片野治雄のファミリーテーブル考察
<フェブラリーS・芝馬5頭の個人的評価2>
前回、長くなってしまい中断してしまったので続きを。
○スーパーホーネット[8-f]
マイルG1で2着3回と、芝のマイル戦線でトップを張っている同馬。同系には昨年の2着馬カジノドライブ[8-f]や同時期のヒヤシンスSを圧勝したフラムドパシオン[8-f]などがおり、牝系的には問題ないのですが今回の挑戦は難しいと思います。と、いうのも、この系統が芝戦線でトップを張る場合(特に牡馬)、京都外回りなどのスパイラルカーブを利したロングスパート競馬が得意という共通点があります(トウカイポイントやフォゲッタブル、トーホウシデンなど)。つまりスーパーホーネット自身もこのカテゴリーに則した活躍をしているので、同系で芝戦線のトップクラスで活躍していたフサイチパンドラ[8-f]がキャリア後半からダートに参戦しながらも芝ほどの活躍はできなかったように、この系統にとって芝・ダートの両立は難しいのは歴然であり、ダート馬としての適性は低いと結論づけたいと思います。
○リーチザクラウン[23-b]
昨年のダービー2着馬にして、今回レース展開のカギを握っている同馬。しかしこの[23-b]という系統のG1級活躍馬のほとんどは<逃げ・追い込み>といった極端な脚質ばかりなのです。つまり、ハマれば強烈な決め手を発揮できるがリズムを崩せば惨敗もあり得るので、出走メンバーや展開に大きく左右されてしまうタイプと言えるのです。
今回は同型馬に大本命のエスポワールシチー[4-m]がいるので、展開は厳しいと言わざるを得ません。が、逆に言えば先行馬2頭での<行った行った競馬>もできるわけで、ダービーのように後続馬を封じるセイフティリードさえとれれば06年・3着のユートピア[23-b]以上の善戦が期待できるかもしれません。
○ザレマ[4-m]
G1実績こそないものの堅実に重賞戦線で活躍する同馬ですが、特に強調する点もありません。エスポワールシチー[4-m]とは同系ですが、配合イメージは全く逆でダート向きとも思えないのです。エスポワールの場合、父ゴールドアリュール[9-h]はスタミナ豊富な牝系の特性を活かしてダート戦線で活躍しましたし(この[9-h]は昨年、欧州競馬を制圧したシーザスターズと同系で、その母アーバンシーも凱旋門賞馬で兄ガリレオは英ダービー馬です。また、シンザン以来の3冠馬となったミスターシービーとも同じなのです)、母は言わずと知れた南関東の女傑ロジータの系譜で、同牝系のレギュラーメンバーやカネツフルーヴなどの活躍を見ても高いダート適性は納得です。
ザレマの場合、父ダンスや母父ザフォニックはともに芝のイメージで、やはり高い評価はできません。