矢作調教師の「客目線」

Yahagi 矢作調教師といえば、『開成調教師』を読んでいただいた方はお分かりだと思いますが、「経営者の視点」を大事にされています。

今年の矢作厩舎の目玉の一頭が、母Weekend Whim。シュウジデイファームで素晴らしい動きを見せているそうですが、父がMedaglia d'Oroということで、「もしかしたら日本競馬に適応しないのでは?」という一抹の不安もあります。
この馬はキーンランド9月で60万ドルで落札されていますが、同オーナーはもう一頭、このセリで馬を買われています。それが母Rhiana。
「千二オンリーかもしれないけれど、芝でもダートでも活躍できそう」とは矢作師のコメントですが、ここがまさしく矢作師の「経営者の視点」なのです。

というのも、ホームランもあるけれどリスクもある母Weekend Whimと一緒に、手堅い活躍が見込める母Rhianを手に入れることで、いわゆる「丸ハズレ」を回避しているわけです。
顧客である馬主さんに、「もう馬なんて持たない」と思わせないための工夫がここにあるのです。

ハマの番長こと三浦大輔投手が初めて所有したリーゼントブルースに関しても、「欠点の少ない馬を勧めた」と仰っていました。結果、リーゼントブルースは、コンスタントに入着を重ねる馬主孝行な成績を収めています。

まさに「客目線」。相手のニーズを最優先に考えるという基本理念。矢作先生のお話は、編集者の自分にとってもいつも勉強させられます。

『競馬王のPOG本』も読者の皆様の目線になって作ったつもりです。インタビュアーにこだわるのもその一環。
今年も、矢作師が調教助手だった時代から親交の深い棟広良隆さんがインタビューしています。是非、『競馬王のPOG本』内の本音の詰まった記事を読んでみてください。

今年の「番長の馬」情報もありますよ!