シンボリルドルフ30歳の誕生日
土曜日の夕方、ショッピングセンターまで買い出しに行ったら、水やパンやインスタント食品が陳列棚から消え去っていました。ポリタンクもなし。コンビニへ行くとミネラルウォーターは完売。おそらく首都圏はどこもこんな光景だったのでしょう。停電により断水するとマズイので、街角の自動販売機でミネラルウォーターをまとめ買いしました。多少コストは高くなりますが仕方ありません。
言語を絶する被災地の惨状を目の当たりにすると競馬を楽しめる気分ではなく、数万人の方々の安否や原発の状況を考えると気分が落ち込んできます。何を書くか迷ったのですが、地震の悲惨さを伝えるのはわたしの役割ではなく、いつまでも身辺雑記を書くのもどうかと思うので、簡単ではありますがやはり競馬について書くことにします。不快に思われましたらすみません。
本日はシンボリルドルフが誕生してからちょうど30年目にあたります。昨年のジャパンC当日、東京競馬場にやってきてその雄姿を披露したのは記憶に新しいところです。
まだ現役だった85年12月、『勝つことに憑かれた名馬 シンボリルドルフ』(今井寿恵/角川書店)という本が出版され、発売日に書店で手に入れました。当時、高校生にとって本1冊に2000円を費やすのはかなり勇気のいることでした。しかし、まさにお値段以上、買ってよかったと満足できる作品でした。競走シーンはもちろん、美浦トレセン、シンボリ牧場の貴重な写真が満載。とくにシンボリ牧場で収めた写真は美しすぎます。故・今井寿恵さんの最高傑作ではなかったでしょうか。生産者の和田共弘氏、野平祐二調教師、岡部幸雄騎手だけでなく、シンボリ牧場のスタッフの方々にまで丹念にインタビューを試みているのは貴重な資料です。Amazon で調べてみたところ手頃な値段で中古品が入手できるようです。
この本に次のような記述があります。
「1981年3月13日夜10時、北海道門別シンボリ牧場で鹿毛の牡生まれる。細身に出たが筋金入りと思える仔馬は、出生して30分後に立ち上がる。母スイートルナは仔馬をかわいがったが、自分が餌を食べるときに乳を飲みたがると怒り追い払った。普通の仔馬は母親に叱られると馬房の隅でおとなしく待つが、この仔馬は耳をしぼり猫が逆毛を立て威嚇するように母親に立ち向かい、貪欲に乳を飲んだ。感情起伏の激しさは母ゆずりか、シンボリルドルフ。」
目に浮かぶようなエピソードです。生まれつき気位の高い、皇帝という異名にふさわしい名馬です。
シンボリルドルフと現在のトップクラスの競走馬が戦ったら、おそらくルドルフは負けるでしょう。でも、理性ではそう思っても、じっさいに走ってみたらわからないぞ、という気持ちがあるのも事実です。
シンボリルドルフがシンザンの長寿記録を塗り替えるのは、2016年6月24日。ルドルフならやれそうな気がします。
おはようございます。
段々被害状況もわかって来ているようですが、それ以上に2次,3次災害も非常に怖いところです。昨日朝方の中越地方の地震とその後続いている余震も影響してか雪崩も発生しているように、今年はまだ雪も多く残っていて(いまだに天気予報は雪マークがでているのですが)、私自身も山間部に住んでいるので中々油断は出来ません。
新潟県長岡市内の各スーパーでも水,カップラーメン等、買い出ししている人も多く品薄になっているようです。また、中越地震の時に皆さんにお世話になり、そのお返しではないでしょうが、何とか大量に飲料水を確保し被災地に送り届けようと奔走していた会社もあるようです。
中山競馬場も被害が出ているようですが、その他のトレセン,競走馬達,関係者の方々の無事も祈りたいところです。
投稿: ダッテン牧場 | 2011年3月13日 (日) 06:53
おはようございます。今朝の『サンケイスポーツ』には、地震被害を受けた船橋競馬場のコースの様子が写真入りで載っています。3コーナー付近には亀裂が入り、コースのところどころが液状化しています。埋め立て地なので被害が大きいようで、復旧までしばらくかかりそうです。
美浦は断水のため給水車が出ており、南Dコースには液状化したところがあるとのこと。常磐道が通行止めになっているため、競走馬の輸送手段を確保できず、これが開催への支障となっているようです。3~4日で復旧できればいいのですが。
投稿: 栗山求 | 2011年3月13日 (日) 08:39
アメリカでの9.11テロが起こった時、私がすごいなと感心したのは、野球のメジャーリーグが一週間ほどのブランクのみで開催されたことでした。テロの恐怖や可能性があるなか、それでもアメリカ国民の精神的支柱たるベースボールを開催して、テロに打ち勝つぞ!という強い意志でした。
地方競馬は、ばんえい、佐賀、福山が開催です。 1日も早い復興のためには、日常に復することの出来る人から経済的文化的活動を再び営んで行くことことだと信じます。がんばろう!というメッセージを送ることだと信じます。
サッカーの欧州組の選手からも力強いメッセージが届きました。内田選手がインナーユニフォームに日本語でメッセージを送っていて、感動しました。
競馬の開催も賛否両論あるでしょうが、出来ることを発信していくことが、この国難からの復興第一歩になるのだと思います。
今日の栗山さんのエントリも、その一歩になるのだと私は思います。
ありがとうございました。
投稿: ダンディさっさん | 2011年3月13日 (日) 10:18
おっしゃることに全面的に賛成します。災害から立ち直るというのはそれまでの日常に戻ることです。もちろん、被害に遭われて元通りにはならない方々も大勢いらっしゃいます。余力のある者が物心両面できるかぎりの支援をしつつ、さまざまな分野で日常に戻るための活動を始めることが災害から立ち直る第一歩ではないでしょうか。
娯楽業はこうした事態になると風当たりが強いものです。「いまそんなことをやっている場合か」と言われるわけですから。ただ、産業における娯楽業の比重は決して小さくありません。非日常のなかで娯楽業が立ち枯れる事態は、経済全体を考えた場合に大きなマイナスです。そうなれば復興への道のりはさらに遠くなるでしょう。娯楽は癒しでもあるわけですから、このような状況でも存在意義はあると思います。自分の持ち場で粛々と頑張るしかないと考えます。
投稿: 栗山求 | 2011年3月14日 (月) 03:36