好調ネオユニヴァース産駒のエチゴイチエ
■土曜阪神6Rの新馬戦(芝2000m)は、好位追走の◎パッションダンス(1番人気)が抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=ljqOm-7qjaY
予想文を転載します。
「◎パッションダンスは『ディープインパクト×ジェイドロバリー』という組み合わせで、4分の3姉にアドマイヤキッス(重賞4勝)がいる良血。4頭の兄姉はいずれもデビュー戦で連対しており、初戦にきわめて強い血統でもある。ディープインパクト産駒も芝新馬戦で連対率47.6%。この条件は強いだろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103125/
これで兄弟5頭すべてデビュー戦で連対したことになります。新馬戦に強かった母の父ジェイドロバリーの影響でしょうか。ジェイドロバリーは従兄弟に Sadler's Wells や Fairy King、伯父に Nureyev がいる超良血ですが、母の父としてはもうひとつ。父としてそうだったように母の父としても底力に欠け、大レースでは信用できないところがあります。JRAの平地G1を勝った馬はまだ出ていません(障害ではキングジョイが中山大障害を2連覇)。ただ、芝の平地G1における最高成績は、本馬の4分の3姉アドマイヤキッスが記録した桜花賞(G1)2着なので、母の父がジェイドロバリーであっても、本馬に関しては大物感という面で懸念する必要はないかもしれません。
母方に Lyphard、Mr.Prospector、“Northern Dancer & Special”(たとえば Sadler's Wells、Fairy King、Nureyev、Number など)を併せ持つディープインパクト産駒には、トーセンラー(きさらぎ賞)、ハブルバブル(新馬勝ち。木・金のエントリーで紹介予定)、そして本馬がいます。
騎乗したリスポリ騎手は、「ヨーロッパの競走馬によくいるタイプの感じだった」(『週刊競馬ブック』)というユニークなコメントを残しています。あえてコメントするぐらい印象的だったということは、日本のほとんどの競走馬はヨーロッパのそれとはタイプが異なるのでしょう。もちろんそれは誰もが感覚的に分かっていることだとは思うのですが、具体的にどう異なるのか、できることならもっと詳細に訊いてみたいところです。
■土曜中山6Rの新馬戦(芝2000m)は、△エチゴイチエ(1番人気)が豪快に抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=M__giVavfKo
ネオユニヴァース産駒の3歳世代は年明けから絶好調。1、2月のわずか2ヵ月間で17勝を挙げています。これは全種牡馬のなかでアグネスタキオン産駒の18勝に次いで第2位。ディープインパクト、(16勝)、キングカメハメハ(13勝)、マンハッタンカフェ(13勝)を上回っています。昨年の同時期は11勝、一昨年は6勝だったので、大きく数字を伸ばしていることが分かります。なかでも芝1800~2000mの新馬戦では連対率38.5%、単勝回収率205%、複勝回収率240%という抜群の成績です。
エチゴイチエは「ネオユニヴァース×エリシオ」という組み合わせ。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102911/
父ネオユニヴァースは、母方に Sadler's Wells や Nureyev を入れた配合からパンチの効いた産駒を出す傾向が見られます。ロジユニヴァース、アンライバルド、ゴールスキー、アイアムネオなどがこのパターン。Sadler's Wells は決して素軽い血ではないので、ネオユニヴァースと組み合わせる場合、スピードタイプの血を添えたいところです。エチゴイチエが母方に抱える Fairy King は、全兄の Sadler's Wells よりも速いタイプですが、エリシオを経由しているのでスピード感はありません。
これはネオユニヴァース産駒ではありませんが、“父サンデー系、母の父エリシオ”という共通点を持つサダムパテック(弥生賞に出走予定)は、2代母の父が Mr.Prospector です。同じく母の父にエリシオを持つコスモヘレノス(ステイヤーズS)も2代母の父は Mr.Prospector です。こういう血のサポートがないと鈍重さが前面に出てしまう危険性が高まります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102652/
エチゴイチエはハーツクライの従兄弟にあたる良血で、同じくサンデー系のサイアーラインに属しています。したがって、ハーツクライの配合的なキーポイントである Nothirdchance≒Revoked という相似な血のクロスを持ちます(5×5)。エチゴイチエの配合ではこれが思った以上に効果的なのかもしれませんね。このクロスについては、一昨年12月5日のエントリー「ミカエルビスティーと『Nothirdchance≒Revoked』」で解説しておりますのでご参照くださいませ。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2009/12/nothirdchancere.html
東京よりも中山のほうが良さそうな配合で、山吹賞(中山芝2200m)あたりはぴったりという気がします。
エントリと関係ないコメントで申し訳ありません。
トランセンドがワールドカップ選出で、日本勢としては最強トリオ(別にスクラム組んで行くわけではないですが(笑))になりましたね。
…となると、相手がかなり強いのは重々承知ですが、心配なのは北アフリカ・アラブ諸国の不穏な情勢です。無事に輸送~開催が行われるとよいのですが。どうしてもゴールドアリュールの年が頭をよぎってしまって…。
追伸 ハブルバブルのエントリ、楽しみにしてます。今のところ、オークスはこの馬と決めています!
投稿: ダンディ“ゲッツ”さっさん | 2011年3月 2日 (水) 23:22
いえいえ、話題にこだわらずに何でもご投稿くださいませ。
ブエナビスタ、ヴィクトワールピサ、トランセンドが同じゲートに並ぶことなど日本ではありえないので非常に楽しみですね。中東情勢はいろいろ心配です。現在の騒動はこれから起こる大規模な地殻変動の序章に過ぎないような気も……。どんな変化が起こるにせよいい具合に着地してほしいものです。平和あっての競馬なので。
ハブルバブルのエントリーはアップロードしました。フラワーCに出走するようですが、除外にならないことを祈るのみです。
投稿: 栗山求 | 2011年3月 3日 (木) 05:49