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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年6月29日 (水)

愛ダービーは Treasure Beach

日本時間の日曜夜に行われた愛ダービー(G1・芝12f)は、1番人気に推された女王陛下の Carlton House が4着に敗れ、2番人気の Treasure Beach が優勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=Zni3eJyhPmU

Carlton House がゴール前で伸びあぐねたのは意外でした。出遅れて位置取りが悪くなったのが痛かったですね。このほか考えられる敗因は、遠征によるコンディション面と、距離適性でしょうか。

カラ競馬場の12ハロンで行われる愛ダービーは、エプソムで行われる英ダービーよりも、コースの高低差はありませんし、勝ちタイムも速いので、イージーなレースと見られがちですが、じつはそうではありません。エプソムは、スタートしてから半マイルあたりまでがきつい上り坂で、残りはほぼ水平か下り坂がほとんど。したがって、スローペースで序盤の上り坂の部分を乗り切ってしまえば、案外ごまかしがきくという面があります。しかし、カラ競馬場は、ゆるやかながら全体的に上りの部分が多く、3ハロンほどある最後の直線もずっと上り。スタミナのない馬はごまかしがきかず脱落してしまいます。

たとえば、本質的に10ハロンがベストだった Sir Ivor は、英ダービーこそ勝ったものの、愛ダービーでは「Ribot×Hyperion」という血統のリベロにやられました。父がスプリンター血統だったドクターデヴィアスも、同様に英ダービーを制したあと、愛ダービーでは Ribot 系のスタミナ血統馬 St.Jovite に12馬身離される完敗を喫しました。ドクターデヴィアスは、芝10fの愛チャンピオンSでは St.Jovite に雪辱を果たしています。

Carlton House の配合を見てスタミナがないとは思えないのですが、最後の追い比べで脚が上がったことを考えると、10ハロンぐらいがベストかもしれない、という可能性は考えられます。その場合は父方のMr.Prospector 系が強く出ているということでしょうか。仕切り直していいレースを見せてくれることを期待したいですね。

勝った Treasure Beach は Galileo 産駒。今年の春は欧州クラシック戦線で Galileo 旋風が吹き荒れました。現時点でタイトルは6つ。まだ愛オークス(7月17日)が残っているので、さらに上積みする可能性があります。

・Frankel(英2000ギニー)
・Golden Lilac(仏1000ギニー、仏オークス)
・Roderic O'Connor(愛2000ギニー)
・Misty for Me(愛1000ギニー)
・Treasure Beach(愛ダービー)

Treasure Beach は英ダービー2着のあとここに臨んでいました「Sadler's Wells 系×Darshaan 系」というニックス配合。今年の英ダービー馬 Pour Moi と同パターンです。
http://www.pedigreequery.com/treasure+beach3

エイダン・オブライエン調教師は6年連続9回目の愛ダービー制覇。Galileo 産駒は07年の Soldier of Fortune、10年の Cape Blanco に次いで3回目の制覇。ここ5年間は Galileo か Montjeu の子しか勝っていません。つまり Sadler's Wells 系の5連覇です。ごまかしのきかないタフな12ハロンで底力を発揮するのが Sadler's Wells 系の持ち味です。

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愛ダービーは Treasure Beachを参照しているブログ:

コメント

Carlton Houseは「長めアサクサデンエン」というか私も10Fベストやと思いますね~
それが種牡馬としての可能性を感じるところでもあります

こんばんは、いつも楽しく読ませて頂いてます。
春の欧州クラシックはGalileoの勢いが止まりませんね。秋も大レースを勝ちまくるシーンが目に浮かびます。

関係ありませんが11-12年のPOG指名馬を10頭選んでみました。
コメント頂けますか?
ストリートハンター
インステイト
ロードアクレイム
マトゥラー
エリンバードの09
アビの09
エーシンフルパワー
ピンクタートルの09
コーダリー
グレースアンドグローリの09です。

>MJ様

女王陛下の所有馬だった Aureole も Pall Mall もイギリスで繋養されたはずなので、Carlton House もイギリス国外に売ることはないのかもしれないですね。クイーンマザーは101歳で亡くなるなど長寿の家系ですから、現在85歳の女王陛下が Carlton House の子で大きいレースを勝つシーンもあるかも?

>ネオユニ大好き様

いつもお読みいただきありがとうございます。Galileo がこれだけ存在感を見せつけると、そのうち日本にもどれか1頭、種牡馬として入ってくるかもしれませんね。

リストを見て感じたのは、クラシック向きのしっかりとした血統が多いということです。上から下まですべて一発の可能性があるので、相手方からすれば怖いラインナップだと思います。ネオユニ産駒は1頭だけ(エリンバードの09)ですね。これは栗山ノートに入れた馬なのでわたしも大いに期待しています^^

POGなどコメントありがとうございます。

愛ダービーのコメントに出てきたリベロとSt.Jovite、Ribot系の愛ダービー馬Law Societyの血統解説お願いできますか?

リベロは愛ダービー、英セントレジャーの勝ち馬。全兄リボッコ、全弟リブリボー、そして本馬と、3頭の全兄弟が輸入されたという珍しいケースです。「Ribot×Hyperion」というステイヤー血統で、動きも気性も悪いというタイプで成功しませんでした。
http://www.pedigreequery.com/ribero

St.Jovite は米重賞を6勝した Lac Ouimet の全弟、富士Sを勝ったセーラムドライブの半弟、BCクラシック2着の L'Carriere の半兄にあたる良血。Pleasant Colony の子の重厚なステイヤー配合で、種牡馬としては見どころがありませんでした。
http://www.pedigreequery.com/st+jovite

Law Society は、母が Boldnesian×Summer Tan というスピード配合で、3代母が Gallant Man の全姉という良血。母方のスピード値が高いため、Alleged 産駒でありながら種牡馬としては案外素軽いタイプも出し、悪くない成績を残しました。マンハッタンカフェの母の父でもあります。
http://www.pedigreequery.com/law+society

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