ニエル賞、フォワ賞展望(前)
レースは9月12日(日)ですから明後日です。8日の追い切りは雨の中で行われました。関係者のコメントを読むかぎり、ヴィクトワールピサもナカヤマフェスタも順調のようですね。
9日は晴れときどき雨で、10、11日は晴れの予報(両日とも降水確率5%)。レース当日は雨のち曇りの予報(降水確率95%)ですから、馬場状態は日本でいうところの稍重ぐらいではないかと思います。両馬とも良馬場以外はダメというタイプではなく、おそらく対応できるでしょう。
ヴィクトワールピサが出走するニエル賞(G2・芝2400m)は、パリ大賞典の1、2着馬 Behkabad と Planteur のラインに、ヴィクトワールピサが対抗できるかどうか、というところですね。
7月14日のパリ大賞典(G1・芝2400m)は、今回と同じコースで行われ、この2頭が後続を5馬身ちぎりました。3着 Jan Vermeer は、6月27日の愛ダービー(G1・芝12f)で Cape Blanco(先日の愛チャンピオンSを5馬身半差で圧勝)から2馬身差の3着ですから弱い馬ではありません。
http://www.youtube.com/watch?v=IMq9eEl911Q
現在、凱旋門賞のアンティポストでは、Bahkabad が2番人気(5~7倍)、Planteur が3~5番人気(8~11倍)。個人的には古馬の Fame and Glory(現在1番人気)よりも伸び盛りの3歳勢のほうが怖いと思います。もし仮にヴィクトワールピサがここを勝つようなら凱旋門賞の最有力候補に昇格します。負けたとしても悲観する必要はありません。大きく離されなければ十分だと思います。
Behkabad は文句なしの名配合です。バランス、風格、血脈構成、すべてにおいて申し分ありません。アガ・カーン四世殿下の配合には感動があります。財力と配合哲学を併せ持つオーナーブリーダーにのみ許される“名血を育むための歴史的視点”が感じられるからです。父は Sea the Stars を送り出した Cape Cross。牝系は3代連続でパターンレースを勝っており、2代母 Behera は凱旋門賞で2着となりました。ここを勝てば凱旋門賞は1番人気でしょう。すでにいくつかのブックメーカーは1番人気に推し始めています。
http://www.pedigreequery.com/behkabad
Planteur は、母の兄弟に02年のニエル賞勝ち馬 Pushkin、ジャパンC4着の Policy Maker がいます。仏ダービー(2着)でもパリ大賞典(2着)でも、直線でムチが入るとヨレるところが見られました。気性的な成長によりこのあたりが解消すれば楽しみですね。配合的に決め手が甘そうなところも見受けられます。馬場が渋ったほうがいいタイプかもしれません。
http://www.pedigreequery.com/planteur
Shamalgan はフランス産のチェコ調教馬で、仏2000ギニー(G1)3着、ユジェーヌアダム賞(G2)2着という成績。ユジェーヌアダム賞を勝った Shimraan はドーヴィル大賞典(G2)4着ですから、ここではやや荷が重い感じです。
http://www.pedigreequery.com/shamalgan
ニエル賞とフォワ賞を比べると、今年はニエル賞のほうがメンバーが揃っています。フォワ賞に出走していれば断然人気を背負うはずだった Fame and Glory は回避してしまいました。ニエル賞には本番の凱旋門賞で有力と目されている Behkabad と Planteur が出てくるわけですから、ヴィクトワールピサにとってハードルは決して低くありません。ただ、私は好勝負に持ち込めると思っています。
フォワ賞については明日。
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