週末に三度日本レコード更新。いまだかつてこんな週末があったのでしょうか。コースレコードではなく日本レコード。小倉競馬場の芝は異常なまでの高速馬場になっていました。その要因には意外なところにあったようです。さらにこれから狙える1200m血統も見えてきました。今日は考察という形で早すぎる小倉競馬場の芝を見ていきましょう。
<目次>
1.タイムが早い≠クッション値が高い
2.高速馬場一番の要因は「芝と雨」にあり!?
3.小倉1200m高配当の使者は夏の短距離を蹂躙する!?
4.野芝オンリーで長期開催。再び馬場は荒れるのか⁉
1.タイムが早い≠クッション値が高い
一般的にクッション値が上がればタイムも出ると考えられますが、そうではないようです。クッション値は土曜日が9.9、日曜日が9.8となっていましたが、これは前回開催の2/14・2/21にクッション値やや硬いの10を記録しましたが、馬場が痛んでいたためタイムは伸びていません。実際に2/21に行われた重賞レース小倉大賞典の勝ち時計は1:45.5(勝ち馬テリトーリアル)。これは土曜日の小倉3Rで行われた3歳未勝利戦ではエスコーラが出したレコードタイムより2.8秒遅れるものでした。
また、スプリント戦を見てみてもクラスの差はあれどクッション値がわずかながら低い日曜日のCBC賞で1:06.0というとんでもないレコードが出ました。それまでのレコードから2日で0.5秒縮めたことになります。
クッション値が低いにも関わらずタイムを出せているところを見てもわかるように、クッション値が高い=高速馬場というのは一概に言えないことがわかってきました。ではクッション値ではなくなにが高速馬場をもたらしているのでしょうか。それは芝と雨にありそうです。
2.高速馬場一番の要因は「芝と雨」にあり!?
今回、小倉競馬場の開催は野芝のみで行われています。小倉競馬場では数年に一度野芝のみでの開催がありますが、それが今年やってきました。野芝の生育状態が良くなる夏の開催のみ現れるパターンです(野芝の生育は25~35℃程度が最も良いそうです)。これにより1・2回開催とは異なり時計が早くなるのはよくわかります。
一方小倉競馬場の芝は多少の雨が時計を早くする可能性もあります。前回アグネスワールドがレコードを出した時も14時から雨が降り始め、3㎜程度降った午後3:45にレコードを出しています。今回の小倉も金土で5mmの雨が降ったことを考えると少し似た状況になったということもできるでしょう(気象データは福岡地方観測所のデータ)。
今回の高速馬場は野芝が一番きれいな開催初週というタイミングと適度の雨がもたらしたと言えるのでしょう。ここまでのここまで3回のレコード更新、特に1200mでは2回の日本レコード更新というアンタッチャブルな馬場。そんな1200mに高配当の使者が現れたようです。
3.小倉1200m高配当の使者は夏の短距離を蹂躙する!?
CBC賞馬単万馬券の使者、格上挑戦ながらレースに勝利したファストフォースは母父にサクラバクシンオーでした。レコード連発の高速馬場において、短距離で見逃せない血統がショウナンカンプをはじめとするサクラバクシンオーの血を持つ馬たちです。同じく日曜日の新馬戦ではサクラバクシンオーの孫でショウナンカンプ産駒、ショウナンマッハが圧倒的人気の中逃げ切って勝利するなど、小倉競馬場のサクラバクシンオー系が非常に優勢です。
サクラバクシンオー系が走りやすい傾向のひとつに「坂がない+直線が短い」というものがあり、小倉競馬場こそまさに最適条件。特にテンから飛ばしていけるサクラバクシンオー系は前が有利になる高速馬場ももってこいです。ここ数週間はサクラバクシンオー系からは目を離してはいけません。
4.野芝オンリーで長期開催。再び馬場は荒れるのか⁉
今年の夏の小倉開催は休止期間があるものの、9月までの7週開催となります。4週開催になった昨年や6週開催となった19年よりも長い開催ということになっているのです。今年の1~3月に行われた6週開催より長い開催になります。連続でないとは言えど痛みやすいと言われる野芝開催。開催後半は外差しが決まりやすい展開になることはある程度想定できそうです。
そうなってくると、米国系天国のような開催前半とはことなりそうです。かなりタフな馬場になればパワーが非常に重要になってくると言えるでしょう。そこで中距離で浮上しそうなのが「ハーツクライ産駒」。これは『血統ビーム黄金ガイド』で亀谷さんが述べている通り、スタミナが問われる場面では崩れないと評されるハーツクライ産駒、3人気以下であれば軸で買っていくのが良いでしょう。
馬場が荒れるであろう後半の開催は外差しが決まりやすいパワー馬場になることが想定されます。そこで短距離がサクラバクシンオー系やダート経験馬、中距離のハーツクライ産駒は注目です!
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レコード決着も決して馬場だけが要因ではありません。コースが得意、メンバー中上位など様々な要因があるはずです。馬場のおかげだけではないと思われますがはたして・・・
ヒデ