片野治雄のファミリーテーブル考察
<ファルコンSを別角度から楽しむ>
春の3歳G1の中では最も馬券的妙味のあるNHKマイルC。その理由としてはトライアルの結果と本番が直結しないところにあります。NZTは中山の連続開催7日目、つまり芝が荒れた外回りのマイル戦という競走馬にとってはかなりハードなレース設定で施行されるため、馬力比べの持久力勝負となりやすく「スタミナ型」に有利という結果が出ています。反面、本番のマイルCは春の東京連続開催の中でも芝のコンディションが絶好な前半4日目に行われるので、素軽さと器用さが問われるせいかNo.2を中心に「スピード型」が好成績を収めています。
そういう意味でNHKマイルCにリンクした前哨戦としてはファルコンSが思い浮かびます。1,200mとはいえ直線が短く平坦なコースだけにロングスパートが必要ですし、左回りの巧拙も計る事ができるからです。ただ一つ注意したいのがファルコンSは基本的に先行有利で、サクラバクシンオー産駒の得意なテリトリー。その逆風を耐え抜き豪快な差し切りを決めるようなタイプが狙い目なのです。過去、競馬王本誌にてダノンゴーゴー[2-u]やジョーカプチーノ[2-f]を高評価していたのもそんな理由からでした(その後NZTで持久力勝負を経験したのもプラスに働きましたが)。
今年は小倉の代替開催でもありましたし、年末から中京競馬のターフはかなり使い込まれ例年の馬場とは違うかもしれませんが、単なる短距離重賞ではなくマイルCのTRレースとして注目してみるのも面白いかもしれません。