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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年6月30日 (木)

帝王賞はスマートファルコン

驚き、呆れるというか、次元の違う存在になっていますね。去年のJBCクラシック(G1・ダート1800m)からケタ違いのレースを続けているのは周知のとおりですが、今回はエスポワールシチー(全盛期の力を取り戻してはいませんが)に9馬身差ですから、内容的なインパクトは大きかったと思います。いまやダート界のスーパースターと呼んでも差し支えないでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=STzWw_d80d0

今回のラップは以下のとおり(勝ちタイム2分01秒1)。

12.2- 11.0- 12.0- 12.3- 12.3- 12.6- 12.7- 12.6- 11.3- 12.1

レコード勝ちした昨年12月の東京大賞典のラップも示します(勝ちタイム2分00秒4)。

12.2- 11.1- 11.5- 12.2- 11.9- 12.1- 12.1- 12.3- 11.9- 13.1

今回は東京大賞典ほどのハイペースではありません。ただ、それでも前半5ハロンが59秒8ですから、普通の感覚でいえばかなりのハイペースです。後半のラップが落ちないのでそうは見えないところが恐ろしいですね。淀みのないハイペースで逃げて、最後の2ハロンが11秒3-12秒1。後続がちぎれて当然です。

以前は、強い相手を避けて賞金稼ぎに徹している、という陰口のあった馬です。しかし、地方のG2、G3を中心に走らせてきたことは、結果的に馬の成長を妨げなかったという面で有益であったのかもしれません。仮に本格化する前にハードなレースを繰り返していたら、馬が消耗して成長力を損ない、いまごろ出涸らし状態になっていた可能性もあると思います。

体調面によほどの狂いがないかぎり、今年はもう負けることはないでしょう。来年はドバイに挑戦するとのこと。トランセンドとの比較から考えても有望でしょう。

国内であと何戦するのかは分かりませんが、この強さはクロフネと遜色ないレベルであり、後世に語り継ぐべきものです。ぜひ競馬場に行って目に焼き付けておきたいですね。それぐらいの存在だと思います。

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コメント

もう裏路線に回らなくても充分でしょうね。
ドバイだけではなく、是非ともブリーダーズカップ挑戦も視野に入れてもらいたいです!
この馬なら、アメリカのスピード競馬にも対応できると思いますし。

秋以降のローテーションはどうなるのでしょう?
スマートファルコンにとってベストケースは、JBCでトランセンドに差をつけて勝ち120台のレートを得て、阪神1800や府中1600はパスし着差をつけるに有利であろう東京大賞典で再び高いレートを得る展開になるかと思います。
これならばダート路線でスマートファルコン以上のレートを獲得する馬は出ない可能性が高く、GI勝ちも得られドバイに最短距離となれるかと。

日本のダートはアメリカのダートと似た性質がありつつも、アメリカ風レースよりも「芝のような」展開になるのが特徴ですね。
ダートの海外遠征を見るとマイル以下とそれより長い距離で結果に差が出ているのは、距離が長いほどアメリカ風ダートとの展開の違いが大きくなるからだと思っていました。
(長距離になるとまた変わると思いますが)
それゆえドバイがAWになった時は、これはもうダート馬にとっては有利な舞台になると考えましたが実際に2年連続で結果が出ています。
日本のダートでは本来不利なほどのハイペースで押し切れるスマートファルコンが、どのようなレースをするか大変興味深いです。
本格化したJBCから1年半も経ってしまい、ピークの能力を維持できるかが不安なのですが。happy01

>キングトップラン様

夢は大きく……といいたいところですが、陣営はドバイ遠征一本で考えているようですね。昨年のエスポーワルシチーの敗戦とその後のダメージにいい印象がないのかもしれないですね。

>トモノハナ様

オールウェザーはコンディションがコロコロ変わるので、前年がそうだったからといって今年もそうなるとは限らないという難しさがあります。来年のメイダンがどんな馬場になっているのか、現時点ではまったく予測がつきません。ぜひスマートファルコン向きの馬場になってほしいですね。今年の馬場状態のままならチャンスは大きいでしょう。

ピークの能力が維持できるかどうかについては、レース時には7歳ですから簡単ではないでしょう。燃え尽きないようにレースを選んでほしいところです。

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