レッドセインツ復活
土曜阪神9Rのはなみずき賞(3歳500万下・芝1800m)は、後方に控えた▲レッドセインツ(8番人気)が直線で外から突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=N0JsZPW1nII
昨年12月以来の実戦。休養前のラジオNIKKEI杯2歳S(G3)はしんがり15着と大敗しましたが、四位騎手のコメントを読むと、当時は状態が悪かったようです。しっかり休養を取って甦りました。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は▲◎で馬連3440円的中。
ディープインパクト産駒の配合としては以前から高く評価してきた馬です。『赤本』と『POGの達人』ではともに指名馬に挙げました。評価のポイントは、①Pocahontas≒River Lady 4×5、②Nothirdchance≒Revoked 5×5、③母サセッティの半姉で愛オークス馬 Winona(父 Alzao)の構成要素がそのまま含まれていること(父ディープインパクトの母の父が Alzao)。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103154/
http://www.pedigreequery.com/winona3
だから走った……のかどうかは分かりませんが、この時期に2勝目を挙げられればまずまずでしょう。四位騎手曰く「まだ緩いところもあるから、秋になればもっといい馬になると思う」(週刊競馬ブック)。420キロの小柄な馬体で、パドックで見るかぎりまだまだ未完成。長い目で見たいですね。
ディープインパクト産駒は、ローテーションを詰めて使うより十分な間隔を空けたほうがいいと思います。桜花賞馬マルセリーナもエルフィンSから本番まで2ヵ月空けました。レースで全力を出し切るので1戦ごとの消耗が激しいのと、使い詰めでテンションが上がってくる、という心身両面のリスクが高まります。古馬になれば解消する傾向かもしれませんが、未成熟なうちは大事に使ったほうがいいと思います。
また、早期デビューも好ましいとは思えません。これまで2勝以上を挙げた同産駒は19頭いますが、6~8月にデビューした馬はわずか3頭。馬の素質という根本的な要素もあるかもしれませんが、デビュー前に有望と騒がれた馬でも、早い時期にデビューさせるとその反動があるのか、もうひとつ伸びがないような気がします。7月デビューのレッドセインツは、ラジオNIKKEI杯2歳Sでしんがりに敗れたあと、思い切って休ませたことが功を奏しました。
◎エーシンミズーリ(2番人気)は2着確保。予想文に記したとおりトレンドハンター(フラワーC)とよく似た配合構成で、詰めは甘いものの安定感は抜群です。
┌ マンハッタンカフェ
│ ┌ Roberto
エーシンミズーリ ―┤ ┌○┘
└○┤ ┌ Storm Cat
└○┘
┌ マンハッタンカフェ
│ ┌ Roberto
トレンドハンター ―┤ ┌○┘
└○┤ ┌ Storm Cat
└○┘
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101288/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100618/
栗山さんのおっしゃる通り、ディープ産駒は使い詰めは禁物ですね。全体的に体質が弱い馬が多く使い減りしますね。実はこれ、以前よく指摘されてた二戦目に苦戦する傾向と関係ありそうですね。新馬戦をフレッシュな状態で勝つも全力を出し切るので、次のレースに向けて状態面の上積みが少ないため、相手も強化される二戦目で苦戦する。アグネスタキオンの初年度産駒も二戦目に勝てないと言われていたのをよく覚えています。そして、タキオン産駒も同じように体質が弱く使い減りします。実は現役時代からディープの体質は強くないのでは?という考えを持っていました。一番最初に感じたのはハーツクライに負けた有馬記念ですね。個人的な考えですが、あのレースの最大の敗因はルメールの好騎乗でもなく、ハーツクライの本格化でもなくディープの体調不良だと思っています。菊花賞から有馬記念という間隔的には比較的楽なローテーションなのに、何故あそこまで状態落ちしているのか疑問でした。その疑問は翌年の凱旋門賞で解決できました。皮肉にも失格という形でしたが。結局あの失格もディープの体調が悪かった事から始まった出来事でした。ただ、タキオン産駒より足元が丈夫なのは間違いなさそうなので、ディープ産駒は状態面での見極めは大事になりそうですね。マルセリーナでも分かるように、休み明けは苦にしないタイプが多いと思いますよ。ディープ産駒については、気づいた点がいくつかありますが、今日はこの辺で(笑)。
投稿: ユウ | 2011年4月20日 (水) 23:25
ディープインパクト産駒は昨年のいまごろはまだ手探りでしたが、1年経ってみるとスタンダードな傾向がだんだん明らかになり、2年目はそれを念頭に仕上げ方も工夫されていくでしょう。成績は上がると思います。ただ、早期デビューが好ましくなく、ゆったりとしたローテーションを組んだほうがいい、というのはやはり理想論で、それを実行してクラシックに間に合うのはわずかな馬だけでしょう。
とはいえ、今年は昨年以上に秋デビューのディープ産駒が多くなりそうではあります。秋の京都あたりでデビューした馬が2012年のクラシック戦線の中核を形成するのかなぁと想像します。未来に登場するであろうディープインパクトの後継種牡馬は、体質が弱く使い減りする、という弱点を克服した馬であってほしいと思います。
投稿: 栗山求 | 2011年4月21日 (木) 00:54