片野治雄のファミリーテーブル考察
<桜花賞展望・キンカメ産駒の取り捨てと大阪杯回想>
今年の桜花賞を攻略する上で、まずはキンカメ産駒について考えたいと思います。
今年の阪神芝はキンカメ産駒が驚くほど好成績を挙げており、外回りで施行される1600m・1800mでもその傾向は顕著でした(チューリップ賞の上位独占、アーリントンCのコスモセンサーなど)。
しかし開催前半に活躍したキンカメ産駒は母父にトニービンなどの欧州型を中心に非SS系ばかりだったのに対し、後半はミッキードリームやトゥザグローリーなど母父にSSを持つタイプが目立ち始めました。さらに言えば2回阪神開催となったここ2週、未勝利戦を除く1600m・1800mは全てSS系種牡馬の産駒か母父SSの競走馬しか勝っていません(毎日杯は3着以内馬全て)。ポイントは母父がSS“系”ではなくSS自身という所で、開催前半より瞬発力の要素が強く問われている事の証明ではないでしょうか。
今年、桜花賞に出走を予定しているキンカメ産駒は母父SSの競走馬はゼロ。トータルして考えれば昨年の2歳女王アパパネを含め[キンカメ産駒にとっては厳しい桜花賞]と結論づけたいと思います。
次に先週の大阪杯について思ったのは、08年と酷似しているという事です。08年の勝ち馬はアグネスタキオン産駒のダイワスカーレット。一方、今年2着に入線したのがフジキセキ産駒のゴールデンダリアで、ともに「早熟なスピード型SS系種牡馬」の産駒で母父にノーザンテーストを持っています。さらに連対した相手が「SSの血を持たないノーザンダンサー系の競走馬」で、「外差しの届かない馬場」という事でも共通しています。
今週の競馬を見て、ファンや関係者の口からは「今年の桜花賞は昨年と違って外に回したら届かないだろう」という意見が多く聞こえます。しかし前述のように馬場状態が08年と酷似していると仮定すれば、重厚な底力よりも素軽さと完成度の早さが求められる桜花賞となる可能性も高いだけに、SSの血に加え、Deputy Minister系・Mr.Prospector系の血にも注目です。