障害界のサンデーサイレンス
オペラハウスといえば、テイエムオペラオーとメイショウサムソンの父として知られる名種牡馬です。Sadler's Wells 系だけあって芝の道悪を得意としていますが、もうひとつ、“障害レースに強い”というセールスポイントもあります。
Sadler's Wells 系は基本的に障害レースに高い適性があります。たとえば、Istabraq(父 Sadler's Wells)は英チャンピオンハードル3連覇、愛チャンピオンハードル4連覇など無敵を誇りました。
http://www.pedigreequery.com/istabraq
また、日本で2年間リース供用されたオールドヴィック(父 Sadler's Wells)は、現在3年連続でグランドナショナルの連対馬を出し、うち2回は優勝、今年はワンツーフィニッシュを決めました。
http://www.pedigreequery.com/old+vic
86年以降、障害レースで産駒が100走以上している種牡馬のなかで、連対率が30%を超えているのは、ノーザンテースト(35.8%)、ノーザンディクテイター(33.8%)、オペラハウス(32.2%)の3頭のみ。
この3頭を重賞勝利数で比べてみると、オペラハウス14勝、ノーザンテースト6勝、ノーザンディクテイター2勝なので、オペラハウスの圧勝です。大物が出るかどうかは種牡馬評価の大きなポイントですね。
たとえば、一昔前に障害界で一世を風靡したモガミは、連対率25.8%で上記3頭よりも劣るのですが、重賞勝利数は15勝で、これは86年以降の最高記録です。「障害のモガミ」というイメージがファンに植え付けられたのは、重賞レースでつねにモガミ産駒が上位争いをしていたことが大きいでしょう。ノーザンテーストやノーザンディクテイターにそうしたイメージはありません。
オペラハウスは通算292走で重賞14勝。一方のモガミは通算633走で重賞15勝。出走回数で倍以上の差があるのに、重賞勝利数はほぼ並んでいるのですから、オペラハウスの優秀さは明らかです。まさに“障害界のサンデーサイレンス”。平地で頭打ちになったオペラハウス産駒は、試しに障害を飛ばせてみればいいのではないかと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a000d77/
土曜日の東京ハイジャンプ(J・G2・芝3300m)には、オペラハウス産駒のコウエイトライ(牝9歳)が出走します。孫のテイエムトッパズレ(牡7歳・父テイエムオペラオー)も出走します。もしコウエイトライが勝てば、オペラハウスは産駒の重賞勝利数が「15」となりモガミに並びます。すでに9歳秋ですが、長期休養後のスランプから完全に脱しているので勝ち負けになるでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001109085/
オペラハウスとモガミとノーザンディクテイターは「Northern Dancer+La Troienne」が共通しますが、そっから先は深く考えてないので丸投げです(・∀・)
投稿: MJ | 2010年10月16日 (土) 12:01
60年代にフジノオー、フジノホマレを始め多くの名障害馬を送り出したブリッカバックという種牡馬がいます。この馬は「War Admiral×Blue Larkspur」なので、La Troienne 周辺の匂いがしますね~。しかも、母 Bloodroot はノーザンディクテイターの4代母ですし、Sadler's Wells に含まれる Lalun の2代母。このへんがハードル適性の源ですか?
周知のとおり Man o'War も障害血統として優秀で、30年代にグランドナショナルの勝ち馬を出しましたし、産駒の月友の系統も障害に強かったといわれてますね。Man o'War はデカくてゴツい馬だったようですが、こういうタイプが障害に強いというのはイメージ的にしっくりきます。
投稿: 栗山求 | 2010年10月16日 (土) 14:29