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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年11月 1日 (月)

天皇賞・秋はブエナビスタ

4歳秋を迎えてようやく“完成形”になったという印象ですね。完璧なレース、文句なしの強さでした。00年以降の天皇賞・秋のなかでは最も鮮やかな勝ちっぷりだったと思います。牝馬らしいコンパクトな馬体のどこにあれだけの力が秘められているのでしょうか。おそらく筋肉の質が素晴らしいのでしょうね。繁殖牝馬としての価値は“priceless”です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103319/

予想は◎△で的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。

「◎ブエナビスタは『スペシャルウィーク×カーリアン』という組み合わせ。母ビワハイジは阪神3歳牝馬S(G1)の勝ち馬で、半兄アドマイヤオーラとアドマイヤジャパンは重賞ウィナー。近い世代にサンデーサイレンス、カーリアン、サンタルチアーナを持つ配合構成はレッドディザイア、ジョーカプチーノと同じ。まさに名馬という配合だ。距離やコースを問わないオールラウンダーで、最後はキッチリ伸びてくるので信頼性が高い。
 東京競馬場の芝コースは今週からBコースを使用し、土曜日の競馬が行われないためインコースの馬場状態は良好。ただでさえ内枠の先行馬が有利なところへ、雨が上がるとインコースから乾いていくという東京芝コースの特殊事情が加わり、おそらくインが止まらず外が伸びないというコンディションになるはず。近走のブエナビスタは位置取りの融通性が出てきているので好位で競馬をするだろう。レース直前には稍重~重ぐらいまで回復すると思われる。これぐらいの馬場なら問題なくこなす。」

レッドディザイア、ジョーカプチーノと比較する箇所は、血統表を見ないと分かりづらいので以下に掲げます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102929/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006100529/

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┘
ブエナビスタ ―――┤ ┌ Caerleon
          └○┤
            └○┐
              └ Santa Luciana

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┤
レッドディザイア ―┤ └○┐
          │   └ Santa Luciana
          │ ┌ Caerleon
          └○┘

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┤
          │ └○┐
ジョーカプチーノ ―┤   └ Santa Luciana
          │   ┌ Caerleon
          │ ┌○┘
          └○┘

この構造には何か特別なものがありそうです。

マンハッタンカフェはサンデーサイレンスと Santa Luciana を併せ持ちます。したがって、母方に Caerleon が入ると自動的にトライアングルが完成します。このニックスからはレッドディザイア、ジョーカプチーノのほかにも多くの活躍馬が出ています。10月19日のエントリー「府中牝馬Sはテイエムオーロラ」でも説明しておりますのでご覧くださいませ。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/10/post-3a36.html

△ペルーサ(4番人気)の追い込みには度肝を抜かれました。来年、もし海外に出たらどこでも勝っちゃうんじゃないか……とさえ思いました。今年の春、陣営から「ダービーのレース内容によっては凱旋門賞に遠征するかも」というプランが明かされ、一次登録を済ませた経緯があるので、2011年の秋はロンシャンが目標になるかもしれません。次走について藤沢和雄調教師は、ジャパンCに出るか年内を休養に充てるかオーナーと相談して決めると語っています。

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天皇賞・秋はブエナビスタを参照しているブログ:

コメント

本当に完璧ブエナビスタ。パドックから威風堂々で直線もムチが入ってなかったように見えました。
それに比べてやんちゃですね〜ペルーサ。あんな位置から最後ワープしてきました(笑)
前にウォッカの話の時に「レモンは絞りすぎてはいけない」というのがありました、来年もブエナビスタの走りを見たいですが2歳から活躍しているので今年で引退した方が繁殖牝馬としてはいいのでしょうか?またもし栗山さんがブエナビスタの種付けを決めるとしたらどのような種牡馬を選ばれますか?
無茶な質問ですいません(笑)

ご返事が遅れてすみません。ブエナビスタはムチ無しでしたか。それでこの勝ちっぷりですから……強すぎです。レースが終わったあと、大げさかもしれませんがふと「日本の宝」という言葉が浮かびました。もし仮に私がオーナーなら今年限りでしょうね。ブエナビスタの強さは歴史に残るものです。それは今回の天皇賞・秋でも十分に証明したと思います。来年走ればさらにタイトルを追加するでしょうが、血を残すという大仕事に支障がないよう、今年いっぱいで繁殖に上げたほうがいいのではないかと個人的には思います。どの種牡馬がいいかということに関しては答えを差し控えさせてください。ごめんなさい!

答えにくい質問してすいませんでした。
無知なうえいろいろ聞く事があると思いますがまたよろしくお願いいたします!

いえいえ、とんでもございません。こちらこそよろしくお願いします。

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