2024年5月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

« 関口房朗氏が苦境に | メイン | 世紀の女傑対決、お流れに »

2010年3月16日 (火)

フィフスペトル復活

先週日曜日の東風S(OP・中山芝1600m)でフィフスペトルが復活しました。2歳夏の函館2歳S(G3)以来1年7ヵ月ぶりの勝利です。この馬の配合についての見解は、08年7月の新馬戦で◎を打ったとき以来ほとんど変わっていません。当時、『web競馬王』に掲載した予想を再録します。

「◎フィフスペトルは『キングカメハメハ×バーリ』という組み合わせ。キングカメハメハはトゥールビヨン-ジェベルのラインが母系の構成要素の核となっているので、ここを強化した配合は買える。本馬の母の父バーリは英マイルG1を2勝した名馬で、ジェベル5×5。配合相手に入る血脈としては好ましい。本馬はミルリーフ≒リヴァーマン5×3。底力に秀でた本格的な血で構成されており、新馬戦だけでなく先々まで楽しめそう。」

キングカメハメハは Never Bend と相性がいいだろう――ということは、産駒がデビューする前から赤本(POGの達人)などで指摘してきました。2月3日のエントリーでも触れた箇所なのでご参照ください。

新馬戦の予想をした時点ではうっかりスルーしてしまったのですが、フィフスペトルの母ライラックレーンには、Never Bend≒Nanticious 3×3があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a00fed6/
http://www.pedigreequery.com/never+bend
http://www.pedigreequery.com/nanticious

      ┌ Nasrullah
Never Bend ┤     ┌ Tourbillon
      │   ┌○┘
      │ ┌○┘
      └○┤
        └ Be Faithful

        ┌ Nasrullah
      ┌○┘
Nanticious ┤   ┌ Tourbillon
      │ ┌○┘
      └○┤
        └ Be Faithful

このほか、Nijinsky 3×3、My Babu≒Ambiorix 5×5、Bull Page≒Rerelea 5×4・5、Nasrullah≒Royal Charger 4・6×5・5・5など、眩暈がするような父母相似配合です。

こういう特殊な凝縮を持つ配合馬は、競走馬としてはダメでも、母や2代母となって真価を発揮することがよくあります。たとえばトキツダイヤなどはその一例です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0034f9/

この悪夢のような配合は孫の代で花開きました。70年代末から80年代前半にかけて地方競馬を賑わしたタガワ四兄弟(タガワエース、タガワキング、タガワテツオー、タガワリュウオー)は、トキツダイヤの孫です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1977102855/

フィフスペトルの母ライラックレーンは、Blushing K.D.(ケンタッキーオークス-米G1)や Electronic Unicorn(香港の名マイラー)の半妹でもあり、繁殖牝馬としてかなりの器かもしれないと考え、昨年のPOGではフィフスペトルの半弟ヴァルガリスを指名したのですが、いまだに仕上がらずデビューに至っていません。その全妹にあたる今年の2歳馬は早々と故障してしまいました。こういう配合なので体質的な弱さを伝えるのかもしれません(しかも2頭の父はアグネスタキオンです)。

東風Sを快勝したフィフスペトルは、次走、中2週でダービー卿チャレンジトロフィー(G3)か、中4週でマイラーズC(G2)に挑むはずです。そこからぜひ安田記念(G1)に駒を進めてほしいものです。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/427673/23599424

フィフスペトル復活を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!