【秋華賞オマケの消去法】
「シアワセ~って、なんだ~っけ♪ なんだ~っけ♪」
爽秋、キンモクセイが香る心地よい季節。馬券を外しまくっても依然ノ~天気なアフター競馬評論家の鬼野谷が気分ぶちこわしであらわれた。「なんでも、日本は34カ国中19位なんだって、オイシーデの国別幸福度調査によると」
「?……、OECDじゃないのか」
「そうそう、それ。でも、なんだか中途半端な順位っすよね。シアワセでもない、フシアワセでもないって感じっす」
「馬券が外れっぱなしの評論家としてはどうなの」
「いやー、もう競馬ができるだけでシアワセっすよ。でも、先週、ルドルフが死んだってのは、ちょっぴりフシアワセな気分っすけどね」
先週10月4日、名馬シンボリルドルフが繋養先のシンボリ牧場で老衰のため死亡した。30歳だった。
「ルドルフの思い出って何かある?」
「そうっすね、やっぱスキーっすかね。真っ白な100円…滅多に見られないっすよ
「???」
鬼野谷が言うスキーとは、どうやら単勝100円のスキーキャプテンのことらしい。
重賞での単勝100円戻し。
そうそうあるものではない。競馬バブル時の人気者オグリキャップは中央入りしてただの一度も単勝1.0倍を付けたことがないし、あの怪物ディープインパクトだって、重賞10勝中、100円戻しは菊花賞の一回だけで、名馬シンボリルドルフも、重賞10勝中、日経賞の一回だけだった。
H7年のきさらぎ賞。
ケンタッキーダービー出走のステップ戦としてスキーキャプテンが選んだこのレースで2馬身差快勝をはたしたときの単勝が100円返しだったのだが、その記録が、S60年の日経賞シンボリルドルフ以来、なんとサラブレッドとしては10年ぶりの重賞100円戻しとなったのだ。
100円を中にしての思い出つながりというわけだ。
「でも、その年は阪神大震災の直後でね、100円馬券は募金箱に寄付したっすよ。これからもみんながシアワセにケイバができますようにってね」
「信じられない。宗旨を変えてたのか」
「そんで、今週の秋華賞はね、思い出ケイバで芦毛狙いっすよ」
「一頭しかいないぞ」
「そんなの蛍のケツ、剃刀のフンドシ、知り切ってますよ。ホエールキャプチャっす」
「秋華賞、過去15回で、芦毛・白毛馬は[1-0-1-16]、第1回のファビラスラフインしか勝っていないけど…
グレード制開始のS59年以降、前走G2ローズSの勝ち馬は、秋華賞の前身3歳限定のH7年までの旧エリザベス女王杯も含み[7-6-1-12]の成績。このうち、
(a)ローズSの前走で、重賞戦使用して③着内好走のない馬や、非重賞戦使用馬でOP戦1馬身差以上・条件戦3馬身差以上勝ちのなかった馬は×
(b)ローズSで体重増加が10㎏以上あった馬や、ローズSの体重が前々走比20㎏以上も増加していた馬は、成長分を考慮しても×
(c)通算成績の連対率が6割未満の馬は×
(d)キャリア5戦以上消化馬で、暑い夏場7~8月に2戦以上していた馬は疲労懸念で×
以上の4項目をクリアしていた馬は[7-0-0-0]。
ホエールキャプチャは、前々走G1オークス③着・前走体重増加6㎏・通算成績連対.778・
夏場休養と条件ばっちりクリアだ。
「今回はさすがに100円返しとはいかないけど、的中したら東北大震災の募金に充てようと思ってんすよ。福島競馬再開を願ってね」
「殊勝な心構え…」
「でね、相手の穴にリヴァーレがニオうんすよ」
「3勝馬で、前2走のローテ1000万クラス戦①着→重賞0秒8以上完敗から、H4年タケノベルベットが17番人気①着・H10年ナリタルナパークが14番人気②着と大穴をあけているけど、なにがニオうんだい」
「父がキングヘイロー、母の父がキンググローリアス。キン付きっす。爽秋って言ってたすよね」
「そうだけど…」
「だからさ、キンもクセ~」
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