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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年10月17日 (日)

土曜日のレースあれこれ

■デイリー杯2歳S(G2・芝1600m)は紅一点のレーヴディソール(1番人気)が大外一閃。初戦とペースが違うせいか序盤にモタつくシーンもありましたが、アグネスタキオン産駒だけあってエンジンが掛かると切れますね。これでデイリー杯は同産駒が4年連続で連対したことになります。京都の外回りコースは切れ味が活きる舞台なのでタキオンの子が強いのは偶然ではありません。レーヴディソールの上がり3ハロンは33秒7でした。

過去3年の連対馬は脚もとが弱いという共通点があります。ホッコータキオンは屈腱炎、リディルは骨折でクラシックを迎える前に長期休養に入り、いまだに復帰していません。キャプテントゥーレは皐月賞を勝ったあと骨折で1年以上休みました。脚もとの弱さはアグネスタキオン産駒の泣きどころです。無事に来年のクラシックを迎えてほしいものです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103374/

■デイリー杯と並ぶ土曜日の注目レースは東京12Rの1000万下(芝1800m)。期待の対象はサンデーミューズ(1番人気)でした。その父アルカセットはジャパンCをレコード勝ちしたものの、種牡馬としてはスピード不足がたたり苦戦中。サンデーミューズは、同産駒のなかでほとんど唯一といっていい上級クラスを狙える芝馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105711/

今回は、5ハロン通過62秒1というスローペースを最後方から進み、上がり33秒0の瞬発力で突き抜けました。

「母の父サンデーサイレンス」は、日本向きとはいえない種牡馬にスピードと瞬発力を与え、日本の馬場に適応させてしまうという万能調味料のような働きがあります。ただ、サンデーミューズの高い能力を解く鍵はこれだけではないでしょう。私は「チェサプラナ≒シンコウビューティ2×2」から何らかの影響を受けているのではないかと思います。この血統構成は独特です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a010a54/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1993109217/

            ┌ Nijinsky
          ┌○┘
チェサプラナ ―――┤ ┌ High Top
          │ │   ┌ Forli
          └○┤ ┌○┤ ┌ Bold Ruler
            └○┘ └○┘

            ┌ Nijinsky
          ┌○┘ ┌ Forli
シンコウビューティ―┤ ┌○┤ ┌ Bold Ruler
          └○┤ └○┘
            │ ┌ High Top
            └○┘

シンコウビューティはシンコウラブリイ(マイルCSなど重賞6勝)の全妹。優秀な血統構成の多重クロスによってサンデーミューズが走ったとするなら、この牝系はアルカセットとの交配で第二、第三の活躍馬を送り出せるかもしれません。6月デビューで5戦3勝、これで準OP入りですから、重賞に姿を見せる日も近いでしょう。

■昨日のエントリーで取り上げたコウエイトライは東京ハイジャンプ(J・G2・芝3300m)で4着。決してバテてはいないのですが、4コーナーで内から張られ、大外に押し出されたのが痛かったですね。あのコースはいま伸びません。ガラ空きになったインを突いた3頭で決着しました。

■京都3Rの2歳未勝利戦(芝1600m)は、POGでも指名した期待のダノンハロー(1番人気)が9着惨敗。前に行けなかったのは初戦と同じですが、勝負どころの反応がイマイチで、ラストも伸びず。こんな馬ではないと思うのですが……。土曜日のハーツクライ産駒は3頭が出走して〔0・0・1・2〕。率を下げています。デイリー杯2歳Sでメイショウナルトが3着となりました。

■京都9Rの堀川特別(1000万下・芝1800m)は、サンデーサイレンスと Green Desert の組み合わせを持つスイートマトルーフが勝ちました。10月16日のエントリー(オーストラリアで目に付く“母の父サンデー系”)で触れた配合パターンです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006109266/

■3戦全勝同士の Frankel と Dream Ahead の対決で注目されたデューハーストS(英G1・芝7f)は、1番人気の Frankel が完勝しました。Dream Ahead は5着。1着 Frankel、2着 Roderic O'Connor はいずれも「Galileo×デインヒル」という組み合わせ。Galileo 産駒はこのレース通算3勝目で、06年の勝ち馬 Teofilo も「Galileo×デインヒル」でした。『RACING POST.com』では「スーパースター」という単語が躍っていますね。この勝利によって、来年の英2000ギニー(G1・芝8f)における Frankel のアンティポストは軒並み2倍前後に下がり、大手のコーラルとウイリアムヒルは1.8倍(!)をつけました。レース直前ではなく半年前のオッズですからね……。ありえないぐらいの高評価です。http://www.pedigreequery.com/frankel3

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