片野治雄のファミリーテーブル考察

<牝系から見る高松宮記念展望>

 先週の中京開催の芝はローラー効果で土曜日こそ速い時計が出ていましたが、効果の薄れた日曜は例年以上に時計のかかる決着が目立ちました。さらに外差しのきく馬場ともなればここ数戦、メンバー最速の上がりを繰り出しながら善戦止まりが続くプレミアムボックス[19]にとっては願ってもない舞台と言えます。強烈な決め手を持ちながらも折り合い面に不安を残すタイプだけに、昨年ローズキングダムが一族悲願のG1制覇を成し遂げたようにレディチャッター・一族にとって初のG1制覇の期待がかかります(そういえば05年優勝馬・アドマイヤマックス[9-f]もこの宮記念が一族初のG1勝ちでした)。

もう一つ気になるポイントとして[高松宮記念と菊花賞のリンク]を挙げておきましょう。04年優勝馬のサニングデール[5-e]と08年優勝のファイングレイン[14-a]、この2頭はG1勝ちが久々の系統という事で共通していたのですが、その前のG1勝ち馬が菊花賞、それもレコード勝ちをしている競走馬を輩出しているという事でも共通しているのです。つまり、勝負所でスッと動く素軽さや瞬発力に欠ける面があるために能力を発揮するにはスパイラルカーブが有効であり、持久力勝負に長けた系統の証明であると言っても差支えないと思います。

この理屈を当てはめると、今回出走しているメンバーの中では98年の菊花賞をレコード勝ちしたセイウンスカイ[23-b]と同系に当たるサンカルロとエーシンエフダンズの2頭に要注意という事になります。

あと偶然だとは思うのですが、今週土曜日に施行される毎日杯は07年より外回り1,800mに変更されましたが07年、09年の勝ち馬はマイナーな牝系ながらも高松宮記念勝ち馬を出している系統です。そして08年の勝ち馬ディープスカイは前述の[23-b]・・・。強引なコジツケではありますが(笑)、人気薄の2頭だけに狙ってみて損はないと思います。