惜しいけどおいしいキズナ産駒のねらい目を分析!

 こんばんは、ヒデです。天皇賞春を粘って2着になったディープボンド、NHKマイルでは3番人気だったバスラットレオンがスタート直後に落馬、10番のソングラインが鼻差で惨敗するなど今一つ勝ち切れないキズナ産駒。ディープボンドやバスラットレオン、マルターズディオサなど活躍馬を出しているにも関わらずなぜG1を「勝てない」のでしょうか。今日はその勝てない理由と、苦悩が続くキズナ産駒の「狙いどころ」を分析していきたいと思います。

※データ期間:産駒デビューから5/9まで


目次

1.パワーに富んだ産駒が多いようです。

2.マイル以上×非根幹距離=うまみマックスです。

3.母父はスピードを補うべし!?

結論:なぜキズナ産駒はG1を勝てないのでしょうか。

キズナ産駒のねらい目まとめ!


1.パワーに富んだ産駒が多いようです。

 キズナ産駒のセールスポイントは「パワーが豊富」だということでしょう。サンデーサイレンス系、ディープインパクト産駒は基本的に瞬発力に向きやすいのですが、母父ストームキャット系が入ったことでよりパワーが補完された形になっているようです。

 今井雅宏氏の新刊『ウマゲノム版種牡馬辞典2021-2022』でも「かなりパワーがあり、また戦う意思もある。(中略)本質的には消耗戦に向く」と記載されているように、瞬発力よりもパワーに特化した産駒が多いようです。

 そのため、ディープ系には見られない「ダートが得意」なタイプで、特に得意条件が合致にしている「急坂×左回り」の中京ダート1800mは(4-5-5-28)で複勝率42.9%、消耗戦になりやすい阪神ダート1800mでも(14-22-12-57)と複勝率45.7%と100戦以上走っているにも関わらず、複勝率をキープしています。

 このことからわかる通り、キズナ産駒はかなりパワーに富んでいます。そして、左回りと坂のあるコースが大好物なことがわかりました。



2.マイル以上×非根幹距離=うまみマックスです。

 先ほどの今井雅宏氏の『ウマゲノム版種牡馬辞典2021-2022』でも「非根幹距離に向く」と記載されています。それを裏付けるように芝コースの1800mは(27-21-17-152)で複勝率30%、ダート1800mも(27-21-17-152)で複勝率34.2%で単複100%を共に超え。同じく非根幹距離である芝2200mも成績がよく、複勝率は29.2%となっています。

 1400m以下も成績は高いのですが、少し展開次第になるようで、特に最初の3Fが33.5秒より早くなってしまうと苦戦する傾向にあります。先週の橘Sダディーズビビットやビアンフェなどもこの傾向に当てはまりやすいです。逆にテンがゆっくり流れるという展開待ちになりそうです。

 ここまで行くとパワーが溢れていることに加えて消耗戦に強い産駒が多いため「マイル以上の非根幹距離」を狙っていくのが良さそうですね。

参考:1.2の展開が嵌ったパターンをいくつか紹介します。

20年セントポーリア賞(芝1800m)ショウナンハレルヤ(10人気)→1着

20年フラワーカップ(芝1800m)アブレイズ(12人気)→1着

20年6/21阪神2歳未勝利(ダ1800m)プルセイラ(9人気)→2着

20年9/21中山三歳上1勝クラス(ダ1800m)テリオスベル(13人気)→1着



3.母父はスピードを補うべし!?

 母父のニックスは種牡馬別に見ると「サクラバクシンオー」、系統別で見るとミスプロ系が一番です。このことから考えられるのは「スピードを補うのが吉」ということではないでしょうか。先ほどの分析でわかることは「キズナ自体はパワー系」ということです。そのため、瞬発力を引き出そうとするのであればミスプロ系の母父との相性が当然よくなるということでしょう。

 昨年のチューリップ賞を制したマルターズディオサや先週行われた谷川岳S2着のスマートアリンなどはこの組み合わせになります。マイルや1800mまでの活躍馬には米国系が母父に入ることが非常に多いので、マイル近辺で狙うのであれば「母父米国系」を狙うのが良さそうです。

 逆に中距離以上を狙うのであれば「母父欧州系」がやはり優秀です。前述のディープボンドやアブレイズなどは共に欧州系が母父に入っています。このタイプは「先行しての消耗戦に向いている」いるでしょう。ですので、より長距離などで活躍することができるのでしょう。特にディープボンドは2200m以上では抜群の安定感を誇っていますので、海外での活躍も楽しみです。



結論:なぜキズナ産駒はG1を勝てないのでしょうか。

 長くなりましたが最初の疑問、なぜキズナ産駒はG1を勝てていないのかです。これは「非根幹距離が得意だから」というのが答えではないでしょうか。現在、1800mや1400mの芝G1というのは日本に存在していません。そのため芝でG1を目指すのであれば宝塚記念、ダートならばチャンピオンズカップというのが最大の目標になりそうです。また、条件が整えば高松宮記念で一発、なんてこともありそうです。まだ産駒が若く、今年デビューの2歳馬は3世代目。消耗戦が得意かつ中距離をこなせる産駒が出てくれば宝塚記念馬誕生も時間の問題だと言えるのではないでしょうか。

 最後になりますがキズナ産駒は意外性もまだまだ含んでいます。キズナ産駒をべた買いしても現状単複共にプラス収支。今後も大物が出てくる可能性も高いのでまだまだ気長に待ちたいところです。



キズナ産駒のねらい目まとめ!

1.パワーがあるので非根幹距離の持久戦で期待値が高い

2.特にマイル以上×非根幹距離は芝ダート共においしい

3.短距離ならば時計が掛かっている時がおいしい

4.短距離母父のニックスはスピードを補うミスプロ系やサクラバクシンオー

5.中距離ならば母父欧州系で消耗戦で強さを見せる


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キズナの夢をディープボンドが追いかける、この流れはやはり競馬にも物語が多いことを教えてくれている感じがします。個人的にはこういう挑戦は大好きで応援したくなります。

それでは!