保存版!沙田競馬場特徴分析!!

 こんばんは、ヒデです。今週末は日本馬も多く参戦する香港の国際G1デーが開催されます。今回は沙田(シャティン)競馬場の特徴を分析していきたいと思います。年に2回、G1レースが日本でも発売されるレースですが、そこまでどんなコースか把握できないイメージです。そこで今回はそんな沙田競馬場はここを見れば予想できる!レベルで詳細に書きたいと考えていますので、年に2回すこしでも参考になれば幸いです。それでは本日もよろしくお願いいたします。


< 目次 >



1.コース概要

2.1200m

3.1600m

4.2000m

5.芝2400mの攻略情報


1.コース概要

 それではまず沙田競馬場の概要を見ていきましょう。沙田競馬場は川の河口に位置する場所で、埋め立て地に作られた競馬場となっています。競馬場は右回りで施行されています。

 今回G1競走に使われる芝コースは1周1899mで約1900mと考えていいでしょう。これは京都競馬場のAコース使用時とほとんど同じとなっています。直線は430mです。3コーナーに向かって緩やかな上り坂、最後の直線は緩やかな下り坂となっています。そして3‐4コーナーはバンク状になっているのでスピードが緩むことなく進んでいけるというメリットがあるようです。コース設定も柔軟に可能で、1000mから2400mまで設定できるようです。特に1200mや1600mなどスプリントよりの施行が多く、世界随一のレベルとなっています。

 また、この競馬場における一番の特徴は「水はけのよさ」です。東京競馬場も近年水はけが良いと言われますが、それよりも沙田競馬場は良いようです。特に香港は7月頃スコールに悩まされる立地にあります。それでもこのコースは朝にスコールが降っても昼過ぎには水がはけている程の水はけの良さを発揮すると言われています。ほとんど良馬場に近い形で施行されると考えるといいでしょう。雨対策はパドックでも行われており、パドックの上には開閉式の屋根が使用されています。ちなみに可動式の屋根は日本の株式会社横河システム建築さんが2004年に建設したものです。

 芝コースは「洋芝」で施行されています。札幌や函館と近い質ですね。平坦である分札幌競馬場が一番近いと言っていいでしょう。芝2000mのレコードタイムを比較すると、札幌は08年札幌記念でタスカータソルテが記録した1分58秒6。沙田はウインブライトが昨年4月にマークした1分58秒81でほぼ同じ。芝1200mのレコードタイムも1分7秒5で同タイムとなっているなど、札幌と時計の出方は変わりません。予想する際のイメージとしては札幌競馬場と考えると少し楽になるかもしれませんね。



2.1200m

 まずは香港スプリントなどが行われる芝1200mの分析をしていきたいと思います。香港スプリントなどが行われる1200mのレコードは1分7秒5と札幌競馬場芝1200mのタイムとほとんど同じになっています。近年は1分7秒台が頻発するようになってきたので、高速馬場になりつつあると考えても良いでしょう。

 コースはスタートから300mで3コーナーに入るため、先行争いは激化しやすい傾向にあります。ただ、緩やかな上り坂であることから思ったよりハイペースにならない印象です。4コーナーをすぎると下り坂なことに加えてバンク状の4コーナーであるためにスピードを落とさず一気に直線勝負になりやすいですね。過去5年の映像を見た目測ではありますが、ほとんど直線一気などはないコースで、概ね中団よりも前でレースの勝ち馬が出てきている印象です。外はボコボコしているからかそこまで伸びません。伸びるならば真ん中より内から伸びてくる馬が一番いい感じがします。逃げ切りや後方からの一気は期待薄なので、3~8番手位に付けられそうな馬を探すのが無難かもしれません。

 枠はやや外有利の傾向があり、8番枠以降が勝ちすい印象を受けますので、外枠に入った馬には注意する必要があるでしょう。




3.1600m

 続いて1600mです。マイルコースは2コーナーの奥、引き込み線からスタートします。一番3コーナーにかけての坂の影響を受けやすく、先行争いはそこまで激化する印象はありません。馬群は綺麗に整列しやすい傾向にあります。それでも残り400mから先行勢は苦しくなりはじめ、豪快な差しも決まりやすいのがこのコースの特徴です。15年にモーリスが勝った時も後方から差してきた2頭で上位を独占しており、この傾向が強くでた参考レースといえるのではないでしょうか。マイルは差しも決まる、これは押さえておく必要がありそうです。このマイルコースでは今年レコード更新されるなどこちらも高速馬場の傾向。それでも冬ということもあり、香港マイルでは少しペースは落ち着くのではないでしょうか。

 枠による有利不利は少なく、そこまで気にする必要はないと思いますが、1番枠がやや苦戦傾向とのこと。基本的には内目のゲート番を狙っていくのがよさそうです。



4.2000m

 香港カップで20年までに9勝している縁起のいいコースである芝2000m。過去5年でも3勝を挙げています。そんな芝2000mの特徴は何と言っても1コーナーまでの距離。スタートして200mで1コーナーになります。そのため極端な内枠有利の傾向が出ているコースです。これはクイーンエリザベスⅡ世カップの記事『日本馬活躍の予感!?香港GⅠ2レースを分析!!』でも書いた通り、1番枠、3番枠、5番枠の内枠奇数が好成績を残しやすいようです。20年の香港カップも3番ゲートからスタートしたノームコアが勝利するなどこの傾向がレース傾向ではなく、コース傾向であると言えます。やはり前目に付けている馬のほうがよく、やはり後ろからというのはそこまで見込めないかもしれません。それでも差してくる馬もいますので、内側からロスなく差してこられる馬であればチャンスアリといったところでしょうか。

 とにもかくにも内枠有利。それを念頭に予想を組み立てていく必要があるといえるでしょう。



5.芝2400mの攻略情報

 一方こちらは2000mから400m伸びて直線の入口にスタート地点を置くのが芝2400m。下り坂があるため、先行争いが激化しやすい傾向にあります。そのため長い脚を使って差してくる馬が一番有利な展開になりやすいですね。そうなると長く脚を使える欧州調教で向かってくる馬が強いという傾向があるでしょう。香港ヴァーズでも2015年から昨年までの6年間でオブライエン厩舎が2勝とかなり欧州系の馬が強い傾向であるのも頷けます。日本馬で勝利した2頭もノーザンダンサー系のサトノクラウン、父は凱旋門賞で3位入線(後に失格)のディープインパクトであることからも欧州優位がわかります。

 基本的に3コーナー(坂を登り切った直後)辺りからペースが早くなるので、2400mよりも長いレースで活躍したことがある日本調教馬には注意したい所でしょう。