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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年12月 3日 (金)

水曜坂路の好調教馬、ヌーベルバーグ

12月2日夜に放送された『アメトーーク』(テレビ朝日)。今週は「競馬芸人」の回でした。初心者入門としてよくできた内容で、競馬新聞の見方から面白エピソードの紹介までを幅広く網羅し、競馬の宣伝効果としてはJRAのCM何百回分にも相当したのではないかと。

年に数回、所用でJRA本部に行くのですが、職員の方々が立ち働くフロアには「祝! ○○記念 105・2%」「祝! ○○ステークス 108・9%」といった短冊が天井から吊されています。要するに前年比の売り上げを示したもので、100%以上になった重賞がズラリと並べられているのです。売り上げ増に向けて熱心に取り組んでいるんだなぁということがよく分かります。今回の番組によってすぐに売り上げ増加が見込めるわけではないでしょうが、競馬を身近に感じてもらうための種まきとしては成功だったのでは?

さて、今週の新馬戦出走馬のなかで好調教をマークした馬をピックアップしたいのですが、どれか1頭選ぶとなれば、水曜日の栗東坂路で未出走馬の一番時計をマークしたヌーベルバーグ(父ディープインパクト・音無厩舎)でしょうか。阪神ジュベナイルフィリーズ(G1・芝1600m)で2着となったシークレットコードの半妹です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102997/

この馬の配合はちょっとおもしろいところがあります。まず、「ディープインパクト×Lost Code」なので、「サンデー×Lost Code」のハットトリック(香港マイル、マイルCS)と似ています。母マジックコードはカナダの最優秀古馬牝馬に選ばれた活躍馬。

母の父 Lost Code は“Chieftain≒Fast Trun 4×3”がミソです。
http://www.pedigreequery.com/lost+code

         ┌ Nasrullah(≒Royal Charger)
       ┌○┘
Chieftain ――┤ ┌ Roman(≒Admiral Drake)
       └○┤
         └ How(=Cherokee Rose)

         ┌ Royal Charger(≒Nasrullah)
       ┌○┤ ┌ Admiral Drake(≒Roman)
Fast Turn ――┤ └○┘
       └ Cherokee Rose(=How)

ディープインパクトに含まれる Lady Rebecca は、Chieftain の半妹であり、なおかつ Fast Turn と配合構成が似ています。

           ┌ Turn-to
         ┌○┘
       ┌○┘
Lady Rebeca ―┤
       └○┐
         └ How(=Cherokee Rose)

       ┌ Turn-to
Fast Turn ――┤
       └ Cherokee Rose(=How)

要するに、Lost Code が抱える相似な血のクロスを、父ディープインパクトが継続していることになります。

ディープインパクトの配合において、Lady Rebecca の構成要素を強化することが大事ではないかということを、5月26日のエントリー「ディープインパクトとアメリカ血統」で述べました。そうした視点から見てぴったりの配合だと思います。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/05/post-741f.html

2代母の父 Flying Paster が大物感に欠ける二流血脈なので、ちょっと信頼しきれず「栗山ノート」には含められなかったのですが、稽古で動いているということはいいものを持っているのでしょう。日曜阪神6Rの新馬戦(芝2000m)に出走する予定です。

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コメント

阪神第一節の新馬戦芝2000㍍といえば、十年前のアグネスタキオンですね。
私が生でレースを見て、初めて背筋がゾクゾクッしたのと、観客のどよめきがすごかったのが思い出されます。

今までのディープ産駒の活躍も素晴らしいものですが、そろそろ真打ちクラスが登場してもおかしくないころ。今度こそ見逃さないようにします(笑)。

アメトーク、すっかり忘れてました。雨上がり決死隊の蛍原さんがかなりの競馬ファンなのは存じ上げてましたので楽しみにしてたんですが…(笑)。
CMでも、競馬場内のイベントでもそうですが、本当に競馬を愛している方の語りこそが、関心のない一般人に訴求するのだと思います。もちろんいいレースを見ていただくのが一番ですが、そのきっかけすら作れていない現状ですから…。
有馬記念は、歳時記になっているくらいですし、観客の数も最近は健闘しているようですから、腑にストンと落ちるレースを見ていただけたらなあ、と思っています。

今回の番組はなかなか良かったと思います。
エリモジョージが出て来たのですから、誰かエリモジョージについても語って欲しかったと言うのが本音ですが(笑)

>ダンディ“ゲッツ”さっさん様

開幕週に限らず暮れの阪神デビューの大物といえば、ダンスインザダーク、アグネスタキオン、ディープインパクトあたりですか? もっといたかもしれませんが、トシのせいか最近の馬ほど覚えられず……(笑)。タキオンのデビュー戦を生でご覧になったというのは財産ですね。

蛍原さんは競馬大好きオーラが出まくりだったので、いい感じでしたよ。ゲッツさんのおっしゃる「関心のない一般人に訴求する」役割は十分果たせたんじゃないかなぁと。人気芸人の方々やAKBなどのアイドルが競馬好きを公言して、そこから競馬に興味を持ってもらうというルートは、ファンの新規開拓としては有力なんじゃないでしょうか。そういえば10月にAKBのイベントが東京競馬場でありましたが、ああいうのでもいいと思うんですよね。「初めて来たけど競馬場って広くて気持ちいいなぁ」と思ってくれる人がいるかもしれませんし。

>キングトップラン様

ロングホークのテロップが“ロングホープ”となってましたね。でも、細かなミスが気にならないほど番組としてはいいデキでした。

そこまで気付かなかったです…。
馬名間違いというのは、競馬資料にも結構あったりしますから、本の記事を纏めている時に、訂正する事はしばしばあります。
話は戻りますが、このエリモジョージやロングホークが走っていた頃のオープン馬は、名前を見るだけでも凄いメンバーだなと思うぐらい、蒼々たるメンバーが揃っていたと思います。
ヤマブキオーやホワイトフォンテン、グレートセイカンなど、個性派揃いの脇役も揃っていたのですから、当時の中央競馬は本当に面白かったのでしょうね。

私もリアルタイムでは見ていないのですが、“個性派”というのは記憶に残りますからね。一世代上の方々と飲むとき、このあたりを熱く語られる方はけっこう多いです(笑)。

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