「血統SQUARE」を復刻掲載
『栗山求 Official Website』(http://www.miesque.com/)の「Works」が長らく準備中だったのですが、ようやく公開の運びとなりました。
同サイトの「Profile」にあるとおり、1989年に競馬通信社の門を叩き、翌90年秋から同社発行の『週刊競馬通信』誌上に「血統SQUARE」を書き始めました。古今東西の血統を俎上にのせたコラムの連載は計257回。97年に退社するまで続けました。そのうちのいくつかを、これから順次「Works」に復刻掲載していきたいと思います。「血統SQUARE」では、その当時のアップデイトな話題も採り上げていますが、さすがに十数年が経過すると色褪せた感が否めませんので、いま読んでも違和感が小さい歴史物が中心になると思います。
第1弾は、「黎明期の血統」と「ドイツ・ダービー馬の父系」です。前者はテキストデータの一部を紛失してしまったため、当時の誌面をコピーし、そのまま掲載しました。印字が薄く読みづらい箇所もありますが、何卒ご容赦ください。後者は読みやすいようにあらためて編集し直しました。
「黎明期の血統」(1992年2月~5月)で紹介した18~19世紀の血統は、われわれが目にしている現代の血統とはまったく異なるものです。だから研究しても意味がない、とは思いません。時代が異なるがゆえに、配合というものの構造的エッセンスをかえってとらえやすい、という利点があります。全きょうだいクロスや、4分の3同血クロスや、影響力の強い牝馬のクロスや、ニックスや、強い凝縮を入れてそれを強化する、といった配合手法は現代とそう変わらないことが実感できます。
「ドイツ・ダービー馬の父系」(1993年8月~10月)は、このところ存在感を増しているドイツ血統について解説したものです。なぜ現代においてドイツ血統が有効なのかといえば、そこに主流血統とはまったく異なる血の凝縮があるからです。連載の冒頭と末尾に登場する Lando は、その2年後にジャパンCを勝ちました。現在、ドイツ最高の種牡馬として国際的な名声を獲得している Monsun については、当時まだ種牡馬入りしていなかったため触れていません。
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