【AJCC・オマケの消去法】

 「大きぃ~ことはいいことだ♪ そぉ~れ♪」

 「懐かしいなぁ、山本直純だろ。森永エールチョコレート」

 「白夜の生チョコ好きオバミホの生まれるずぅーっと前っすよ。板チョコ一枚50円だったんすから」

 60年代のCMソングをのんきに口ずさみながらアフター競馬評論家の鬼野谷と大井競馬に出かけた。鬼野谷が、冬は大型馬だ、と言い出したからだ。

 確かに先週のG2日経新春杯は542㎏のトゥザグローリーが制したし、日曜の中山では半分の6レースで体重500㎏以上の馬が勝っていた。

 それどころか先週の土曜、京都メインではなんと628㎏の超大型馬が出走した。

もちろんJRA最高体重出走記録で、ホワイトマズル産駒の8歳馬でクリーンという馬だ。16頭立ての⑯着とビリだったが、その大型馬の走りがド迫力。普通ドドドと駆けてくるのが、乾燥注意報が出っ放しのパサパサの馬場のため、ドップラー効果でドドドドとドが一回多く聞こえてくると鬼野谷が言う。

 水曜日の大井。G3のTCK女王杯があった日の3Rに出走していたアイスマン、某スポーツ紙で◎が打ってあったらしく、鬼野谷がコレッす、と耳打ちした。「ホワイトマズル産駒の大型馬っす、前走②着、軍資金をドドドドっと太らせましょうよ」

 なるほど、体重543㎏、パドックでも見栄えがする。人気はというと、16頭立ての5番人気だ。ちょうどいい。小銭稼ぎにはもってこいだ。

眉に唾するも、やはり気になる。大型馬のドが四つだ。あとで鬼野谷が得意げにオダを挙げるのも小憎らしい、「ど~よ」って。

 が、クリーンヒットならず、シンガリ追走のままドドっとしか走らず⑯着のビリ。

 さすがの鬼野谷もポツリ「Ⅰ、すまん…」

 何度詫びても懲りない鬼野谷、今度はAJC杯でも大型馬を狙うと言い出した。

 AJC杯、過去30年、前走時の体重が500㎏以上あった馬は[5-12-3-61]。一方、前走時460㎏未満だった馬は[5-4-8-51]。勝ち数は同じだが、連対率では、.210.129で大型馬に軍配があがる。

 「このね、500㎏以上馬で②③着にきた15頭のうち9頭までが6番人気以下の伏兵だったんすよ。最近では、平成20年、前走504㎏のトウショウナイトが9番人気②着、もうひとつ、一昨年、前走504㎏の8歳シャドウゲイトがこれまた9番人気の②着」

 「前走500㎏台といえば、504㎏ルーラーシップ、504㎏ミステリアスライト、512㎏ゲシュタルトと3頭いるけど…」

 「ゲシュタルトっすよ。父のマンハッタンカフェが天皇賞春と有馬記念を勝った時の体重が504㎏、姉のバブルガムエンドの最高体重が504㎏」

 「なんだか504ってのがキーワードっぽいけど、ゲシュタルトは2勝馬だよ」

 AJC杯、過去30年、芝のレースを15回以上走って0~2勝だった馬は[0-0-3-17]と連対例がない。ゲシュタルトは芝[2-4-1-11]だ。

 しかも、父マンハッタンカフェは、H21年に種牡馬成績1位のあと、5位、6位と下降線をたどり、今年は目下9位。

 「ところが前走重賞戦で連対ってのがミソっす」と鬼野谷。

 3カ月以上の休養馬を除き、前走10頭立て以上の18002400m芝の重賞戦で、斤量56㎏以上を背負って連対をはたしていた馬は[5-2-3-3]

 このうち、

(a)3走内に中距離20002200mの芝良・稍重で⑩着以下の大敗歴がある馬は×

(b)AJC杯で斤量60㎏以上の酷量馬は×

(c)前年11月以降にOP以下戦で着外(④着以下)があった馬は×

(d)右回りの芝で0勝馬は×

以上のマイナス4項目をクリアしていた馬は[5-2-0-0]

「前走中日新聞杯、斤量57㎏で②着。持ち時計だってルーラーの次に速いっすよ。大型馬、買わないと損するよ、困るよん」

「って、それ504…」

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