ザッツザプレンティ乗馬に
03年の菊花賞馬ザッツザプレンティが種牡馬引退となり、乗馬となることが決定したそうです。
菊花賞のレースぶりは素晴らしいものでした。この馬のスタミナを信頼した安藤勝己騎手は、2周目の3コーナーで自ら動いて早めに先頭に立ち、後続になし崩しに脚を使わせてそのまま押し切りました。瞬発力勝負となることを封じるために、スタミナにものをいわせて自らレースを作っていくという、ステイヤーの乗り方としては完璧なものだったと思います。それに応えたザッツザプレンティも見事でした。
http://www.youtube.com/watch?v=KCZE87fe7Zw
配合の構成はバブルガムフェロー(天皇賞・秋、朝日杯3歳S)とよく似ています。ただ、バブルガムフェローもザッツザプレンティも、種牡馬としてはスピードが足りません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2000101398/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1993109219/
┌ サンデーサイレンス
┌○┘
ザッツザプレンティ ―┤
└○┐
└ バブルカンパニー
┌ サンデーサイレンス
バブルガムフェロー ―┤
└ バブルカンパニー
たとえステイヤーであっても、産駒が走れば重宝されます。スピード血統ばかりが重用される感のあるアメリカでは、そのイメージとは裏腹に、世界各地からさまざまなスタミナ血統が導入され、Princequillo、Ribot、Herbager などが成功を収めました。スタミナを伝えるこれらの種牡馬は、アメリカのスピード血脈とうまく結びついて多くの一流馬を送り出しました。優秀であれば距離適性がどうであろうと成功し、生産者はその血を求めます。スタミナ血統として貴重だから、という理由で冴えない種牡馬に繁殖牝馬が集まることはまずありません。競争原理と市場原理が貫く生産界では当然のことです。
ザッツザプレンティはこれまで2世代がデビューし、JRAで勝ち上がったのが2頭だけで、2勝馬はゼロ。この成績では……。同じくダンスインザダークを父に持つ菊花賞馬デルタブルースは、古馬になってからオーストラリアに遠征してメルボルンC(G1)を制したのですが、結局、種牡馬にすらなれませんでした。それに比べればまだ恵まれているのかもしれません。今後はノーザンホースパークで乗馬となるようです。
ザッツについては初東上した弥生賞で、負けましたが今年のクラシックはこの馬!と思わせるものがありました。
JCの2着もありましたし、期待に応えてくれましたね。
種牡馬としてはMiswakiの血もあって、欧州で試すことが出来ればどうだったか。若いので引退はもったいない気がします。
いずれにしてもサンデーの3代目が日本競馬の将来の課題となるのでしょう。
投稿: うまポーロ | 2011年1月21日 (金) 01:44
この馬はけっこう好きだったので、春は追いかけて痛い目に遭いましたが、秋には取り返してくれました。思い出深い馬ですね~。広いコース向きでジワジワ来るタイプだったのでヨーロッパで走ったらおもしろかったかもしれません。向こうに行って実績を挙げていれば種牡馬オファーもあったかも……? サンデーの孫種牡馬は、社台ではありませんがディープスカイになんとか頑張ってもらいたいところです。
投稿: 栗山求 | 2011年1月21日 (金) 02:11
ステイヤー血統の馬が消えて行くのは寂しいですね。
投稿: キングトップラン | 2011年1月21日 (金) 13:12
自分はダンシングキイの血統が好きだったので、SSのサイヤーラインを伸ばしてくれるのはダンス産駒の後継種牡馬なんだろうと期待してました。
だからザッツについては先に種牡馬引退したツルマルボーイの分も頑張って欲しかったので、種牡馬引退は本当に残念です。
ダンスインザダークも今年で18歳になります。時間の経過は本当に速いなぁと、しみじみ感じました。
投稿: TACO | 2011年1月21日 (金) 23:22
>キングトップラン様
有用なステイヤー血統なら残ると思います。ただ、現代ではそうならないケースが多いということでしょうね。
投稿: 栗山求 | 2011年1月22日 (土) 02:14
>TACO 様
ダンスインザダークは吉田照哉さんも相当力が入っていましたし、私も期待していました。ダノンヨーヨーのようなスピードタイプに希望を繋ぎたいところです。種牡馬入りしてほしい馬ですね。
ダンスインザダークやフジキセキといったサンデーの初期の産駒は、すでに父親が死んだ年齢を超えました。馬も年を取りますが、血統絵巻を眺めている自分もどんどん年を取るなぁと……。年を取るほど時間の流れが加速している感がありますね。このところの春夏秋冬を通り過ぎる体感速度が驚異的です(笑)。
投稿: 栗山求 | 2011年1月22日 (土) 02:35