オークスは実績馬有利
東京競馬場の芝は、昔と比べてクッションが良くなり、速い時計が出るようになっています。言い方を換えればイージーな馬場になっているので、走っていてもあまりスタミナを消耗しません。ですから、距離に不安のある馬でも2400mをこなすケースが増えました。
一方、桜花賞は、06年暮れに完了した馬場改修工事により、昔と比べて底力とスタミナを要するレースとなりました。スタート地点が移動し、直線が長くなった影響でマギレが少なくなりました。
つまり、2400mのオークスはスタミナの重要性が薄れ、1600mの桜花賞はスタミナが重んじられるようになったため、それぞれのレースをこなすための適性が近くなり、その結果、桜花賞とオークスで連続好走するケースが増えました。
桜花賞 オークス
07年 ①ダイワスカーレット 不出走
②ウオッカ 不出走(ダービー①)
08年 ①レジネッタ ③
②エフティマイア ②
09年 ①ブエナビスタ ①
②レッドディザイア ②
10年 ①アパパネ ①
②オウケンサクラ ⑤
07年以降の桜花賞で連対した馬は、必ずどちらかはオークス(とダービー)で連対しています。09年は桜花賞の1、2着馬がそのままオークスでも1、2着となりました。両方消えたことはありません。
その伝でいくと、今年のオークスは、マルセリーナとホエールキャプチャの少なくともどちらかは連対することになります。近年の出走馬の大半は「2400mはベストじゃないけどこなせる」タイプなので、そうした馬同士の戦いになれば、結局、地力に勝る実績馬が強いというわけです。
かつてオークスといえば未知の長距離砲を探し出して大穴を狙うレースでした。80年代は二桁人気の伏兵が4頭も勝ちました(ケイキロク、ノアノハコブネ、コスモドリーム、ライトカラー)。85年のノアノハコブネなどはじつに28頭中21番人気。良馬場にもかかわらず最後の3ハロンが39秒8(13秒5-13秒1-13秒2)という壮絶なレースで、先に行った馬はヘロヘロのヨレヨレ。脚が上がったところを後方待機のノアノハコブネが突き抜けました。騎手は音無秀孝。昨年のリーディングトレーナーです。
http://www.youtube.com/watch?v=jGnJ2ITFrRQ
最近は血統的なロマンを羽ばたかせる余地はほとんどなく、桜花賞で好走した実績馬から手堅く獲るレースとなっています。今年はスローペースが予想されるので決め手のある馬が有利でしょう。穴が突っ込んでくるとしたら距離ロスなくインコースを回れる好位差しでしょうか。
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