片野治雄のファミリーテーブル予想

<菊花賞の反省&回顧・天皇賞(秋)展望>

 先週の菊花賞は言い訳なしの完敗。勝ったビッグの役割をトウカイが担うと予測していただけに展開的にも異質なレースとなり、レース直後はガックリとしてました。しかし意外だったのがローズ以外の好走馬たちの牝系です。勝ち馬ビッグウィーク[2-u]は同系の重賞勝ち馬が極端に少なく、ここ10年ではディアデラノビアが出たくらいの珍しい系統。さらに3着のビートブラック[22-a]もまた、ここ10年では新潟2歳Sを制したゴールドアグリぐらいしか重賞勝ち馬を出していない希少な系統だったのです。

今回のレースの印象としては僕の想像以上に「武豊騎手騎乗のローズキングダム」の他陣営への影響力の大きいものなのだと痛感しました。レース自体が超スローペースで展開された事でファンやメディアも賛否両論あるみたいですが、僕個人の意見で言えば「フィジカルでなくメンタルな部分でのスタミナを消耗したレース」という印象で<勢い重視>の予想が正解。イメージ的には今年の桜花賞に近い感じを受けました。

 さて今週末には古馬王道G1の第一弾・天皇賞秋が行われます。天気予報を聞く限り重馬場での施行は避けられそうもありませんが、気になる馬を何頭かピックアップしてみたいと思います。

 まずは毎日王冠の勝ち馬アリゼオ[19]から。同系にアニメイトバイオやインティライミを持ち、重賞好走馬こそ多いもののG1馬はほとんど誕生していない善戦止まりな系統。ただ、92年・93年と連続で2着したセキテイリュウオーも同系である事を思えば決して縁遠くはありません。続いて札幌記念の勝ち馬アーネストリー[3-n]。競馬王本誌では「洋芝巧者」である事から評価を下げる旨の記事を書きましたが、重馬場なら一転、条件は好転。連対圏まで飛び込んでも不思議ではありません。約1年ぶりの復帰戦でオールカマーを制したシンゲン[16-g]も重馬場なら怖い一頭です。g記号馬と言えば不良馬場のNHKマイルCを制したピンクカメオ[5-g]や重馬場の阪神大賞典を連勝したアサクサキングス[4-g]などがおり、彼らの重馬場実績を考えれば一発あってもおかしくありません。最終見解は競馬王メルマガに載せて配信させていただきますが、台風の影響で月曜開催などにならなければ良いのですが。

週末のスワンSも「枝の定理」的には注目のレースです。このレースはやたらとf記号馬が強く、ここ5年でも05年ウインクリューガー[2-f](13番人気2着)や06年プリサイスマシーン[12-f](14番人気1着)、07年スーパーホーネット[8-f](3番人気1着)に09年アーリーロブスト[3-f](16番人気2着)と、人気薄での激走が目立ちます。今年は前出のアーリーロブスト以外にも、1年半ぶりの復帰戦となるジョーカプチーノ[2-f]や前走惨敗で人気を落としそうなヘッドライナー[9-f]など穴馬が出走を予定しています。今回は人気馬に外国人騎手が騎乗するので波乱の目は少ないかもしれませんが、3頭の単複で少額勝負してみたいと思います。