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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年12月13日 (月)

阪神ジュベナイルフィリーズはレーヴディソール

ここ数年、日本競馬は男勝りの牝馬が支えてきた感があります。◎レーヴディソール(1番人気)はその系譜に連なる可能性のある馬でしょう。盤石の横綱相撲でした。個人的に阪神ジュベナイルフィリーズの予想は、毎年伏兵馬に◎を打っているのですが、今年はデイリー杯2歳Sを見て穴を狙う気が失せました。

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』と『ウマニティ』に提供した予想は◎△で馬単1490円的中。予想文を転載します。

「◎レーヴディソールは『アグネスタキオン×ハイエストオナー』という組み合わせ。アプレザンレーヴ(青葉賞)、レーヴダムール(阪神ジュベナイルフィリーズ-2着)など兄弟4頭はすべてOPクラスに出世している。母レーヴドスカーはサンタラリ賞(仏G1・芝2000m)の勝ち馬。過去2戦のレースぶりは華々しい血統背景に恥じないもので、前走のデイリー杯2歳S(G2)ではアグネスタキオン産駒らしい爆発的な末脚を繰り出して牡馬の一線級をなで斬った。周知のとおり阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬は、ウオッカ、トールポピー、ブエナビスタ、アパパネと4年連続でクラシックを制している。レースぶりや血統背景から、それらに引けを取らない高い資質を備えていることはほぼ間違いないと思われる。牝馬同士ではモノが違うだろう。」

2着△ホエールキャプチャ(4番人気)は、距離損のないラチ沿いを通りました。レーヴディソールは終始外を回っていたので、半馬身という着差以上に両馬の能力差はあると思います。

レーヴディソールの母レーヴドスカーは、同じ Highest Honor 産駒のG1ウィナー Marotta(サンタラリ賞)と配合構成が酷似しています。似た配合でともにG1を勝つというのは、構成が優れていることの証明ではないかと思います。
http://www.pedigreequery.com/reve+doscar
http://www.pedigreequery.com/marotta

         ┌ Highest Honor
         │   ┌ Blushing Groom
レーヴドスカー ―┤ ┌○┘ ┌ Nijinsky
         └○┤ ┌○┘
           └○┤ ┌ Sir Gaylord
             └○┘

         ┌ Highest Honor
         │   ┌ Blushing Groom
Marotta ―――――┤ ┌○┘ ┌ Nijinsky
         └○┤ ┌○┘
           └○┤ ┌ Sir Gaylord
             └○┘

レーヴドスカーには、切れ味を伝える Sir Gaylord 4×4(5月12日のエントリー「Sir Gaylord の瞬発力」をご参照くださいませ)に加え、現代スピード血統の祖ともいえる Nasurullah がイヤというほど詰め込まれています(Nasrullah=Rivaz 5・5・6・6・6×5)。

ただ、ナイフの刃のようなこうした鋭さが剥き出しになっているわけではなく、「Highest Honor×バイアモン」という、むしろ輪郭のぼやけた鈍い血がオブラートのように包み、そのオブラートの部分に含まれるヨーロッパのスタミナ血統が、全体のバランスを取ることで奥行きのある名繁殖牝馬が誕生したのではないかと思います。Palestine≒Aimee 6×5、Azalea≒Pavot 6×7、Avena=Harina 6×7、Roman≒Admiral Drake 6・7×7など、薄めの全きょうだいクロス、4分の3同血クロス、相似な血のクロスが幾重にも張り巡らされた繊細な配合です。体質の弱さを伝えることを差し引いても、念願のG1ホースを送り出したわけですから、歴史に残る名繁殖牝馬といえるでしょう。

2着に食い込んだホエールキャプチャはベストクルーズ(ファンタジーS-2着、阪神ジュベナイルフィリーズ-3着)と配合構成がよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100544/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100569/

           ┌ クロフネ
ホエールキャプチャ ―┤ ┌ サンデーサイレンス
           └○┤
             └○┐
               └○┐
                 └ チヨダマサコ

           ┌ クロフネ
ベストクルーズ ―――┤ ┌ サンデーサイレンス
           └○┤
             └ チヨダマサコ

クロフネ産駒は基本的にG1では買いたくありません。ただ、この馬は私が考えるクロフネ産駒の成功パターンに合致しており、ちょっと見どころがあると思います。いずれそれを語る機会もあるでしょう。

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