フィフスペトル復活
先週日曜日の東風S(OP・中山芝1600m)でフィフスペトルが復活しました。2歳夏の函館2歳S(G3)以来1年7ヵ月ぶりの勝利です。この馬の配合についての見解は、08年7月の新馬戦で◎を打ったとき以来ほとんど変わっていません。当時、『web競馬王』に掲載した予想を再録します。
「◎フィフスペトルは『キングカメハメハ×バーリ』という組み合わせ。キングカメハメハはトゥールビヨン-ジェベルのラインが母系の構成要素の核となっているので、ここを強化した配合は買える。本馬の母の父バーリは英マイルG1を2勝した名馬で、ジェベル5×5。配合相手に入る血脈としては好ましい。本馬はミルリーフ≒リヴァーマン5×3。底力に秀でた本格的な血で構成されており、新馬戦だけでなく先々まで楽しめそう。」
キングカメハメハは Never Bend と相性がいいだろう――ということは、産駒がデビューする前から赤本(POGの達人)などで指摘してきました。2月3日のエントリーでも触れた箇所なのでご参照ください。
新馬戦の予想をした時点ではうっかりスルーしてしまったのですが、フィフスペトルの母ライラックレーンには、Never Bend≒Nanticious 3×3があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a00fed6/
http://www.pedigreequery.com/never+bend
http://www.pedigreequery.com/nanticious
┌ Nasrullah
Never Bend ┤ ┌ Tourbillon
│ ┌○┘
│ ┌○┘
└○┤
└ Be Faithful
┌ Nasrullah
┌○┘
Nanticious ┤ ┌ Tourbillon
│ ┌○┘
└○┤
└ Be Faithful
このほか、Nijinsky 3×3、My Babu≒Ambiorix 5×5、Bull Page≒Rerelea 5×4・5、Nasrullah≒Royal Charger 4・6×5・5・5など、眩暈がするような父母相似配合です。
こういう特殊な凝縮を持つ配合馬は、競走馬としてはダメでも、母や2代母となって真価を発揮することがよくあります。たとえばトキツダイヤなどはその一例です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0034f9/
この悪夢のような配合は孫の代で花開きました。70年代末から80年代前半にかけて地方競馬を賑わしたタガワ四兄弟(タガワエース、タガワキング、タガワテツオー、タガワリュウオー)は、トキツダイヤの孫です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1977102855/
フィフスペトルの母ライラックレーンは、Blushing K.D.(ケンタッキーオークス-米G1)や Electronic Unicorn(香港の名マイラー)の半妹でもあり、繁殖牝馬としてかなりの器かもしれないと考え、昨年のPOGではフィフスペトルの半弟ヴァルガリスを指名したのですが、いまだに仕上がらずデビューに至っていません。その全妹にあたる今年の2歳馬は早々と故障してしまいました。こういう配合なので体質的な弱さを伝えるのかもしれません(しかも2頭の父はアグネスタキオンです)。
東風Sを快勝したフィフスペトルは、次走、中2週でダービー卿チャレンジトロフィー(G3)か、中4週でマイラーズC(G2)に挑むはずです。そこからぜひ安田記念(G1)に駒を進めてほしいものです。
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