【オールカマー・オマケの消去法】

 「しっかし、よく食うね~。もう少し味わって食べたらどう」

 「食欲の秋っすからね。胃袋が復活っすよ」

 「腹のすいた人間は、ソースの味を試そうとしないってソクラテスが言ってたけど…」

 「なに、マズそうなこと言ってんすか。ほら、食べて。ジョウムのおごりっすからね」

先週、変則開催の月曜阪神競馬で単勝301.4

13番人気シゲルジョウムと単勝5.8

3番人気シゲルリジチョウの単勝馬券を当ててフトコロほっかほっかのアフター競馬評論家鬼野谷。前の日まで、ローズSのリヴァーレがくさい、なんて言いふらしていたのはどこ吹く風だ。

「胃袋復活もいいけど、クローンが復活したんだってな」

「そうなんすよ。クローンも進化したっすよね」

なんだかクローン違いのような気もするが、ジョウムには逆らえない。

アメリカを代表する女性騎手のジュリー・クローン騎手が復活した。48歳。

3704勝を挙げて2004年に引退した女王的存在のクローン騎手。アメリカの三冠レースを制したこともある名手だが、度重なる落馬負傷で体はボロボロ。

しばらく静かに……なんてポジティブなヤンキー魂が思うわけがない。

この秋、イギリスのドンカスター競馬場で行われた芝8ハロン戦に参戦し、見事3705勝目を挙げて復活したのだ。

「でも、女性の48歳っての凄いっすよ。柴田政人騎手が引退したのは46歳だったけど、そんときは1767勝すよ」

「よく勝利数まで覚えてるな」

「いやぁ、引退の時に、これで人並みになろうな、てダジャレていたからっすよ」

胃袋が復活した鬼野谷。今度はウンチクが復活した。

アメリカにウィリー・クラークという騎手がいて、ウエストバージニアのチャールズタウン競馬場を本拠地に活躍していた。この人、なんと古希寸前の69歳まで馬に乗り続けていたというからすごい。1991年に引退し1143勝を挙げていたという。

「年くったからといってバカにできないすよね。今週はオールカマーで年寄り9歳馬のシャドウゲイトを狙ってみますよ」

「たしかに、シャドウゲイト、7歳以降にG2戦で8・9番人気で2着ってのがある穴馬だけど、もう9歳だぞ」

「なに言ってんすか。能力は年齢では推し量れないものがある、ってダヴィンチが言ってなかったすか」

「それで?」

右回り実績に注目する手、だという。

オールカマーがG3からG2に格上げされたH7年以降、左回りで行われたH14年の新潟開催を除き、右芝の連対数が10回以上あった馬は[3-1-1-10]

このうち、

(a)前走重賞戦3着内好走歴ない馬×、あるいは重賞戦で負けても0.6秒差内ならok

(b)3走内にOP以下戦で連対を外したことがあった馬は×

(c)右芝の連対が10回以上あっても、右芝3勝以下は実績不足で×

(d)前走直前夏場8月のレースで斤量59㎏以上背負っていた馬は疲労が懸念され×

以上の4項目クリア馬は[3-1-0-0]

右芝[5-5-1-20]の9歳馬シャドウゲイト、前走重賞連勝馬の0.4秒差ならまだまだ化ける可能性十分。

「これ当てたら、日曜の夜はバカ騒ぎっすよ」

「どこで、誰と?」

「新宿2丁目の通りで…」

「シャドウゲイト…か」

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