春の電撃王へのステップレース、オーシャンステークス。荒れたり荒れなかったりと非常に難解にも思えるこのレース、二つのことも念頭におけば簡単に解けるようになるのです。その二つとはコース形状と血統。今回は今年のオーシャンステークスを考えます。
過去のオーシャンステークスの傾向を見てみると、非常に「リピーター」が多く、過去5年でも2年連続で馬券内となった馬は2頭、しかもナックビーナスは4年連続で馬券になっています。一昨年の覇者モズスーパーフレアはその年のスプリンターズSで2着と善戦しているように、このコースの巧者は馬券に絡みやすいのです。なぜそのような傾向が生まれるのか。これはコース形状が一つの要因であると考えます。
中山芝1200mはスタートしてすぐ下り坂が続き、ほかの1200ｍと比べてテンの３Fが早くなりやすいのです。オープンクラスにおけるテン３F平均タイムが中山が前半33.4なのに対して阪神が33.6、京都は33.8と1～2馬身ほど中山のほうがスピードに乗りやすいのです。全体時計を見るとハイペースになりやすいのが特徴です。しかし、差し追い込みは届きにくいという傾向も出ています。これは直線の急坂が原因で、ラップを見てもラスト１Fでは急激に失速しています。その減速具合は顕著であり、ラスト２Fが11.2-12.2となる場合もあるほどです。このような特殊なコース形状がリピーターを生みやすい要因ではないでしょうか。
続いて血統を見ていきましょう。直近2年の覇者はモズスーパーフレアとダノンスマッシュ。この2頭の血統構成を見ていくと、共通点も見えてきます。
ダノンスマッシュ（4-4）
父 ロードカナロア(スピード)
母父 Hard Spun(スタミナ)
モズスーパーフレア（1-1）
父 Speightstown（スピード）
母父 Belong to Me（スタミナ）
※馬名横カッコ内は通過順
2頭に共通しているのはスピード×スタミナ系の血統構成であること、先行して勝っていることがあげられます。先ほどあげた中山適性も、過去勝利経験があるなど合致しています。このように、スピード一辺倒ではなく、スタミナも兼ね備えなければ中山の芝1200ｍは馬券内に食い込むことは難しいのです。当日は後ろからくる馬は3着につけておくのがいいかもしれません。
以上のことを踏まえておさらいすると、オーシャンステークスで来る期待値の高い馬は
『過去に勝利実績あり×スピードスタミナを併せ持った血統』
と、いうことができます。それでは今年人気しそうな馬にそのような馬はいるのでしょうか。そこで馬を比較していくと、該当する馬は一頭だけになってします。その馬こそがアルピニズム。この馬はローエングリン（スタミナ）×アグネスタキオン（スピード）の組み合わせで、前走カーバンクルSを2番手から勝利。ここまで好走条件が揃っていれば抑えるのが吉でしょう。
実績×血統。この組み合わせが軸馬決定時に少しでも役立っていただければと思います。とにかく中山の外回りとは癖の強いコースです。特徴を知って攻略していくことが重要でしょう。基本は短距離血統でないと厳しい流れになるので、馬券検討をする際は短距離のスピード血統をまず探すことをお勧めします。今日も長くなりましたが、それではごきげんよう。
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今月はほぼ毎日ブログあげさせてもらう運びになりました。よろしくお願いします。
次回は川崎競馬場のエンプレス杯を考えて行きたいと思います。群雄割拠の地方交流、血統を中心に川崎のクセを探ります。それではお楽しみに！
ヒデ