ディープインパクトとハーツクライの中間決算(後)
ディープインパクトもハーツクライも、夏のローカル向きとは思えないので、秋シーズンが深まるにつれてますます味が出てくるでしょう。昨年のゼンノロブロイ、一昨年のネオユニヴァースもそうでした。
『競馬王』9月号の「POG羅針盤」にディープインパクトについて次のように記しました。
「ディープインパクト産駒は総じてスタートダッシュがイマイチで、終いの脚で勝負するものが目に付く。気性的にカリカリするところもない。したがって、ローカルの短距離戦に向いたタイプではないのは明らかだ。マイル以上のゆったりした距離が合うだろうし、末脚の威力を活かすには直線の長いコースのほうがいい。舞台が中央場所に移ってから本領を発揮するタイプだろう。秋が来れば新馬戦や未勝利戦はもちろん、特別戦や重賞でもディープインパクト旋風が吹き荒れるものと思われる。」
ファーストクロップの2歳戦勝利数記録は、94年にサンデーサイレンスが樹立した30勝。あと4ヵ月の頑張りでこの記録にどこまで迫れるか注目です。
ディープインパクト産駒の配合で意外だったのは、Lyphard クロスを持つ馬が頑張っていること。事前の見立てではネガティヴに考えていたのですが、現時点で勝ち上がった9頭中3頭がこのクロスを持っています。先週土曜日の中山新馬戦(芝1600m)を勝ち上がったディープサウンドはモノが違うというレースぶりでした。
http://www.youtube.com/watch?v=DV_Oj2ueZxM
また、来週日曜日に阪神でデビュー予定のスマートロビンも Lyphard クロス馬。稽古で素晴らしい動きを見せています。このクロスを持つ馬がトップクラスで通用するかどうかの判断は現時点では保留するとして、少なくとも新馬・未勝利戦レベルでは問題なく走りますね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100685/
今週日曜日の阪神5R新馬戦(芝1800m)はハイレベルなメンバーが揃いました。主な出走馬は以下のとおり。
ヴァレノーヴァ(父アグネスタキオン)
ヴィジャイ(父ディープインパクト)
サトノパンサー(父キングカメハメハ)
ビップセレブアイ(父ゼンノロブロイ)
リフトザウイングス(父ハーツクライ)
レッドデイヴィス(父アグネスタキオン)
間違いなく4回阪神開催の目玉といえる新馬戦です。ディープ産駒のヴィジャイとハーツ産駒のリフトザウイングスは人気を背負うでしょう。しかし、他の馬のレベルも高いので、どれが勝っても不思議はありません。おもしろいレースになりそうです。
こんにちは。
いつも楽しく興味深く拝見してます。
種馬ディープ、はやはりなかなかのポテンシャルでしょうか。個人的にもリファールクロスはズブくなるんじゃないかと思ってたので意外でした。配合の方向性によっては個性的な産駒も生まれそうですね。
以前のトピでディープの母系にあるレディレベッカをいじくるといいのでは?と言うのがありましたよね(たしか)。それに付随して例えばサーゲイロードを持って来たり、セクレタリアトでサムシングロイヤルをクロスさせたり、というのも効果期待できるとお考えですか?
血統好きですが素人なものでつたない質問ですいません。
これからも楽しく勉強させて頂きます。
投稿: キスラー | 2010年9月17日 (金) 12:19
こんにちは。いつもお読みいただきありがとうございます。ディープ産駒はどんな配合の馬がどんなレースを見せてくれるのだろうかと毎週楽しみですね。
Lady Rebecca が配合を考える上でのポイントではないか、ということは当ブログでも述べたことがあります(5月26日のエントリー「ディープインパクトとアメリカ血統」)。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/05/post-741f.html
Sir Gaylord のクロスを持つディープインパクト産駒には、ビワハイジを母に持つトーセンレーヴがいます。今年はこの馬を全体の1位に指名しました。これは好きな配合です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103273/
Sir Gaylord といえば名繁殖牝馬レーヴドスカーですが、もしディープの子を産んだら上位で指名しようかなと。これもいいですね~。
http://keiva.jp/haigo_kekka.php?id=025924&id2=023092
Secretariat を持つ馬は今年の2歳世代にはあまりいないので、初年度から活躍馬は出ないかもしれませんが、悪くないと思いますよ。
投稿: 栗山求 | 2010年9月17日 (金) 14:01