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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年1月 6日 (木)

京都金杯はシルポート

いつの年でしたか、新年初日の競馬で、第1Rから第10Rまで連続して当たり続けたことがありました。「今年は全レース当たり続けるんじゃないか?」と怖くなりました(笑)。

「TARGET frontier JV」で調べてみたところ、88年の第1回中山初日でした。この時代は3連単はおろか馬連すらなく、枠連中心だったので馬券の難易度は低かったですね。枠連の配当は以下の通り。

第1R  880円
第2R  450円
第3R 1150円
第4R 1420円
第5R 1050円
第6R  480円
第7R 1150円
第8R  430円
第9R  720円
第10R  470円

あらためて見ると当たって当然のレースばかり。結局、この日はメインレースと最終レースで連敗し、ぜんぜん儲かりませんでした。競馬は詰めが甘いとダメです。

さて、2011年の新年一発目。勝負レースにピックアップした京都金杯(G3・芝1600m)は詰めが甘くて不的中。残念……。

◎ガルボ(3番人気)は自信の本命馬。そして、期待どおり2着を確保してくれました。しかし、勝ったシルポート(7番人気)は無印。マイル戦で57キロを背負ったら厳しいのでは……という気がしていたのですが、気分よくマイペースで逃げられてしまいましたね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005109202/

「ホワイトマズル×サンデーサイレンス」は、すでにアサクサキングス、シャドウゲイト、シンゲンという重賞勝ち馬を出しています。この組み合わせはニックスでしょう。ホワイトマズル産駒は切れる脚がないので、先に行って粘ったほうが味が出ます。

ホワイトマズルの父ダンシングブレーヴは、母の父に Drone を持ち、これがサンデーサイレンスの父 Halo と相似な血の関係にあります。このニックスについては昨年11月9日、10日のエントリーをご参照くださいませ。

Halo≒Sir Ivor≒Drone(前)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/halosir-ivordro.html
Halo≒Sir Ivor≒Drone(後)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/halosir-ivord-1.html

もうひとつの重賞、中山金杯(G3・芝2000m)はコスモファントム(1番人気)が抜け出しました。強い4歳世代に属し、前走負けた相手が有馬記念3着のトゥザグローリーですから、ここでは力が一枚上でした。

配合的にはいいとも悪いとも評価しづらい馬です。父 Stephen Got Even はアメリカのダートホース、母 Southern House は伊1000ギニー(G2・芝1600m)の2着馬。母の父 Paris House は芝のスプリンター。この馬の血統表を眺めると、知らない言語を目の前にした翻訳者のような気分になります。正直なところよく分かりません。戦績を見ると、どんな条件でもこなしてしまうオールマイティータイプ。それが長所でもあり短所でもあるような気がします。距離や馬場がどうであろうと好走する反面、相手が強化されると、その条件のスペシャリストに後れをとる、というのがオールマイティータイプの典型的なパターンです。はたしてこの馬はどうでしょうか?
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007110012/

騎乗した松岡正海騎手は初日に3勝の固め打ち。今年は怪我さえなければリーディングジョッキーになるのではないかと思います。

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京都金杯はシルポートを参照しているブログ:

コメント

あけましておめでとうございます。

私は血統が大好きなのですが、栗山さんの様に、正統派(主に旧競馬通信社の人)の人の血統の本ってほとんどないですよね。

私は血統基礎講座、サラブレッド配合史、クラシック馬の追求を持っていますが、買うとき、滅茶苦茶高かったです。

無論この手の詳しい血統解説の本はなかなか売れないし、競馬通信社もなくなったこともありますし、今となっては希少性が高いことから、値段が高いこともわかっております。

そこでなんですが、最近電子書籍が話題になっています。
電子書籍なら、在庫の心配も無く血統の本を書けると思うのですが、栗山さんは電子書籍での執筆はどうなのでしょうか?ある程度のニーズはあると思うのですが。

あと今日のエントリーにもあったように
Halo≒Sir Ivor≒Drone
というような二アリークロスってどうやって探すのですか?
代表的な二アリークロスは決まっているのですか?
もしそうなら本を出すとき一覧表にでもしてほしいのですが。

長くなりましたがよいお年を。

コスモファントムは総花的な配合というか血統表だけではどう転ぶのかわかりにくい馬で、うちのブログでもよく質問されるんですが、内回り芝(1.2.0.0)負けたのは有馬の1,3着馬だけ、という実績通りの小回り巧者やと思いますね~

>馬好き様

あけましておめでとうございます。

血統関連の良書が入手しづらい状況にある、ということに関しましては、かねてより由々しき問題であると感じてきました。電子書籍による出版についてはいろいろ計画していることもございますので、目処が立ちましたら発表させていただきます。いましばらくお待ちくださいませ。

ニアリークロスの発見には特別な方法があるわけではありません。地道な研究の積み重ねがすべてです。ニアリークロスだからといってすべてが効果的というわけではなく、おもしろいけれど効果はないといったものもあります。こういう場合は効果があるけれど、こういう場合はイマイチ、といった条件によって変化するケースもあります。そのあたりの見分け方が腕の見せどころではないかと思います。統計的な結果も当然踏まえなければなりません。

基本知識として知っておくことは大事ですが、ダビスタのように機械的にそれを当てはめて配合を解釈しようとしたり、それのみに着目して他の部分への目配りを忘れたり、といったことは感心しません。初心者の方が陥りやすい罠でもあります。この件については以前、望田潤さんとも話し合ったことがあるのですが、功の部分もありますが罪の部分もあるということで意見が一致しました。馬好き様のような上級者の方はいいのですが、初心者の方がそこから入ると、配合の解釈がパズルゲームの一種になりかねません。一覧表というのは迷うところではあります。間違いなく効果があると思われる代表的なものを、丁寧に解説をしながら並べるというのはいいかもしれませんね。

>MJ様

コスモファントムがセリ市に出ていたらとても推奨できませんね。血統だけ見ると適性がサッパリ読めないですし(笑)。たぶん岡田繁幸さんが馬体を見て買ったのだと思いますが、さすがです。掻き込みの強いフットワークなので小回りが合ってるんでしょうね。

丁寧なご回答ありがとうございます。
書籍楽しみにしています。

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