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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年6月 1日 (火)

北海優駿はクラキンコ

ホッカイドウ競馬のダービーにあたる北海優駿は、1番人気のクラキンコが4コーナーを回って先頭に立ち、そのまま押し切って優勝しました。北斗盃に続いて二冠達成です。

デビュー当時から話題になっていたのはその血統。父クラキングオー(北海優駿、道営記念、ステイヤーズC2連覇)、母クラシャトル(北海優駿、北海道3才優駿)は、いずれもホッカイドウ競馬を沸かせた名馬でした。つまりクラキンコは“夢の配合”によって誕生した馬だったのです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105398/

生産した倉見牧場は、血統に関して一風変わった信念をお持ちのように思われます。10年ほど前、地方競馬全国協会の『ハロン』誌に、クラカゲオーという種牡馬についてコラムを書きました。“道営史上最強馬”といわれたコトノアサブキの子で、北海優駿と王冠賞で2着となったのが主な戦績でしたが、生産した倉見牧場が種牡馬として供用しました。そして、無名種牡馬ヤクモセンショウを父に持つ繁殖牝馬との間に、重賞の旭岳賞を勝ったクラダイギンガを送り出したのです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1996102342/

「クラキングオー×クラシャトル」という“夢の配合”が実現するまでには苦難の道のりがありました。父クラキングオーは現役最後となった一戦で殺処分寸前の故障を負い、倉見牧場の手厚い看護により生還しました。3年後、ようやく種牡馬となる目処が立ち、最初の交配相手に選ばれたのが牧場のナンバーワン牝馬のクラシャトル。そして、翌年誕生したのがクラキンコでした。このあたりの事情については「競走馬のふるさと案内所」のコラム(2009年10月19日付)に詳述されています。読み応えのある記事です。
http://www.uma-furusato.com/news.php?mid=1229&cid=1

父クラキングオー、母クラシャトル、子クラキンコは、いずれも北海優駿の勝ち馬。父母がいずれもダービー馬で、子もダービー馬という例が世界に存在するのかどうかは分かりませんが、きわめて稀なことであるのは間違いないでしょう。ディープインパクトとウオッカの子が日本ダービーを勝つようなものです。

ちなみにイギリスでは、Stockwell(英2000ギニー、英セントレジャー)と Blink Bonny(英ダービー、英オークス)の間に誕生した Blair Athol(1861年生)が、英ダービーと英セントレジャーを制したという記録があります。
http://www.pedigreequery.com/blair+athol

クラキンコはホッカイドウ競馬史上4頭目の三冠馬となるべく、8月19日の王冠賞(門別・ダ2600m)に挑みます。

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北海優駿はクラキンコを参照しているブログ:

コメント

く、栗山さん
クラキンコは牝馬です…

や、やっちまいました(笑)。当該部分は訂正させていただきました。

ご指摘ありがとうございますm(_ _)m

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