片野治雄のファミリーテーブル予想
<夏の2歳ステークス・展望>
いよいよ今週で夏競馬も終了し、週末には小倉と新潟で2歳重賞が行われます。
ここ数年、波乱傾向にある両ステークスですが、その大きな理由は最重要ステップである
「フェニックス賞」と「ダリア賞」が結果に結び付かない事にありそうです。
小倉の場合、フェニックス賞は「スピード優位の馬場」に加え有力馬の出走が少ないため、
本番での馬場悪化による「スタミナ比べ」と有力馬が顔を揃えての凌ぎ合う「厳しい展開」
のために着順が入れ替わるのだと推測できます。
一方のダリア賞はコース・距離とも違うのに、ダリア賞好走馬が前哨戦と同じような
競馬をするケースが多いため、「直線失速」という結果につながっているようです。
ちなみに前哨戦のOP戦を快勝し、本番も勝ったのはここ5年ではデグラーティア[4-
k]とエフティマイア[4-k]のみ。同牝系で、ともにフジキセキ産駒という共通点が
あり、この2頭は単に「夏の2歳S向きの配合馬」だったとも結論づけられるのです。
つまり、今年の前哨戦勝ち馬は上記2頭とは全くタイプが違うので、人気を被るようなら
軽視したいと思います。
◇まずは小倉2歳S。異例の高速馬場だった2006年を除けば基本的にはスタミナ型優位。
分枝記号的にもcやhなどの重厚なタイプの好走が目につきますが、勝ち馬はfやkなど
米国的で前向きな気性を持つ馬ばかり。と、いう事は1着には「スピードに優れた馬」が
入り、2・3着には「スタミナに勝る馬」がなだれ込むという形を基本と考えたいと思い
ます。
それらを踏まえての結論は、
◎ スギノエンデバー [9-f]
○テイエムターゲット [19]
▲ バラードソング [1-s]
☆ モアグレイス [14-c]
△ ブラウンワイルド [19-a]
△シゲルキョクチョウ[13-c]
と、しました。ちなみにc記号馬は5年連続で3着に入っている堅実派ですが、
連対実績がないので評価としては☆以下で。
◇続いて新潟2歳Sを。小倉とは少々事情が違って「2歳王者」を父に持つ競走馬が3年
連続で勝ち馬を輩出しています。また、その前の2年も「3歳春で引退したG1馬」と
いう比較的早熟なタイプを父に持っている事から「現時点での完成度の高さ」を重要視
していこうと思います。
そんなわけで新潟2歳の最終見解としては、
◎ ヴァナディース [9-f]
○ ホーマンフリップ [19]
▲ レッドセインツ [6-a]
☆ マイネルラクリマ [A4]
△ エーシンブラン [3-f]
△サイレントソニック[1-g]
という形に決めました。◎○には日欧の2歳王者を持つタイプを。ディープ産駒の
レッドはシーズンオフの競馬に強い6号族ですが、同系の活躍馬たち(ツルマル
ボーイ・ハーツクライetc)を見ても現時点での完成度は高くないと判断して▲まで
としました。