北海優駿はクラキンコ
ホッカイドウ競馬のダービーにあたる北海優駿は、1番人気のクラキンコが4コーナーを回って先頭に立ち、そのまま押し切って優勝しました。北斗盃に続いて二冠達成です。
デビュー当時から話題になっていたのはその血統。父クラキングオー(北海優駿、道営記念、ステイヤーズC2連覇)、母クラシャトル(北海優駿、北海道3才優駿)は、いずれもホッカイドウ競馬を沸かせた名馬でした。つまりクラキンコは“夢の配合”によって誕生した馬だったのです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105398/
生産した倉見牧場は、血統に関して一風変わった信念をお持ちのように思われます。10年ほど前、地方競馬全国協会の『ハロン』誌に、クラカゲオーという種牡馬についてコラムを書きました。“道営史上最強馬”といわれたコトノアサブキの子で、北海優駿と王冠賞で2着となったのが主な戦績でしたが、生産した倉見牧場が種牡馬として供用しました。そして、無名種牡馬ヤクモセンショウを父に持つ繁殖牝馬との間に、重賞の旭岳賞を勝ったクラダイギンガを送り出したのです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1996102342/
「クラキングオー×クラシャトル」という“夢の配合”が実現するまでには苦難の道のりがありました。父クラキングオーは現役最後となった一戦で殺処分寸前の故障を負い、倉見牧場の手厚い看護により生還しました。3年後、ようやく種牡馬となる目処が立ち、最初の交配相手に選ばれたのが牧場のナンバーワン牝馬のクラシャトル。そして、翌年誕生したのがクラキンコでした。このあたりの事情については「競走馬のふるさと案内所」のコラム(2009年10月19日付)に詳述されています。読み応えのある記事です。
http://www.uma-furusato.com/news.php?mid=1229&cid=1
父クラキングオー、母クラシャトル、子クラキンコは、いずれも北海優駿の勝ち馬。父母がいずれもダービー馬で、子もダービー馬という例が世界に存在するのかどうかは分かりませんが、きわめて稀なことであるのは間違いないでしょう。ディープインパクトとウオッカの子が日本ダービーを勝つようなものです。
ちなみにイギリスでは、Stockwell(英2000ギニー、英セントレジャー)と Blink Bonny(英ダービー、英オークス)の間に誕生した Blair Athol(1861年生)が、英ダービーと英セントレジャーを制したという記録があります。
http://www.pedigreequery.com/blair+athol
クラキンコはホッカイドウ競馬史上4頭目の三冠馬となるべく、8月19日の王冠賞(門別・ダ2600m)に挑みます。
く、栗山さん
クラキンコは牝馬です…
投稿: まっつん | 2010年6月 2日 (水) 00:57
や、やっちまいました(笑)。当該部分は訂正させていただきました。
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
投稿: 栗山求 | 2010年6月 2日 (水) 01:16