上りと持続と善戦と。 天皇賞春分析

 おはようございます。ヒデです。今日はいよいよ天皇賞春が行われます。昨年は堅実な結果となった天皇賞春ですが、今年は雨模様に。果たしてどのような結果になるのでしょうか。早速見ていきたいと思います。それでは本日もよろしくお願いいたします。


< 目次 >

1.初のフルゲート、その影響は!?



2.何も考えずに上りを見ろ!?



3.主流血統×欧州血統で勝負!?



4.該当馬




1.初のフルゲート、その影響は!?

 阪神3200mは昨年久しぶりに施行された距離で、今年の松籟Sを合わせても3度しか施行されたことのないコースとなっています。通常施行される京都3200mとはまったく異なる印象になっています。松籟Sは3勝クラスであるためメンバーが揃わず、昨年の天皇賞春でも17頭が出走するに留まっていました。ですので今回のようなフルゲートは初めてですのでそれがどう出るでしょうか。阪神競馬場芝3200mは「阪神と京都の3200mは実際別物なの?分析しました」でも書きましたが、このコースは3度坂を上るコース。ラップタイムを見ても坂は相当キツそうで、坂がある1600m~1800mでは1秒以上タイムが遅くなっています。かなりタフな傾向と言えるでしょう。タフになっているということは持続力が非常に重要になるということで、ロスの多い外枠に入っていないほうが良いでしょう。過去3度施行された中で8枠の勝利は1頭、14番ゲート以降は勝利どころか馬券圏内に入っている馬もいません。勝利している馬は6番ゲート以内ですから圧倒的に内優位になっていますね。最初のコーナーまでの距離は長いものの、終始外をまわったディープボンドが最後2着に敗れたことからロスが大きく響くコースであることは間違いありません。

 脚質的にも減速ラップになっていますから馬券になっているのは先行馬が中心です。いままで行われた3レースでは逃げ先行差しが1勝ずつしていますが、複勝率で高くなっているのは50%を超えています。上りを出せていても勝ち切れないレースでもあり、瞬発力だけで勝負する馬にとってはキツいといえるでしょう。捲っていくにもコーナーがきつい&直線が短いことから普通のコースよりも長く脚を使わなければならないことになります。昨年3角から上がっていったウインマリリンは5着、3角すぎからタイムを上げていったワールドプレミアが1着になっていることからもこの傾向が強く出ていることは明らかでしょう。長く脚を使える馬、瞬発力を持続できるタイプがいいでしょう。



2.何も考えずに上りを見ろ!?

 このレース、このコースで非常に重要になってくるのが「上り」です。昨年の天皇賞春覇者ワールドプレミアもその前走日経賞で上り1位だったように前走上りを出せている馬が非常に重要になっています。このコースで行われた3レースはともに上り2位以内が勝利している馬が勝っていることからもよくわかります。これは阪神大賞典とも同じような傾向になっていますから類似点があるといえそうですね。まずは各馬の上りタイムを見るところから初めても良いでしょう。上りの出せていない馬は割引が必要です。

 京都時代も含めた過去5年は昇級もしくは格上挑戦というのはあまり見かけませんが、結果には結びついていません。昨年は同コースである松籟Sを勝利したディアスティマが出走しましたが7人気6着と善戦どまりになっていました。軸にはできないでしょう。重賞のローテですと大阪杯、阪神大賞典、日経賞に限られていますね。そしていくら「レベルが低い」と言われてしまうようなレースであっても馬券になるのは前走4着以内の馬に限られています。巻き返しというのは見られませんので、その面には注意して確認する必要がありそうですね。

 そしてもう一つのポイントは「菊花賞」。これも土曜の放送で話しましたが、これはかなり印象が強いです。過去5年の勝ち馬を見てみると

21年→ワールドプレミア(19年菊花賞1着)

20年→フィエールマン(連覇)

19年→フィエールマン(18年菊花賞1着)

18年→レインボーライン(16年菊花賞2着)※菊花賞馬の出走なし

17年→キタサンブラック(15年菊花賞1着)

と菊花賞を勝っている馬が有利に働いていました。3000m以上の重賞で勝利している場合でも強かったので菊花賞を一つのボーダーとして考えるのも良いかと思います。



3.主流血統×欧州血統で勝負!?

 3000m以上の競走ということで「長距離適性」はもちろん必要になってきます。ただ、それは陣営も同じで「3200mに実績がある」と判断したからこそ出走させているのでしょう。それでは適性面には大きな差は生まれません。それではどこで判断するのが良いでしょうか。その一つが「末脚の持続」にあると考えられます。昨年の3着以内を見るとよくわかります。ワールドプレミアは母父がドイツ血統、ディープボンドは母父キングヘイローでダンシングブレーヴ系と欧州の重厚な血統となっていました(3着カレンブーケドールはディープ産駒&前走上り1位)。阪神は前述の通り「坂を2回越えることに加えて最後の直線が短い」コースです。そうなってくると必然的に上りが出せるサンデー系に欧州の重厚な血統が入っていることが有利と言えるでしょう。これは阪神3200mで馬券圏内に入ってるのが主流血統しかいないことからも明らかですね。特にディープインパクト産駒は2勝していることから特にこのコースとの相性がいいと言えますね。

 母父系で見てもトニービンやパラダイスクリーク、前述のキングヘイロー系のように欧州系が入っていると有利になっています。瞬発力を殺さないながらも重厚な欧州血統が入っているほうがよく、フランス的な適性が求められているといえるでしょう。フランス型の欧州系は末脚を伸ばす力があると言われていますから理想的です。トニービンもダンシングブレーヴも凱旋門賞を勝利していることからもフランス的な末脚を殺さないサンデー系の組み合わせがベストマッチな適性でしょう。ただ面白いのが「母父欧州系だけでは決着しない」というところ。母父米国系でも届く場合があるんです。これは米国ノーザンダンサー系が圧倒的に優位になっていますので、欧州系もしくは米国ノーザンダンサー系が母父に入っている馬を狙っていくのが良いでしょう。

4.該当馬

 すこし長くなってしまいましたが、天皇賞春の該当馬を見ていきましょう。

5.マカオンドール

内枠〇 差し△ 前走掲示板〇 菊花賞実績△ 前走上り〇 血統〇 

 狙うなら前走というイメージが強いですが(前走も推奨していますね)わずかに届かず4着。血統派母父ミルリーフ系、父は菊花賞馬ゴールドシップ、上りは3位以内などいろんな条件はクリアしているものの馬自身のレベルという意味ではよくも悪くも判断に困るところです。今回それにしては人気しすぎですから、自信をもって推すことはできない印象です。それでも該当条件は多く、期待ですね。

9.ヒートオンビート

中枠〇 先行〇 前走掲示板〇 菊花賞実績△ 前走上り〇 血統〇

 前走は日経賞で先行有利にも助けられたものの見事3着確保。上りは1位という絶好条件になったといえます。今走は距離延長で微妙なイメージもありますが、延長ローテは勝ちこそないものの、【0-2-1-2】と複勝率50%超えの成績に。今回も善戦期待というところでしょう。キングカメハメハ産駒の勝利はないという距離の壁を超えられるかがポイントですね。

16.タイトルホルダー

外枠△? 先行〇 前走掲示板〇 菊花賞実績〇 前走上り〇 血統〇

 前走は1倍台の支持に応えて圧勝。本番に向けてはずみをつけました。個人的に有馬記念は「負けて強し」の内容で、1~9着になった馬で唯一残ったその強さは世代随一。昨年の菊花賞は内枠からしっかり抜けいているなど長距離の安定感も抜群ですから、その菊花賞を勝った阪神であれば再び期待でしょう。血統的にもドゥラメンテに英国血統とかなり重たい雰囲気で、粘りという観点では相当なもの。外枠が心配ですが、外枠&延長得意なドゥラメンテ産駒、和生騎手も調子いいですしかなり期待していいと思いますね!

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