意識が変われば成績が変わる?

 今年の秋のGI戦線は大いに盛り上がっていますね。秋華賞ではデアリングタクトが、そして菊花賞ではコントレイルが無敗の3冠馬に輝き、天皇賞(秋)ではアーモンドアイが史上初となるGI8勝の偉業を成し遂げました。
 それ以外のGIレースでも、スプリンターズSではグランアレグリアが安田記念に続いてGIを連勝し、エリザベス女王杯ではラッキーライラックが同一レース連覇&GI4勝の記録を達成しています。
 コロナ禍でありながらこれだけレースが盛り上がるのは、上記に挙げたような“しっかりとした主役”がいたからに他ならないですが、脇を固めるメンバーも揃って、馬券的妙味があったことも大きな理由の一つでしょう。
 実際、今年の秋のGⅠレースは出走頭数も多く、これまで5レース行われて、フルゲート割れは天皇賞(秋)の1レースのみ。各陣営が白旗ムードを挙げることなくなく、主役に真っ向勝負を挑んでくれたからこそ盛り上がったとも言えます。
 そんな秋のGIレースですが、春のGIレースと同じような傾向になっていることはお気づきでしょうか? それはまず、1番人気が圧倒的に強いという傾向です。そしてそれに伴い、残りの2枠(2着、3着)も連動したような傾向になっている…という点です。

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 新刊の「競馬は人気馬2頭+人気薄1頭の組み合わせでだいたい決まる」では、組み合わせの傾向を紐解き、どういう買い方をすれば“無駄なく”、的中と回収を手にすることができるか…ということに重点を置いて検証していますが、まさに本書内で示した通りの傾向となっています。
 本書では、1番人気~4番人気を「人気馬」、5番人気以下を「人気薄」と定義していて、競馬はそもそも3連複や3連単などの“3連系”を基準にして考えた場合、人気馬が「2頭」、そして人気薄が「1頭」で決着することが多いということを紹介しています。
 競馬歴が長い人からしてみたら、それらの検証データは“当たり前のデータ”に映るかも知れません。ですが、果たしてこれらのデータを意識して馬券を買っている人がどれだけいるでしょうか? 穴党の人ほど、大きなところを当てようと思って無茶な穴馬券に走ってないでしょうか? もちろん、穴馬を見つけ出して、穴馬券を狙うことは良いことです。しかし、実際のレースが示す通り、“穴馬で上位独占”…というケースは殆ど発生しません。ですから、穴馬券狙うにしても、実際の発生確率などを知った上で勝負すべきではないか…と考えるわけです。
 あれやこれやと考えた挙句、無謀な穴馬を2頭以上取り上げて馬券を買うような愚行よりも、人気馬を2頭以上しっかりと見定めて、あとは穴馬が1頭引っ掛かるのを待つというやり方の方が得策ではないのかな…と、少なくとも今年のGI戦線を見た限りでは考えてしまいます。
 ちなみに個人的な戦績で言うと、先週の重賞4レースでは、武蔵野S◎バティスティーニ(15番人気→16着)、デイリー杯2歳S◎レッドベルオーブ(1番人気→1着)、福島記念◎バイオスパーク(2番人気→1着)、エリザベス女王杯◎ラヴズオンリーユー(3番人気→3着)と、見事に人気馬を意識した3レースでは当てることができ、人気薄を狙った武蔵野Sだけ当たらないという結果になりました(※ただ、このレースは人気薄が2頭上位に来たので狙いとしては間違えではなかった)。    さて、今週の2重賞も、まずは人気上位馬の力量をしっかりと見極めた上で予想を発表したいと思います。改めて気付かされることが一杯の「競馬は人気馬2頭+人気薄1頭の組み合わせでだいたい決まる」はただいま絶賛発売中です。

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