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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年5月 1日 (土)

青葉賞はペルーサ

かつて七冠を制したシンボリルドルフは、まるで人間の頭脳を持っているかのようなレースぶりが印象的でした。ペルーサの走りを見ていると、なぜかその姿がオーバーラップします。知的かつスマート。欠点らしい欠点が見当たりません。青葉賞は絵に描いたような完勝でした。予想は◎△で的中。『web競馬王』の予想を転載します。

「◎ペルーサは『ゼンノロブロイ×キャンディストライプス』という組み合わせで、母アルゼンチンスターはその名のとおりアルゼンチンからの輸入馬。その全姉にアルゼンチンのチャンピオン牝馬でアメリカでもG1を制したディフェレントがいる良血。父ゼンノロブロイはアメリカ血統過多といった特徴が見られるので、ヨーロッパ血統の強い繁殖牝馬と相性がよく、それがハイペリオンをベースとしているならなおいい。本馬はこのパターン。重賞初挑戦だが素質はG1級。ここは負ける要素が見当たらない。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102705/

青葉賞がグレードレースに昇格した94年以降、2分26秒0を切る時計で勝った馬はハイアーゲーム、アドマイヤメインの2頭。これらはダービーで3、2着という成績です。

また、2馬身以上の差をつけて勝った馬はシンボリクリスエス、ハイアーゲーム、アドマイヤメインの3頭。これらはダービーで2、3、2着です。

2分24秒3で駆け抜け、なおかつ後続に4馬身差をつけたペルーサは、ダービーで馬券に絡むことはほぼ間違いなさそうです。

ただ、勝ち時計が速いといっても、馬場状態がきわめて良かったことを考慮に入れる必要があります。青葉賞歴代1位の時計で勝ったのは04年のハイアーゲーム。2分24秒1でした。当時と今年の馬場を、他のレースの勝ち時計を含めて比べてみましょう。

                  04年     10年
未勝利戦(芝1400m)    1分23秒0  1分23秒0
八重桜賞(芝1600m)    1分34秒2  1分33秒4
500万下(芝1800m)     ――    1分46秒5
1000万特別(芝1800m) 1分46秒5    ――
1000万下平場( 〃 )   1分46秒3    ――
青葉賞(芝2400m)     2分24秒1  2分24秒3
〔勝ち馬の上がり3ハロン〕     33秒7    33秒8

馬のレベルやペースは考慮に入れていないので、本当にザックリとした比較なのですが、6年前と今年はほとんど差がありません。八重桜賞と芝1800m戦の条件別タイムを見ると、今年のほうが若干速いかな、という気もします。

04年のハイアーゲームは、1コーナーで挟まれて立ち上がる不利がありました。それをはね除けての勝利だったので、内容的にはペルーサに劣らないと思います。本番のダービーでは、1番人気のキングカメハメハ相手に果敢に勝ちに行く競馬をし、最後は垂れて3着に敗れましたが、勝負どころで無理をしなければ2着はあったでしょう。

過去、青葉賞からダービー馬が出ていないのは、馬のレベルは別として、勝ち馬がそれまでぬるい競馬しか経験していないからです。青葉賞とダービーは、同距離、同コースであってもレースの激しさがまったく違います。のちに年度代表馬となるような名馬(シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ)でも、だからダービーでは勝てませんでした。経験不足を素質で補うことはできなかったのです。

今年のペルーサはどうでしょうか。ヴィクトワールピサの軍門に下るのか、あるいは軽やかに頂点に駆け上るのか――。これほど心が躍るダービーも久しぶりです。

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