「常勝馬券師の勝ちに行く競馬」の序章はこんな感じです
いよいよ「常勝馬券師の勝ちに行く競馬 正しい予想手順が馬券収支を一変させる!」が金曜日に発売されますが、今日は発売に先駆けて「序章」の原稿を公開したいと思います。
◇◇◇◇◇◇◇序章 競馬で勝ちたいあなたへ◇◇◇◇◇◇◇
書店に行くと、競馬の必勝法を書いた本が溢れています。おそらく本書の周りにもド派手なタイトルのついた本が並んでいるのではないでしょうか。
どうすれば馬券で儲けることができるか?
これは競馬ファンの命題です。負けている人は勝てるようになりたい。勝っている人はさらに儲けられるようになりたい。あなたもこのように考えて、本書を手に取ったのだと思います。
しかし、僕は思うのです。
たぶん、あなたは予想が上手い。
お世辞をいって本を買ってもらおうという魂胆ではありません。
僕がはじめて馬券を買ったのは2004年の天皇賞・秋でした。競馬キャリアはわずか8年しかない。競馬ファンの平均年齢は40代半ばなので、読者の大半は僕よりも長い競馬キャリアを持っていると思います。
僕はウマニティという競馬SNSで予想を発表しているプロの予想家です。このサイトではプロの予想だけでなく、一般ファンの予想も見ることができます。自分の予想のアップが終わった後、僕は一般ファンの予想を見ることがあるのですが、鋭い予想を出している方がたくさんいます。
馬券に限らず、すべての頭脳ゲームは、経験と能力が比例するもの。競馬キャリアの長いあなたは、僕よりも高い潜在的な予想力を持っているはずなのです。
しかし、現実的には、キャリアと馬券成績は比例しません。
30年以上にわたって馬券を買っているのに一度も年間プラスになったことがないファンがいる。それに対して、僕は競馬をはじめた翌年には年間プラスを達成しましたし、それ以降もプラス収支を継続しています。
僕が勝っているという話を聞いて「特別な必勝法を持っている」と考える方がいるかもしれません。しかし、僕の予想法はいたってオーソドックス。一般的な競馬ファンと同じように、競走馬の能力を考え、適性を考え、状態を考えて、勝負できるレースにお金を賭けているだけです。
では、予想力の高いあなたが馬券で負けて、キャリアの浅い僕が馬券で勝つことができているのはなぜか? 考えられる理由はひとつです。それは、
あなたの予想の手順が間違っているから。
能力と手順は別物です。
図面を引く能力、基礎を打つ力があり、建築材を選ぶ目も、建築工法も優れており、左官の技術まで持っている大工がいたとします。
しかし、この大工は図面を引かずに基礎を打ったり、柱が立つ前に左官の準備をするような手順を無視した仕事をしている。人手が必要なときに人を雇わず、人手がいらないときにたくさんの人足を呼んでくる。このデタラメな手順が偶然ハマることもあるでしょうが、おそらく能力が少し劣っていても、正しい手順を踏む大工の方が安定して良い家を建てるはずです。
僕はキャリアこそ浅いですが、効率良く馬券を買う手順を知っている。だから結果に差がついたのでしょう。
数年前に「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本が大ヒットしました。それにあわせて本家本元のドラッカーの「マネジメント」も爆発的に売れました。
なぜ30年以上も前に出されたドラッカーの本が、ふたたびフィーチャーされたのか。意見は様々でしょうが、マネジメントの手順について明確に書かれていたところがウケたと考えます。ドラッカーに限らず、マネジメント理論はすでに一般社会に普及している。しかし、忙しい業務の中でゴチャゴチャになっていた仕事が、この本を読めばスッキリとした手順に整理される。ここが支持された一因のように思うのです。
大切なことなのでもう一度いいます。
あなたの予想力は高い。
しかし、手順が間違っているから、馬券で儲けられない。
僕は昔から博才がありません。競馬について特別な勉強もしていない。それでも競馬をはじめてすぐに勝てるようになった。つまり、競馬に勝つための予想力というのは、すぐに身につけられるものなのです。たとえキャリアが浅い方でも、勝てるようになるので心配しないでください。
いま、あなたがやるべきことは、新しい必勝法を学ぶことではありません。あなたの予想力があれば、かならず競馬で勝つことができる。大切なのは予想の手順を知ることなのです。
これから、僕の予想の手順を紹介していきます。「正しい手順」とまではいいませんが、僕はこれで勝ち続けてきました。おそらく本書を読めば、これまでは発揮されなかったあなたの潜在的予想力が、一気に開花することでしょう。