有馬記念は人気馬2頭+人気薄1頭の組み合わせで勝負!

 皆さん、既に「競馬は人気馬2頭数+人気薄1頭の組み合わせでだいたい決まる」をお読みいただけてますでしょうか? 本書は、そのタイトルの通り、「競馬にはあれやこれや必勝法があり、予想の検討に物凄く時間が掛かりますが、その結果はたいていが人気馬2頭+人気薄1頭で決まっているんですよ」ということを冷静に解析して紹介している一冊です。所謂、コテコテの必勝本ではなく、凝り固まった頭をほぐすための自己啓発的な本なので、そのつもりで読んでもらえればきっと満足していただけるはずです。

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 さて、この手の本は、データを発表した途端、そのデータ(法則)が崩れる…なんていうことはよくあります。つまり、「競馬は人気馬2頭+人気薄1頭の組み合わせでだいたい決まる」なんて発信した途端に、全然その通りにならなかったり…といったことが。ところが本書は秋GⅠがスタートする前に校了したわけですが、秋のGⅠ戦線の結果は以下の通り、タイトルで宣言した通りの結果となっているのです(なお、本書内では、1~4番人気を人気馬、5番人気以下を人気薄と定義付けしています)。

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 表では、1~4番人気の「人気馬」を赤文字、5番人気以下を青字で表記していますが、ご覧頂いて分かる通り、この秋のGⅠ戦線は、10戦のうち8戦で「人気2頭+人気薄1頭」の組み合わせで決着。残りの2戦は「人気3頭」、「人気1頭+人気薄2頭」で決まっていますが、圧倒的なレアケースであることが分かると思います。

 「人気馬2頭+人気薄1頭」の組み合わせは春先からずっと続いており、さらに言えば近年のトレンドとなりつつあります。ではなぜこのような結果となっているのか。理由は色々あると思いますが、もっとも可能性として高いのが、“馬券を買っているファンのレベルが向上しているから”ではないでしょうか。例えば以前であれば、「牡馬混合のレースでは牝馬は消し」とか、「休み明けの馬は消し」と言ったセオリーみたいなものを信じて、人気になるべき馬が人気にならなかったり、人気してはいけない馬が人気してしまったり…といったことが多くあったように思います。ところが最近は、強い牝馬の台頭を目の当たりにし、半年振りのレースであっても平気で勝ちあがる馬を何頭も見らせられてきた影響で、真贋が見分けられるようになってきたのだと思います。

 つまり、本当に強い馬が1番人気を背負うようになり、危険な人気馬は人気を落とすようなことになり、人気と結果が=(イコール)で結ばれるようになってきているからこのような現象が続いているのだと思います。

 その観点で言えば、競馬ファンが弾き出すオッズ、特に上位人気に関しては信頼に値すると考えていいでしょう。であるならば、秋のGⅠ戦線でこれだけの精度を誇る競馬ファンオッズに逆らうのは無謀というもの。人間AI(使い方がおかしい?)に素直に従い、機械的に1~4番人気の中から2頭を抽出して、残り1頭の精査に時間をかけるのが有意義というものでしょう。

 私は今のところ、フィエールマンとクロノジェネシスを「人気2頭軸」に据えようと考えています。残り1頭の穴枠はどれにするか。無論、1頭に絞る必要はなく、絶対に当てたいと考えるのなら、3頭、4頭選んでも3連複なら十分プラス回収になるでしょう。ただ、私は今年の負債を一気に返すべく、穴枠からは、1頭、もしくは2頭までのチョイスにしようと考えています。その辺のところの最終決断は競馬王チャンネル「編集部の重賞予想」のコーナーにて発表する予定です。