ディープインパクトとスプリンター血統は好相性
■土曜東京9Rの春菜賞(3歳500万下・芝1400m)は、当ブログで推奨したクリアンサス(3番人気)が逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=9WnpHZ7Iahk
最初の4ハロンが49秒2という超スローペース。上がり3ハロンが34秒0(11秒7-11秒0-11秒3)ですから、後ろの馬はどう頑張っても届きません。能力検定としては不十分なレースでしたが、重心の低いフォームでしっかりと速い脚を使ったところに素質の高さを感じました。
昨日のエントリーにも記したとおり、この馬のベストディスタンスは1400m以下。1200mならさらに強いでしょう。1600mでディープインパクト産駒やアグネスタキオン産駒に勝てる気はしません。成長力があるタイプなのでまだまだ強くなると思います。本格化は夏を越してからではないでしょうか。母の歩んだ道に進んでほしいと思います。
■土曜京都9RのエルフィンS(3歳OP・芝1600m)は、ディープインパクト産駒のマルセリーナ(2番人気)が大外を突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=5t166lkl0X8
勝ち馬の上がり3ハロンは34秒2。勝ちタイム1分34秒4はレース史上2番目。レベルの高いレースだったと思います。
芝1400mのデビュー戦を大楽勝したノーブルジュエリー(1番人気)は、それなりの力は示したものの、1ハロン延びたことでもうひとつ味が出ませんでしたね。1400mと違って1600mでは瞬発力という要素が重要になってきます。母方のドイツ血統の力をもってしても、父の一本調子のスピードをカバーしきれない感がありました。
勝ったマルセリーナは牡馬相手のシンザン記念で3着と健闘した実力馬。配合については昨年12月14日のエントリー「ディープインパクト産駒が11週連続で新馬戦勝利」で触れています。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/12/post-540f.html
母方にラストタイクーンを持つディープインパクト産駒といえば、新馬-寒竹賞を連勝したターゲットマシンと同じです。素質を高く評価されながら死亡したレッドディアーナもこのパターンでした。「ディープインパクト+ラストタイクーン」は今年のPOGでも注目です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103009/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102935/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105563/
ディープインパクト産駒の上級馬には、母方にスプリンター血統を抱えているものが目に付きます。リアルインパクト、ターゲットマシン、ドナウブルー、マルセリーナ……。いずれもレース終盤にピリッとした脚を使えるタイプなのは偶然でしょうか。
スプリンターは往々にして筋骨隆々のガッチリとした体型です。ディープインパクトが小柄で薄いタイプだけに、こうした要素を取り入れることはプラスでしょう。ディープインパクトのしなやかな中距離向きの筋肉と、強く速い収縮を可能にするスプリンターの筋肉が、いいとこ取りの理想的な形で融合するのかもしれません。
スプリンターではありませんが、ダノンバラードの母レディバラードは、ダート重賞を2勝した砂巧者でした。パワフルでボリュームのある体型だったと記憶しています。ディープインパクトが、豊富な筋肉量を誇る繁殖牝馬との間から優れた優駿を誕生させたことは、スプリンター血統との好相性に通じるところがあるような気がします。
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