも抜群なので、将来性は明るいと思われる。コース条件も合っているだろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100946/
フジキセキと Mr.Prospector の好相性については繰り返し述べてきました。母の父 Mr.Greeley は、Mr.Prospector 系のなかでもとくに仕上がりの早いタイプで、早い時期の新馬戦では無類の力を発揮します。産駒の2歳新馬戦連対率は41.2%と抜群の成績。母の父としてもこうした特長を伝えるでしょう。
父がフジキセキで、母方に Mr.Prospector と Seattle Slew を併せ持つ配合といえば、現3歳のサダムパテック(弥生賞、東京スポーツ杯2歳S)とアドマイヤサガス(デイリー杯2歳S-2着)を思い出します。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102652/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103316/
Mr.Prospector と Seattle Slew は、現代のアメリカ血統のメインストリームを形成する名血です。気性が前向きで、スピードと仕上がりの早さに優れ、当然のことながら2歳戦に高い適性があります。このふたつの血は相性が良く、たとえば Seattle Slew の最良の後継種牡馬である A.P.Indy は、Mineshaft、Pulpit、Malibu Moon、Congrats、Tempera、Tomisue's Delight、Accelerator、Little Belle など、代表産駒のかなりの割合が Mr.Prospector 牝馬から誕生しています。
http://www.pedigreequery.com/mineshaft
http://www.pedigreequery.com/pulpit
http://www.pedigreequery.com/malibu+moon
エイシンキンチェムの配合のポイントとして忘れてはならないのが、予想文に書いたとおり My Dear Girl=Treasure Chest 5×4という鮮やかな全きょうだいクロス。このパターンは少ないサンプルからツクバホクトオー(新潟2歳S-2着)、ビッグファルコン(クリスタルC-2着)などを出ているので注目です。
エイシンキンチェムを生産した浦河の梅田牧場は、配合に関して深い造詣をお持ちです。もちろん偶然の産物ではないでしょう。スピードと完成度の高さを活かせる2歳OP-重賞戦線ではかなりやれそうです。
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