若手騎手の成長は令和の34億円事件?
最近は岩田未望騎手、団野大成騎手、横山武史騎手など若手騎手の台頭が目立っています。特に横山武騎手は共同通信杯、弥生賞をともに有力馬を破って制覇するなどの活躍を見せています。この台頭の影には知られざる34億円事件が起きていたのです。
2020年は世界的に新型コロナウイルス感染症の蔓延によって国を超えての渡航は制限されることになりました。日本でも海外遠征を行った騎手は2週間の隔離生活を強いられています。これは短期免許の外国人騎手にも適用されるため、ダミアンレーン騎手は短期免許取得2週間前に来日することを強いられています。その影響で短期免許を取得した騎手は2019年の10人から6人に減少しました。特に8月以降は取得者はなく、騎手の国際競争といわれた2019年のジャパンカップの頃と比べると異常事態にになったともいえます。そこで失われたのは140勝、騎乗機会にすると986回にも上ります。賞金にすると34億円にも上ります。この消えた騎乗機会はどこへいったのか。それが若手騎手に回ってきたといえるのではないでしょうか。
特に前述した3人の騎手はそれぞれ騎乗機会が増えました。岩田未望騎手は2019年520回→2020年792回に団野騎手は同432回→831回、横山武史騎手も騎乗回数は1鞍増でしたが騎乗馬の単勝平均オッズが44.2→22.4倍にまで上昇し馬質の向上が見えてます。それが前述の重賞制覇にもつながっているともいえます。岩田未騎手も重賞勝利こそありませんが、同期の中で一番早く重賞に騎乗するなど馬質に恵まれていることがわかります。しかし、ただ騎乗数が増えているだけではありません。騎乗数が増える=実力がつくということもできます。記憶に新しい2021年の日経新春杯では7番人気のショウリュウイクゾで重賞初制覇、横山武騎手は芝ダートともに単勝回収率100%を超えるなどの成長しています。前述の3人以外にもリーディング4位に浮上した松山騎手も平均オッズが6.0から5.1に馬質が向上し、デアリングタクトとの出会いもあった。これも例年ならば外国人に乗り替わりということもあったかもしれない。これも馬質が向上し、より信頼を得たからともいえるだろう。
若手騎手の成長には消えた34億円、986回の騎乗機会が若手に回ったことが要因でした。コロナウイルスは移動制限などもあり悪いところばかりがクローズアップされがちではありますが、ここ数年鈍化が指摘されていた若手の成長という部分にピックアップすればかなりメリットがあったといえます。これからアフターコロナは社会も正念場になりそうですが、競馬の世界でも再び来日するであろう短期免許騎手が来た時に今輝いている若手騎手がその信頼と騎乗数を守り抜くことができるでしょうか。これからの競馬の楽しみ方として騎手の乗り方を見てみるのも楽しいポイントのひとつになります。もちろんそれ以外にも横山和騎手も成長著しいため、有力馬が若手に乗り替わってもそこまで心配することはないのかもしれません。
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ヒデ