高橋学のダービー消去法予想VS鬼野谷オニ予想

 消去法シークレットファイル予想でどの項目にも引っかからずに残ったのは3頭だけで、2サダムパテック・5オルフェーヴル・10ナカヤマナイト。

 それに、待った!と難癖をつけてきたのがご存知?アフター競馬評論家の鬼野谷。白夜書房「競馬王」編集部のご隠居的存在で、無精ひげがうっとうしい。
 「ダービーは雨で馬場悪化が避けられないってさ。オルフェはどうなんすか。過去60年を見てみなさいよ。S29年皐月賞8馬身差圧勝のダイナナホウシュウが稍重で1番人気4着、S30年雨の不良で1番人気ケゴン3着、S31年重で1番人気キタノオーが2着、S34年雨不良で1番人気メイタイが3着、S37年雨で1番人気カネツセーキが28着、S40年雨不良で1番人気ダイコーターが2着、S42年皐月賞2馬身半差快勝のリュウズキが雨で1番人気5着、S43年稍重で1番人気・単勝支持43%のマーチスが4着、S44年不良で1番人気タカツバキ落馬、S46年稍重で1番人気ダコタが17着、平成以降は、良馬場以外のダービーを1番人気で制したのは5頭もいるけど、共通しているのは着順掲示板を外したことがない3勝以上っすよ。オルフェが東京で10着ってのは汚点っすよ」

 不良中年オヤジの鬼野谷がツバを飛ばしてまくりたてる。さらに、
「サダムだって、飛びの大きい馬だから道悪が心配って陣営が不安がってるじゃない。S60年以降、皐月賞2着馬は[3-2-3-16]って、たったの3頭しか逆転に成功しないっす。この3頭とも皐月賞ではコンマ1秒内の僅差2着っすよ。サダムの0秒5差は決定的差。

  ナカヤマナイトなんか距離が大丈夫っすか。S59年以降、年明け2~3戦馬で前走皐月賞6着以下のうち、前3走内にG1・G2戦連対歴なしあるいは前3走内に2000m以上のOP戦1着・重賞戦3着内好走歴なかった馬は[0-0-0-20]で、H8年ほとんど同型ホープフルS3着→1600m京成杯1着→共同通信杯1着→皐月賞0秒9差7着のサクラスピードオー(母系にマルゼンスキー配合まで同じ)が4番人気5着っす」
「よくも全否定してくれたね。それじゃ、なにが来るんだよ」
「トーセンレーヴに決まってるじゃないですか」
「H8年以降プリンシパルS出走馬は[0-1-3-29]って未勝利じゃないか。それに前身にあたる旧NHK杯出走馬だってS59~H7年間[0-5-4-67]とこれも未勝利とローテ的に厳しいんじゃないのか」
「旧NHK杯時代に馬券になった9頭のうち8頭が6番人気以下、プリンシパルに代わって馬券になった4頭中3頭が6番人気以下。伏兵探しにはもってこいっす」
「それで?」
「プリンシパル出走馬のうち、連対率が5割以上、かつキャリア4戦以上で前4走内にプリンシパルを除く12頭立て以上のレースで2勝以上あるいは重賞戦3着以内が2回以上あった馬は[0-1-3-0]。しかも、伏兵で3着にきた3頭に共通しているのが『月』っす。馬の生産者を漢字変換すると、H10年15番人気3着ダイワスペリアー明治牧場の『明』・H14年6番人気3着マチカネアカツキ工藤ファームの『藤』、H21年8番人気3着アントニオバローズ前川隆範氏の『前』とみんな漢字の中にツキがあるんすよ」
「トーセンレーヴの生産者ノーザンファームのどこに『月』があるんだよ」
「ノーザンつったら北じゃない。北つったら南の太陽の反対で月っすよ」
「………」
「それにトーセンレーヴのレーヴはフランス語で『夢』の意味っす。夢は月夜にみるもんすよ」とガラにもなく照れる鬼野谷。
「なにスカシているんだよ。土曜も日曜も大雨で月夜どころじゃないぞ」

 S59年以降、直前5月にレベルのあまり高くない関東エリアのレースで勝っても、その着差が1馬身以下だった馬は[0-0-0-21]と好走例がなく、トーセンレーヴも当然これ(着差クビ)に引っかかってくるが、いずれも中一週以上のローテで、レーヴのように連闘勝ちはいなかっただけに、レーヴの想定外のタフさに「ツキ」があるかもしれない。
「あと外枠の16番も味方してくれるっすよ。ダービーが18頭立てで行われるようになったH4年以降、良馬場で行われた13年間で馬番15より外の馬が3着内にきたのは7頭に対し良馬場以外でおこなわれた6年間では6頭。約3倍の比率で渋った馬場のほうが外枠有利に出ているっす、雨なら外枠!

 オルフェ=サダムのラインが雨で崩れ去るのか。トーセンレーヴが浮上してくるのか。
天気が恨めしい消去法予想VS雨歓迎のアフター競馬評論家・鬼野谷予想、軍配は?

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