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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年10月18日 (月)

アパパネ、牝馬三冠達成

アパパネには過去一度も◎を打ったことがなく、今回も▲という評価。したがって今年の3歳牝馬路線の予想に関しては非常に寒いものがありました……(笑)。これは負け惜しみですが、自分をごまかして◎を打とうという気持ちはまったくないので、これはこれでよかったと思います。

母ソルティビッドは一本調子の早熟早枯れスプリンターで、それを裏付けるように Salt Lake の子ですから、娘のアパパネについては早い段階から距離が延びてどうか、成長力がどうかという懸念を抱いていました。オークスで距離不安を一蹴し、そして今回、成長力の不安を吹き飛ばしました。

新馬戦が452キロで今回は490キロ。じつに38キロの馬体増です。「成長力の不安」どころか抜群の成長力ですね。馬体の成長という観点でよく引き合いに出されるテンポイントは、2歳夏のデビュー戦が456キロ、5歳1月の最後のレースは490キロで、その差34キロですから、3歳秋のアパパネはすでにこれを超えています。

あくまでも私個人の感じ方ですが、血統から受けるイメージと、馬の実像がこれほど重ならない馬は、少なくとも最近のG1レベルでは記憶にありません。瞬発力、成長力、底力、距離の万能性など、血統表からその源となるものを見出しづらい馬です。あるいは配合という関数を超越したオグリキャップのような存在なのかな、とも思います。自分の未熟さを自覚するとともに、アパパネという馬から多くのものを学び取らなければいけないですね。ともかく、牝馬三冠おめでとうございました。

◎アプリコットフィズはレース前、ダラダラと汗を滴らせている時点で望み薄だと思いました。3着はよく頑張ったほうでしょう。思い返せば今年の牝馬三冠はすべてこの馬に◎を打ちました。『ウマニティ』の秋華賞予想には3連単マルチの買い目もあったので、12550円の配当が引っ掛かったのですが、イマイチ嬉しさは湧かず……。

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コメント

来るならアタマしかないと思い、◎ディアアレトゥーサの単勝に8割方入れて見てましたが……いゃぁ、あの直線攻防での数完歩、アパパネの速さ、凄味には完敗です。久々にもめ事なくすっきりしたカタルシスを感じられた秋華賞でした。
アプリコットフィズは、馬体と気性面の成長がまだない現状ではよく頑張ったほうでしょうか。
今後の成長を待つとして、アプリコットにはどの路線が適性発揮に合っているのでしょうか?
栗山さんの見解が頂けたら幸いです。

ディアアレトゥーサは暮れの中山、ターコイズSで懲りずに狙います(笑)。

アパパネ強いですね~。心身ともに充実していて隙がありませんでした。それに比べると、ゲッツさんがおっしゃるようにアプリコットフィズはまだまだ……。

アプリコットが中距離型であることは衆目の一致するところでしょう。ただ、牡馬に伍してやれるほどの力はまだなく、牝馬限定戦で地道に行くことになるでしょうね。エリザベス女王杯→愛知杯→中山牝馬S→福島牝馬Sorヴィクトリアマイルといった感じでしょうか。馬の体調に合わせていくつか使うといった形になると思います。

始めまして。いつも勉強させて貰ってます。
菊花賞に登録のある、リリエンタールの母父モンズンについて知りたいのですが。
リリエンタールの血統始めて見た時、パッと見重過ぎて北海道以外は走れないだろうと思ってましたが、雨が降って淀の坂上からスパートできればどうかなあと。モンズンの父もよく知らないんですが・・・

栗山さん、ありがとうございます。
身体と気性面の成長がないと、素質と血統だけではG1を勝てない。逆に言えばG1を勝つのはそれだけ難しく、野球の野村監督の名言『負けに不思議の負けなし』に改めて深く感じ入りました。
牝馬の場合、時間がどれだけ残されているかわかりませんが、アプリコットの開花を私も焦らずに待ちたいと思います。
このままいくと、アパパネは年度代表馬も夢ではないですね。タイトルを重ねるごとにパフォーマンスを上げていく様は圧巻です。

>滝尾様

はじめまして。

ここ10年ぐらい世界的にドイツ血統への関心が高まっていますが、そのひとつのきっかけが名種牡馬 Monsun の登場だったと思います。
http://www.pedigreequery.com/monsun

ドイツ国内にとどまらずイギリス、フランス、イタリアでも大レース勝ち馬を送り出し、代表産駒の Shirocco は大西洋を渡ってアメリカのブリーダーズCターフを勝ちました。特長は2400mのレースに強いこと。重いスタミナタイプというわけではなく、時計の速い決着にも対応できます。Shirocco のほかにも Royal Highness がアメリカでG1を勝ちました。このあたりはおそらく母の父 Surumu の影響でしょう。Monsun の父 Konigsstuhl はドイツで3回リーディングサイアーとなった名種牡馬です。Surumu については『栗山求 Official Website』の「Works」→「ドイツ・ダービーの父系」に詳述しております。
http://www.miesque.com/

周知のとおりリリエンタールは高速決着に向いていません。日本の馬場は Montjeu にとって軽すぎます。ただ、おっしゃるとおり、雨が降って極悪馬場となり、持久力が活きる展開に持ち込むことができればわかりません。天気予報を見るかぎり今週は雨が降りそうにありませんが……。リリエンタールについては当ブログでも以前触れておりますのでご参照くださいませ(4月30日のエントリー「ドイツ血統と Sadler's Wells」)。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/04/sadlers-wells-a.html

>ダンディ“ゲッツ”さっさん様

今年の年度代表馬選考は大モメになりそうな予感がします。アパパネがエリザベス女王杯→有馬記念をぶっこ抜いたら確定だと思いますが、現段階ではナカヤマフェスタも有力でしょうか。いやぁ、まったくわかりませんね……。

有難うございました。ミスプロ不振の乱菊で1、2番人気がミスプロ。エルコン産駒だけ勝ってますが、今世界中でキングマンボ旋風が起こってますがキングマンボは別物なんですかねえ?
かなりの種牡馬だったモンズンすら知らない男ですが、またよろしくお願い致します

>滝尾様

そうですね。Kingmambo は別物だと思います。こちらこそよろしくお願いします。

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