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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年9月 8日 (木)

210万円の掘り出し物キリシマトリオ

■日曜小倉5Rの新馬戦(芝1800m)は、◎キリシマトリオ(3番人気)が逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=e1gvmXAMHeY

予想は◎〇△で馬単2400円、3連単19080円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎キリシマトリオは『ウインラディウス×ブライアンズタイム』という組み合わせ。一見地味に思える血統だが、マルゼンスキー≒クイルメーカー3×3という派手な仕掛けがある。稽古では動いているので、この大胆なクロスが吉と出ている可能性がある。ブライアンズタイム、ロイヤルスキーといった血が入り、ローカルの芝1800m戦は合っているだろう。」

予想文に書いた「マルゼンスキー≒クイルメーカー3×3」とは以下のとおり。

          ┌ Northern Dancer(=ノーザンネイティヴ)
        ┌〇┘
マルゼンスキー ┤
        └ シル

        ┌ ノーザンネイティヴ(=Northern Dancer)
クイルメーカー ┤
        └ シル

土曜日の札幌新馬戦を勝ったジャーエスペランサは凄い配合でしたが、こちらもなかなか凝っています。父ウインラディウスは京王杯スプリングC(G2・芝1400m)をレコード勝するなど3つの重賞を制したサンデー系の活躍馬。ただし、トップクラスとは大きな差がありました。現2歳馬が3年目の産駒です。

統計を取ったわけではない単なる経験則なのですが、メジャーとはいえない種牡馬は、このような大胆な配合で自身の持つ名血を積極的に強化したほうが成功するような気がします。

キリシマトリオは上記のクロスに加えてブライアンズタイムを母の父に持ち、力のいる馬場には向いていました。昨年のHBAサマーセールでわずか210万円で落札された馬です。

■日曜札幌5Rの新馬戦(芝1800m)は、△アドマイヤトライ(2番人気)が好位からしぶとく伸びて差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=dy3mRELbQeA

母アドマイヤグルーヴ、祖母エアグルーヴ、曾祖母ダイナカール、というラインは、我が国でもっとも有名な牝系のひとつでしょう。半姉にアドマイヤテンバ(3勝)、アドマイヤセプター(札幌2歳S-3着、フェアリーS-3着)がいます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106062/

現2歳世代のシンボリクリスエス産駒は、「母の父サンデーサイレンス」が83頭もいます。シンボリクリスエス、キングカメハメハ、クロフネ、タニノギムレット、ジャングルポケットといった非サンデー系種牡馬は、サンデーの良血牝馬をいかに集められるかが勝負といっても過言ではありません。

この世代は、トップクラスのサンデー牝馬が軒並みシンボリクリスエスのもとに集まりました。本馬の母アドマイヤグルーヴ以外にも、トゥザヴィクトリー、ローズバド、ダンスインザムード、ダンスパートナー、ダイヤモンドビコー、フサイチパンドラ、マイケイティーズ、クルーピアスターなどなど。

当ブログで何度か記したように、「シンボリクリスエス×サンデーサイレンス」は、期待の大きさに比べると成績はもうひとつです。これだけ大量のサンプルがあるにもかかわらず、中央の平地重賞を勝ったのはサクセスブロッケンのみ。しかもこの馬はダートホースです。芝では平地重賞の勝ち馬がいないどころかOP特別を勝った馬すらいません。

したがって、芝のレースではなるべく本命を打たないようにしているのですが、この馬はキッチリ勝ち上がりました。名牝アドマイヤグルーヴの息子、という点が最大の勝因です。そして、雨で馬場が渋り、決め手いらずのレースとなったこともよかったのではないかと思います。シンボリクリスエス産駒は総じて芝向きの瞬発力に弱点を抱えているので、洋芝の湿った馬場は合っていたのでしょう。

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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210万円の掘り出し物キリシマトリオを参照しているブログ:

コメント

プニプニヨークン、A1昇級戦は2着でした。
(^o^)//"""""""
昨年の兵庫ダービー馬・ハイパーフォルテが捲り差しで直線伸びるところ、ゴール前まで粘りに粘った大健闘でした。

東国原知事が園田トークショーでイチオシしたやら、ユニークな馬名で、一部方面で人気急上昇らしいですが、園田で応援し始めたのは私が最初との自負があります(なんの自負やねん…)。
スタミナ満点なので、メンバーが空き巣なら名古屋大賞典あたり…さすがにまだキャリア不足か。

しかし正直、ここまで出世するとは……自分のことのようにうれしいです。

ダンディ“ゲッツ”さっさん様が定期リポートしてくださった馬ですから、当ブログでもすっかりお馴染みです。

一線級相手に互角に戦えるようになって地力強化が目覚ましいですね。ここまで出世するとは……という感想は、数ヵ月前のプニプニヨークンを知る者なら誰もが抱くものではないでしょうか。

栗山先生、こんにちわ(^_^)

先週末、私の住む地域は…台風が酷くて
取引先にも多大な影響が出て、バタバタしてしまい…
楽しみな先生のブログもチェックできませんでした。

さて、キリシマトリオについてですが…
これは、ビックリな血統構成ですね(笑)


ノーザンネイティヴ = ノーザンダンサー
マルゼンスキー ≒ クイルメーカー


この素晴らしさは、血統を深く掘り起こして見る人にしか
伝わらないでしょうが、

渋すぎる!

という言葉しか出てきません(笑)


キリシマトリオのような配合の馬には、零細牧場ならではの
配合という感じがしますので、中々お目にかかれないと思いますが…


こう言った渋い配合の馬に出資したいものです。

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